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第262話 「魔力切れ」

申し訳有りませんが、『260話から』改稿しました。

工務省パートは少し後の話になります。

 オレリーの放つ魔力波オーラに大きな異常を感じた赤帽子=アルフレッドは急いで彼女の自室に向った。


「奥様! オレリー奥様!」


 アルフレッドはドアを叩き、大声で呼びかけるがオレリーからの返事はない。

 少し前に起床して遅い朝食を食べた後に今日は出勤せずに屋敷の自室で仕事をしていたフラン。

 彼女も激しいノックの音とアルフレッドの大声を聞いて急いで駆けつけたのだ


「どうしたの?」


「オレリー奥様の魔力波が大きく乱れました。何かあったと思われます」


「ええっ!」


 レッドがドアノブを回すと鍵はかかっていなかったので、彼はフランに一礼して部屋に入って貰う様に頼んだのである。

 フランが部屋に入ると机に突っ伏したままのオレリーの姿があった。


「これって何? ……でも魔力波が乱れたって事はただ眠っているのではないのよね。あ、あああ……大変だわ。でも、お、落ち着くのよ、私!」


 フランは自分に対して動揺しないように言い聞かせるとオレリーの元へ駆け寄り、そっと身体に触ってみた。

 幸い身体は温かく、生きている確かな鼓動をフランの手に伝えて来る。


「レッド! 悪いけどオレリーを抱えてベッドに寝かせてくれる? 皆良い? 今、屋敷に回復魔法を使える人が居ないから直ぐに旦那様をお呼びします!」


 オレリーの状態を確かめたフランは一心にルウに念話を送る。

 モーラルと違って他の妻達は魂同士で会話を行う念話を完全には使えない。

 しかし魂を繋ごうとするように念じればルウから魂の波長を合わせて連絡は取れると普段彼は妻達に徹底していたのだ。


『フラン! どうしたっ?』


 いきなりフランの魂からの呼びかけに同調シンクロしたルウの声が響く。


『ああっ、旦那様! オレリーが、オレリーが!』


『分かった、皆まで言うな。今お前の魂に浮かんだ事を俺は読み取った。直ぐにそちらに向かおう』


 ルウはそう言い切ると魂の同調を解除したのであった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 魔法女子学園屋外闘技場、午前11時50分……


 ルウがジゼルを手招きする。

 ジゼルは真剣な顔をして直ぐにルウに近付いたが彼から耳打ちされるとみるみる顔色が変わって行く。

 どうやらルウがオレリーの身に起こった『異変』を伝えたらしい。


「り、了解だ! ここは任せて欲しい。それにどうせもうお昼休みだ。早くオレリーの元に行ってやってくれ、旦那様」


「よし! 頼むぞ、ジゼル。オレリーを治療したらまた戻る」


「こちらは気にしなくて良いぞ、旦那様」


 ルウは踵を返すと人気ひとけの無い闘技場横の植え込みの陰に身を潜め、地の精霊ノーミードを呼び出した。

 地の精霊の顔付きも主の影響があるのか真剣だ。


「行くぞ! 地の精霊ノーミード!」


 ルウの身体が煙のように消えた。

 屋敷に向かって転移したのである。


 数分後―――オレリーの部屋の片隅に強力な魔力波オーラが立ち昇る。

 まず地の精霊が現れ、直後にルウの長身が現れる。


「旦那様がいらっしゃったわ」「よかった!」


「早く! オレリーを見てあげてくださいませ」


 フランがふうと息を吐き、騒ぎを聞きつけて後から来たナディアとジョゼフィーヌが安堵の表情を浮かべる。


 ルウは部屋に現れると皆を労わってから、ベッドに寝かされたオレリーに駆け寄った。


「オレリー……成る程……これは?」


「旦那様、オレリーは大丈夫でしょうか?」


 心配そうに聞くフランにルウは穏やかな表情を向ける。

 とりあえず安心しろという合図だ。


「ああ、とりあえずは大事には到っていない。結論から言うと魔力切れの典型的な症状だ。治療としては魔力を補填してやれば良い。皆も覚えておけ、魔力発生の1番の源は心臓だ。ここから血と共に魔力を循環しているんだ。という事は心臓に直接魔力を送り込んでやれば良い」


 ルウはオレリーの肌着をはだけると彼女の胸を露にした。

 そして目を閉じるとオレリーの形の良い左の乳房に手を当てたのである。

 ルウの手が眩く光り、それに伴いオレリーの身体もぼうっと淡い光を帯びて来た。


「う、ううん……」


 ルウの魔力波を受けてオレリーがぴくりと動いた。

 そして目をゆっくりと開けると目の前にルウが居るのを見てにっこりと笑ったのである。

 どうやら、未だ寝惚けているらしい。

 ルウの手が自分の乳房に置かれているのを何気に見たオレリーは思わず甘えてしまう。


「旦那様……もっと……揉んで……強く触って! もっと激しくても良いの」


「ああ、オレリー。心配したぞ」


 ルウがゆっくりと胸を揉みしだくとオレリーは嬉しそうに反り返って白い喉を見せ、はあと溜息を吐いた。


「オレリー、元気になってよかったですわ!」


 その様子を見て思わず叫ぶジョゼフィーヌ。


「え!?」


 ジョゼフィーヌの声が耳に届いたのであろう。

 オレリーが驚いたように目を見開き、起き上がる。


「ああっ、いやぁ!」


 オレリーは恥ずかしそうにルウに抱きつき顔を埋めてしまう。

 恥ずかしがるオレリーにフランが言う。


「大丈夫よ、オレリー。旦那様に胸を愛撫して貰うのは私達全員好きだから」


 それを聞いたオレリーがそっと顔を起す。


「ほ、本当? フラン姉」


「本当よ、そうよね? みんな


 オレリーから念を押されたフランがその場に居たナディアとジョゼフィーヌを振り返る。


「そうだよ、この雰囲気ならはっきり言うけど、ボク……旦那様に胸を触って貰うと気持良くてぞくぞくきちゃうんだ」


 ナディアが恥ずかしそうに言うとジョゼフィーヌも負けていなかった。


「私は……その……旦那様に胸をキスされると……全身が、かあっと熱くなりますの」


 1番の親友のジョゼフィーヌの『秘密』を聞いたオレリーはほうっと息を吐いた。

 自分だけが『特別』じゃないと知ってホッと安心したのであろう。


「でも……私、勉強していた筈なのに……どうして?」


 どうやらオレリーは気を失った事を良く覚えていないらしい。


「暫くしたら、ある場所に調査に行ったモーラルが戻って来る。原因は見えて来たぞ」


 モーラルの報告で今回の件が分かる?


 その言葉にオレリーを含めた全員の視線がルウに集まったのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!

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