表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1390/1391

第1,390話「女傑3人㉒」

「く、くそっ! 生意気な! ならば! これでどうだあ!」


大いに悔しがったノーライフキングは、急激に体内魔力を高めた。


対して、テオドラは言う。


「ほう、今度は魔法を使うつもりですか?」


「そうだ! ワシが最も得意とする魔法よ!」


「いつでも……どうぞ」


「ひひひひひ、ワシほどの術者ならば、体内魔力さえ十分に高まれば、無詠唱、超高速で発動が可能じゃ……きええっ!」


ノーライフキングがおぞましい奇声を発すると同時に、広範囲に凍気を含む大量の魔力が満ち、

大気の温度が急激に低下する。


びしびしびしびし!びしびしびしびし!びしびしびしびし!びしびしびしびし!

びしびしびしびし!びしびしびしびし!びしびしびしびし!びしびしびしびし!


テオドラ、ケルベロス、ウッラ、そしてマルコシアスの周囲で、吹きすさぶ暴風雪が生じ、何者でも凍り付く! ……はずであった。


しかし!

魔法は発動しない……


「な、何!!?? ワ、ワシの! ま、魔力が!!?? へ、へ、減って行くぅぅ!!??」


驚き、戸惑うノーライフキングが叫んだ通りである。


周囲に満ちていた凍気を含む大量の魔力は、急激に少なくなって行く!!


「こ、こ小娘!!?? ガ、ガ、ガラクタの戦闘用自動人形!!?? お、お、お前!!?? な、な、何をしてるぅう!!??」


テオドラに対し、罵倒の限りを尽くす、ノーライフキング。


だが、テオドラは答えない。

無言である。


「………………………………」


「き、き、貴様ああ!! き、き、吸魔を!!?? 我が魔力を吸収しておるのかあ!!!」


ノーライフキングの言う通り、テオドラには大気から魔力を得る以外に、

敵から魔力を吸収する能力、吸魔能力がある。


この吸魔能力も、ルウとモーラルにより大幅にビルドアップされていた。

以前よりも、遥かに大量の魔力を吸収する事が可能だ。


ここで、テオドラは初めて言葉を戻す。


「はい。ですが………」


「ですが?」


「貴方の魔力……全く美味しくありません。いいえ、はっきりいってまずい! 腐ったどぶ水のようですよ」


淡々と、しかし言葉は辛辣に、吐き捨てるようなテオドラ。


「な、何だとぉぉ!!」


「なので……私には不要です。特別にサービスして、魔法でお返しします」


「な、何!?」


「行使するのは、練習中の魔法ですが、魔力を相当、消費します」


「な、何だと!?」


「でもノーライフキング、貴方から頂いた魔力量でちょうど、足りますね」


「ふ、ふざけるなあ!!」


「ふっ……愚かですね! 小賢しい不死者アンデッドよ!」


「ほ、ほざけ!! こ、小娘!! ガラクタめえ!!」


「ビナー、ゲブラー……嘆きの槍(ロンギヌス)が、約束の地より放たれ、汝の血と肉と骨を喰らい、不死の魂をも、飲み込むであろう!」


「な、な、ま、まさか!!?? そ、その魔法は!!??」


復讐(ウルティオー)!」


テオドラの言霊がノーライフキングへ投げ掛けられる。

それは、禍々しい漆黒の魔力波(オーラ)となり、凄まじい速度で、

一直線に飛んで行く。


そう!

テオドラはルウ直伝、不死の悪魔をも、魂を破壊して倒す禁呪、

かつて、大悪魔メフィストフェレスを消滅目前に追い込んだ究極の魔法のひとつ、復讐(ウルティオー)を習得していたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「い、いやだああっっ!!」


魔法を熟知したノーライフキングであるが故に、禁呪復讐(ウルティオー)の凄まじい破壊力も知っている。


飛んで来た禍々しい漆黒の魔力波(オーラ)を、

ノーライフキングは、素早く身体をよじり、何とか、避けようとした。


しかし、漆黒の魔力波(オーラ)は、ノーライフキングの身体を包み込む。


全身、そして心に激痛が走る!


「ぐわあああああああああああああああ!!!!!」


絶叫し、悶え苦しむノーライフキングを見て、

テオドラは淡々と言う。


「いかがですか? 我が主であり師であるルウ様直伝の魔法、復讐(ウルティオー)で、貴方の魂が破壊される感覚は?」


「くうおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


だが、何と何と!


「かあああああああああっっっっっ!!!!!!!」


気合一閃!

ノーライフキングを包む、漆黒の魔力波(オーラ)は四散してしまったのだ。


「ひひひひひひひひ!!! どうだあ!!! 小娘ぇぇ!!! 我が偉大なる力、ノーライフキングの魔法耐性ぉぉ!!」


必殺の魔法、復讐(ウルティオー)が通用しなかった!!??


しかし、テオドラに動揺の色はなかった。

それどころか笑っていた。

苦笑していたのである。


「あら、やはり完全に習得出来ていませんね」


テオドラの余裕の態度、つまり、練習中の魔法だから、通用しない場合もある。


そのケアも万全であった。


勝ち誇るノーライフキングはテオドラと、必殺の魔法、復讐(ウルティオー)に気を取られ、全くの無防備。


「覚悟!!」


気が付けば、ノーライフキングの目の前に美しきダンピール、ウッラの姿が!!


「な!!??」


ルウから授かった、聖なるオリハルコン製、破邪の魔剣が唸り、ノーライフキングの身体はまっぷたつにされていたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎小説書籍版既刊第1巻~8巻大好評発売中!

《ご注意!第8巻のみ電子書籍専売です》

(ホビージャパン様HJノベルス刊

宜しければ、第1巻から8巻の一気読みはいかがでしょうか。

HJノベルス様公式サイトでは試し読みが可能です。

お気軽にどうぞ!


◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス刊)

既刊第1巻~5巻大好評発売中!

コミックスの第1巻、第3巻、第4巻は重版しました!

皆様のおかげです。ありがとうございます。


またこちらの「Gファンタジー」様公式HP内にも特設サイトがあります。

コミカライズ版第1話の試し読みが出来ます。


WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版がご愛読可能です!

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、


新作を公開しました。!

⛤『異世界ゲームへモブ転生! 俺の中身が、育てあげた主人公の初期設定だった件!』


更に他作品のご紹介を。


⛤『外れスキルの屑と言われ追放された最底辺の俺が大逆襲のリスタート! 最強賢者への道を歩み出す!「頼む、戻ってくれ」と言われても、もう遅い!』


⛤『帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者』《連載再開!》


⛤『気が付いたら下僕!隙あらば支配!追放大歓迎!実は脱出!マウントポジション大好きな悪役令嬢よ、さようなら!の俺が幸せになるまでの大冒険物語!』《完結》


⛤『頑張ったら報われなきゃ!好条件提示!超ダークサイドな地獄パワハラ商会から、やりがいのある王国職員へスカウトされた、いずれ最強となる賢者のお話』《完結》


他の作品もありますので、何卒宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ