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第1,383話「女傑3人⑮」

ぼしゅっ!ぼしゅっ!ぼしゅっ!ぼしゅっ!ぼしゅっ!ぼしゅっ!ぼしゅっ!


ぼしゅっ!ぼしゅっ!ぼしゅっ!ぼしゅっ!ぼしゅっ!ぼしゅっ!ぼしゅっ!


飛び交う魔導光球に照らされ、昼間のように明るい階段には、

眷属どもが消失する音が連続で鳴り響いていた。


魔力の消失イコール眷属どもの消失であり、既にその数は軽く100を超えていた。


想定以上の結果が出て、テオドラは微笑む。


『どうやら、魔導光球の追い出し勢子作戦が上手く行ったみたいね、お疲れ様、ケルベロス』


うおん!


テオドラの声に応え、忠実なる戦友、冥界の魔獣ケルベロスはひと吠え。


ここでテオドラはウッラの指示通り、念話連絡を行う。


『マルガ様、ウッラ姉。こちらテオドラ、現在塔の階段半ばまで進行。先ほど戦闘を行い、『気配消し』を行い、潜んでいた始祖の眷属とおぼしき不死者(アンデッド)を100体余り、討伐。一方、私とケルベロスは無事でダメージは皆無……オーヴァー』


『うむ! よくやったぞ、テオドラ! ……オーヴァー』

『了解! お疲れ様! 引き続き作戦を続行せよ……オーヴァー』


『はい! 引き続き作戦を続行、始祖の眷属どもを討伐します!』


念話連絡は終わった。

その間、ずっと周囲を警戒していたケルベロスへ、テオドラは言う。


『ありがとう! 念話連絡は終了した。マルガ様からお褒めの言葉を頂き、ウッラ姉からは労わりと、作戦の続行を命じられたわ』


うおん!


心得た!

とばかりに短く吠えるケルベロス。


『さあ! 再び、行きなさい! 光球達! 眷属どもを追い立てよ』


テオドラが命じると、11の光球はまたも「びゅん」と高速で飛んで行く。


『よし! ケルベロス! 再び私達も行くわよ! 掃討作戦続行!』


うおん!


テオドラとケルベロスも魔導光球の後を追い、走り出す。


魔導光球の進んだ先は、昼間のように明るくなり……

害虫を燻し出す薬剤の煙のように、破邪と葬送の波動が階段に満ち、

始祖の眷属どもは、苦痛のあまり、姿を現した。


ぐぎがごごごごごご!!!

がああああああああ!!!

ぎいえええええええ!!!

うがおおおおおおお!!!


やはり同じく、始祖の眷属どもは、

テオドラとケルベロスの行く手に、『気配消し』を行い、潜んでいたのである。


破邪と葬送の波動により、苦し気な声とともに、魔導光球が照らす白光を避けるように、いくつもの黒い影が動いた。


そこから先も全く同じである。


逃げ惑う黒い影へ向け、かっと真っ赤な口を大きく開いたケルベロス。


ごぐはああああああああああああああああああああ!!!!!


がん!と、頬を叩かれるような強烈な熱き炎が、凄まじい速度で吐き出され、

黒い影どもへ襲いかかった。


始祖の眷属どもは、燃やし尽くされ、何とか逃げた者も、

待ち伏せをするようなテオドラの魔力吸収で、次々と討ち果たされていたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


それからしばらく……

テオドラとケルベロスは始祖の眷属どもを討伐し続けた。


それも一方的な強さであった。

のべ、300体以上を倒したのである。


しかし、敵もテオドラとケルベロスの脅威を知ったのか、

途中から完全に姿を消してしまった。


いくら魔導光球で照らしても、破邪葬送の魔力を強くしても、

反応が一切なくなってしまったのだ。


『ふうん、さすがに、撤退したか……』


うおん!


そして、テオドラとケルベロスも塔を昇り切ろうとしていた。


塔と接続した出入口は、本館につながっているはずである。


奥からは……始祖を含め、まだ数多の眷属が潜んでいるのだろう。

ひときわ、濃い気配が伝わって来る。


ここで連戦連勝の勝利に酔いしれる者ならば、

勢いに乗じ、一気に本館へ乗り込むに違いない。


しかし、テオドラは良く言えば真面目。

悪く言えば、愚直である。


テオドラとウッラの間に、


「テオドラ! ケルベロスとともに、斥候、偵察を! もし敵と遭遇したら、無理のないレベルで、相手の実力、手の内を確かめて来い! 倒しても全然構わん!」


「はいっ!」


「但し! 安全が第一! 念話連絡は怠るな! けして最奥までは行かず、塔を上り切ったら一旦、戻る事!」


「心得ました!」


というやりとりがあった。


テオドラはふっと軽く息を吐き、

冷ややかな視線で、本館への出入り口を一瞥すると、

くるりと踵を返したのであった。

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