第1,380話「女傑3人⑫」
ぼっしゅううううううう!!!
とんでもない異音とともに、ドラゴンゾンビの身体はあっさりと、
消失していた。
マルコシアス、ケルベロスが炎系の強烈な先制攻撃、
更にテオドラが体内魔力99%吸収という致命的なダメージを与え、
最後にウッラが破邪の魔法剣で、とどめを刺す!
という、4人の見事なコンビネーションプレーで、
強敵たる不死者ドラゴンゾンビに一回の攻撃すらさせず、
軽く一蹴してしまったのだ。
ウッラの高笑いがベリー中に響き渡る。
「ははははは! どうだあ! 見たかあ、始祖めえ! ドラゴンゾンビなど、図体が大きいだけの、でくの坊! 我ら4人の足止めにもならんぞぉ!」
「…………………」
あれだけむきになり声を張り上げていた始祖は答えない。
代わりに、おぞましい瘴気が再びベリーに満ちた。
そして、ベリーの地面が異様に盛り上がる。
ぼこ!ぼこ!ぼこ!ぼこ!ぼこ!ぼこ!ぼこ!ぼこ!
ぼこ!ぼこ!ぼこ!ぼこ!ぼこ!ぼこ!ぼこ!ぼこ!
ぼこ!ぼこ!ぼこ!ぼこ!ぼこ!ぼこ!ぼこ!ぼこ!
ぼこ!ぼこ!ぼこ!ぼこ!ぼこ!ぼこ!ぼこ!ぼこ!
異音とともに現れたのは……剣と盾で武装した骸骨の戦士スケルトンの軍団である。
数は……数百体は居るだろう。
ポピュラーな存在ではあるが、補足しよう。
スケルトンとは、不死者に分類される。
屍たる骸骨が魔法や悪霊の憑依、またはおぞましい技法によって、
疑似生命を与えられた存在である。
不死者の範疇に属し、墓地、刑場、または戦場など、死者が眠る場所に数多現れる。
特別な個体以外、戦闘力は人間と同じくらいではあるが、集団戦を挑んで来た場合は侮れない。
また再生能力を有する者も居り、致命傷を与えるダメージでないと復活して襲って来る。
ちなみに、その特別な個体にスパルトイが居る。
スパルトイとは『撒かれた者』という意味を持つ。
地に撒かれたドラゴンの歯から生まれた骸骨剣士スパルトイは、
剣技や格闘に優れた強者である。
だが、『増援』はスケルトンだけに終わらない。
更におぞましい瘴気が地面から立ち上り、10体の幽鬼が現れたのだ。
首と体が分かれた、不気味な姿の悪しき妖精デュラハンである。
デュラハンはおどろおどろしい鎧に身を固め、
首なしの漆黒馬が牽く人骨の馬車に乗り、
片方で手綱を、もう片方で自分の首を持っていた。
馬車には頭蓋骨のランタンと棺が載せてあるのが、不気味さに拍車をかけている。
しかし、ドラゴンゾンビをあっさり退けたウッラ達4人が相手では、
敵とはならない。
「ふん! こんな雑魚どもを、ドラゴンゾンビの後に繰り出すとは……興覚めだな。ウッラ、命令を出せ!」
マルコシアスが鼻を鳴らし、ウッラへ指示。
「了解です! マルガさん! ……炎のつらら、連射! お願いします!」
「了解!」
「ケルベロス! 冥界の猛炎極大放射!」
「うおん!」
「炎のつらら! 冥界の猛炎極大放射!の後に、全員で突撃! 残存が居たら、殲滅! 一気に古城へ乗り込む!」
「「「了解!!!」」」
「炎のつらら、連射!! 冥界の猛炎極大放射!!」
どしゅう! どしゅう! どしゅう! どしゅう!
どしゅう! どしゅう! どしゅう! どしゅう!
ごっはああああああああああああああああ!!!!
ごっはああああああああああああああああ!!!!
マルコシアスとケルベロスは、魂をも破壊する魔力の炎を放った。
凄まじい炎の渦が、スケルトン軍団と、デュラハン10体を襲う。
ベリー全体が、業火に包まれて行く。
しばし経ち……スケルトン軍団と、デュラハン10体は跡形もなく消失していた。
「討伐完了! 敵は全滅した! さあ! 一気に古城へ! 突撃! 並びはケルベロス! マルガ様! 私、最後方にテオドラだ!」
「おう!」
「うおん!」
「了解です!」
まず、ケルベロスが駆けだし、マルコシアスが続く。
ケルベロスに先行させたのは、万が一罠があった場合、排除させる為である。
「よし! テオドラ、私達も行くぞ!」
「はい! ウッラお姉様!」
ウッラとテオドラは顔を見合わせ、頷き、大地を蹴った。
懸念していた罠、そして増援等の抵抗はない!
弾むように走った4人はあっという間に古城へ。
ここで、
「うおん!」
とケルベロスが吠えた。
斥候、偵察は自分に任せろ!
という意思表示である。
ルウの命令だという思念も伝わって来る。
いろいろと役割を考え、ルウはケルベロスを送ってくれたのである。
ルウ様! ありがとうございます!
ウッラは心の中で声を張り上げ、王都の方角へ一礼していたのである。
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