第1,374話「女傑3人⑥」
新作連載です!
⛤『異世界ゲームへモブ転生! 俺の中身が、育てあげた主人公の初期設定だった件!
本日『2月21日』現在で『第9話』まで公開されております。
一気に読めます。
何卒宜しくお願い致します。
マルコシアスとウッラは地上に降り立つと、
先ほどと同じように逃げる邪気を囲い込み、
テオドラが撃つ葬送魔法・昇天の『標的』とした。
放たれた、強力で巨大な魔力の網が怯える魂の残滓たる『邪気』を容赦なく捕らえ、
それをテオドラが、葬送魔法『昇天』で粛々と天へ送り、
もしくは地の底へ堕として行く。
おおおおおおおおおおおおおお!!!!!!
不気味な亡者の声は、常人には同じに聞こえるに違いない。
しかし魔法に通じた術者なら、亡者の放つ、
歓喜と慟哭をはっきりと聞き分ける事が出来る。
縛られた忌まわしき地から解放され、天へ召される歓び、
底知れぬ闇に身を潜め、何とか逃れようと「じたばた」したが、
遂に地の底へ堕ちてゆくあがきと悔恨……
しかし、ウッラ、テオドラ、マルコシアスの3人全員は、情を交えず……
淡々と、葬送を続けて行く。
やがて……廃墟の残骸に立ち込めていた邪気、魂の残滓……
おびただしい亡霊はあっという間に一掃された。
そしてウッラの言葉、
「……亡霊どもを片付けたら、次はゾンビどもをおびき出し、討伐しますよ」
に誘われたのか、それとも亡霊どもが浄化され、刺激を受けたのか、
わざわざ、「おびきだす」必要はなくなった。
ぼこぼこぼこぼこぼこぼこ、ぼこぼこぼこぼこぼこぼこ、
ぼこぼこぼこぼこぼこぼこ、ぼこぼこぼこぼこぼこぼこ、
あちこちで土が盛り上がり、腐りきった腕が「ぬぼっ!」と突き出された。
ゆらゆらと頼りなく動く腕が、がしっと大地を掴み、
ずるずるずるっと、人間の体を為さない姿が次々に現れる。
おおおおおおおおおおおおおお!!!!!!
おおおおおおおおおおおおおお!!!!!!
おぞましい姿を見た、マルコシアスがふっと笑う。
「ふっ、気が変わったぞ」
「気が変わった?」
「どういう事ですか?」
ウッラとテオドラが思わず尋ねた。
すると、マルコシアスは更に言う。
吐き捨てるように。
「放つ波動で分かる! こいつらはな、元々悪しき心を持つ者どもさ! 底知れぬ闇の力に、つけこまれ、思うがままに操られている、情けなど無用! 遠慮せず、我が炎のつららで焼き払えるぞ!」
「本来のゾンビとして存在し、活動している、という事ですね」
「成る程、本来のゾンビか」
補足しよう。
本来、ゾンビとは悪しき術者によって、使役される為に生み出される、
『動く死人』である。
術者は目をつけた人物に悪しき魔法をかけ、魂を衰弱させ、
死なせた上で、何でもいう事を聞くよう、服従させるのだ。
つまりゾンビとは本来……
生きた人間を『死んだ使い魔』にする秘術のひとつなのである。
だが、この秘術は死して不死者化する存在といっしょくたにされ、
今や、腐って動く死体はほぼゾンビだと、この世界では言われてしまっている。
「多分、こいつらの背後には、吸血鬼の始祖、眷属どもが居る」
「じゃあ、マルガさん! 瞬殺ではなく、少し、時間をかけて倒しましょう。始祖はともかく、眷属どもは、おびきだされて出てくるやもしれない」
「ですね! 時間は少しかけても、容赦なく行きましょう!」
3人の女傑は顔を見合わせ、大きく頷き、戦闘態勢へ入ったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
しかし、3人にとってゾンビは敵ではない。
魔法も特技もなく、ただ数を頼んで、獲物を喰い殺すだけの攻撃しかしかけない。
更に俊敏さにも著しくかけるからだ。
どしゅう! どしゅう! どしゅう! どしゅう!
「ふん! 吸血鬼の始祖と戦う前の、ウォーミングアップにもならん!」
吐き捨てるように言うマルコシアス。
炎のつららは、マルコシアスが吐く猛炎をまるで氷柱のように鋭く撃ち出す、
火属性魔法である。
ゾンビどもは呆気なく焼き払われ、魂ごと消失して行く……
「たあ! とあ! たっ!」
ウッラは、ルウから授かった、聖なるオリハルコン製、破邪の魔剣を振るっていた。
魔法が使えないウッラは、剣技と格闘のみで戦う事から脱却。
破邪魔法を付呪した魔剣と、
同じく攻撃魔法が撃ち出せる魔法杖を使い、
元々、大得意な格闘技ありきの魔法剣士へ戦闘スタイルを変えつつあった。
そしてテオドラは、何でもありの人間兵器的自動人形。
卓越した運動能力、飛翔能力、剣技、格闘技、魔力吸収能力に加え、
破邪魔法『昇天』も放てるよう、ルウとモーラルにより、ビルドアップして貰った。
そして数々の強敵との戦いの経験値が、テオドラの成長を著しく促していた。
そして、今回テオドラは奥の手も用意していた。
しかし、ゾンビごときには使わない。
始祖と眷属どもと戦う時までとっておく。
まずは葬送魔法『昇天』の熟練度をアップ!
テオドラは、ウッラとマルコシアスに誤爆しないよう、細心の注意を払い、
『昇天』を撃ち続けていたのである。
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最後に、
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