表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1388/1391

第1,388話「女傑3人⑳」

あっという間に渾身のパンチを顔面に入れ、

テオドラは、インキュバス3人組を撲殺していた。


と、ここでいきなり!

独特な形状かつ大きな魔力の渦が現れる。


何と何と!

マルコシアスとウッラがぱっと、何もない空間から現れた。


当然、マルコシアスの転移魔法で、テオドラとケルベロスの後を追って来たのある。


一見人間風のイケメン男子3人が、目の前に倒れているのを見て、

マルコシアスとウッラは眉をひそめた。


しかし、生命反応がない人間風のイケメン男子3人が、

すぐに人間ではない……忌まわしき夢魔である事を見抜き、ふたりは笑顔となる。


ふうと軽く息を吐き、ウッラが言う。


『おい、テオドラ、何だ? こいつらは? どこぞの夢魔だ?』 


『はい、ウッラ姉、愚かにも私達を魅惑の魔法で篭絡(ろうらく)しようとしたインキュバス3人組です』


『はあ? 魅惑の魔法で篭絡しようとしたあ? インキュバス3人組ぃ?』


『はい! 私達を誘惑し、始祖の餌にしようと考えていたようです』


テオドラの言葉を聞き、テオドラの眉間に寄ったしわがますます深くなる。


『馬鹿な! 私達には魅惑の魔法など効果がないという事を分かってもいなかったのか?』


『はい、こいつら、普段は始祖の命令で、人間女子を魅惑の魔法で虜にして、ここまでさらって来て、始祖へ捧げているとほざいていました』


『成る程! 最低最悪な憎むべき女子全体の敵……と言っても過言ではないな。だがルウ様に面影が似ているのは何故だ?』


『はい、始祖の命令で、攻撃をためらわせる為、私達3人が慕うルウ様に擬態して、待ち受けていたようです』


姑息な方法のいくつもの積み重ね。

呆れたウッラは、いまいましげに、吐き捨てるように言う。


『愚かな! 本当に愚かな!』


『はい、本当に愚かな奴らです。それゆえ、あほ面へ渾身のクリティカルヒット! グーパンを思い切りぶち込みました』


淡々と言うテオドラではあったが、最低なインキュバスに対しは絶対に容赦しないという趣きで、

目には絶対零度にも匹敵しそうな冷たさが宿っていた。


『うむ! 良くやった! 全く似ずとも! ルウ様に擬態するなど、絶対に許せない! 人間でも魔族でも、ここだけは触れていけないという心の琴線がある。竜でいえば、まさに逆鱗(げきりん)だな!』


『はい! その通りです!』


こういったシーンで締めるのは、ふたりの姉御役、マルコシアスである。


『ふむ、テオドラ、良くやった。だが、こんな屑どもは、私達の足止めにもならぬ。それより始祖は近い。そろそろ眷属でも上位の者が出張るはずだ。気を付けて行こう』


『『はい!』』


ウッラとテオドラは元気よく返事をし、魔獣ケルベロスを加えた女傑3人は、

再び進軍を開始したのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


インキュバスを一蹴した一行は更に進む。


塔の最上階まで登り切り、城の本館内へ侵入。

始祖が最下層へ移動したので、その後を追い、下へ下へと降りていた。


並び方は変わっていない。


ケルベロス、テオドラが先行し、ウッラとマルコシアスが背後を固める。


低い唸り声をあげ、弾むように走る冥界の魔獣、

小柄な身体をじぐざぐ、鋭角に切り込みながら不規則に走る、

人知を超えた戦闘用自動人形(オートマタ)


完全に人間離れした走りと動きで後を追う、美しき半魔。


そして、目を見張る速度で走り、底知れぬスタミナを誇るしなやかな天狼。


まさに最強の布陣と言って過言ではない。


3人と一体は、更に階下へ降り、また更に階下へ。


どんどん下り……遂に1階へ到着した。


と、ここでテオドラが念話……心で叫ぶ。


『大きな反応があります! 始祖は近いです! 全員注意してください!』


果たして!

またもおぞましい個体が一行を待ち受けていた。


その個体は……おぞましく、ひどく嫌らしい声で一行をあざ笑ったのだ。


「ひひひひひひ、現世にさまよい出た冥界の魔獣に、ガラクタの戦闘用自動人形、できそこないの半魔、そしてはぐれ悪魔か……まさに多士済済(たしせいせい)じゃ。我が配下を簡単に退けたのも納得じゃな」


骸骨のような顔と頭、やせこけ、ひからびた肢体に豪奢な法衣(ローブ)をまとっていた。

その手には、邪悪な魔力を発する節だらけの魔法杖が握られている。


しかし、テオドラは全く臆さない。

淡々と言い放つ。


「貴方は……ノーライフキングね」


「いかにも! ワシは名もなき不死王! ノーライフキングじゃ!」

補足しよう。


この世界におけるノーライフキングとは、

魔法使いや僧侶が不老不滅の為にアンデッドとなったものを指す。

自然に不死者となったのではなく、生前に持っていた魔術や呪術で不死者化したものだ。


生前同様、強大な魔力を誇り、高い魔法抵抗力、また再生能力を持つ。


「お前達のしつこい探索、追跡も……ここで終了じゃ! ひひひひひひひひ!」


ノーライフキングは、歯の全くない口で、再び嫌らしく笑ったのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎小説書籍版既刊第1巻~8巻大好評発売中!

《ご注意!第8巻のみ電子書籍専売です》

(ホビージャパン様HJノベルス刊

宜しければ、第1巻から8巻の一気読みはいかがでしょうか。

HJノベルス様公式サイトでは試し読みが可能です。

お気軽にどうぞ!


◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス刊)

既刊第1巻~5巻大好評発売中!

コミックスの第1巻、第3巻、第4巻は重版しました!

皆様のおかげです。ありがとうございます。


またこちらの「Gファンタジー」様公式HP内にも特設サイトがあります。

コミカライズ版第1話の試し読みが出来ます。


WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版がご愛読可能です!

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、


新作を公開しました。!

⛤『異世界ゲームへモブ転生! 俺の中身が、育てあげた主人公の初期設定だった件!』


更に他作品のご紹介を。


⛤『外れスキルの屑と言われ追放された最底辺の俺が大逆襲のリスタート! 最強賢者への道を歩み出す!「頼む、戻ってくれ」と言われても、もう遅い!』


⛤『帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者』《連載再開!》


⛤『気が付いたら下僕!隙あらば支配!追放大歓迎!実は脱出!マウントポジション大好きな悪役令嬢よ、さようなら!の俺が幸せになるまでの大冒険物語!』《完結》


⛤『頑張ったら報われなきゃ!好条件提示!超ダークサイドな地獄パワハラ商会から、やりがいのある王国職員へスカウトされた、いずれ最強となる賢者のお話』《完結》


他の作品もありますので、何卒宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ