第1,373話「女傑3人⑤」
新作の連載を開始します!
⛤『異世界ゲームへモブ転生! 俺の中身が、育てあげた主人公の初期設定だった件!
本日『2月18日』は、『6時から20時まで』段階的に『第6話まで更新する』予定です。
何卒宜しくお願い致します。
魔物討伐の際、騎士隊と王国軍により、破壊され廃墟となった町の残骸近く……
その町を見下ろす小高い丘がある。
マルコシアス、ウッラ、テオドラ、3人の女傑は打合せ通り、その丘へ陣取った。
3人の、眼下に広がる廃墟を通り越し、残骸とがれきになり果てた町からは、
いいようのない、おぞましい邪気が流れ出ている。
町の残骸は、まだ完全には浄化されていないと、ウッラは言う。
凄まじい負の怨念が残っているらしい。
それ以上の底知れない巨大な邪気が、町の背後にある石造りの旧き城に満ちていた。
邪気に満ちた町の残骸と古城を、眺める女傑3人の様子は、三者三様。
マルコシアスは堂々として、泰然自若。
いつも強気なウッラは、さすがに少し緊張気味だが、けして弱音を吐かない。
そして、テオドラもマルコシアスに近く、冷静沈着で全く動じない。
というか、いつも彼女には達観した趣きがある。
リーダー役は、やはりふたりの師匠戦士マルガリータこと、
悪魔マルコシアスであった。
3人は戦闘へ入る前に、事前確認をする。
作戦自体は既に策定し、ウッラの情報を入れ、3人でじっくりと練ってあった。
マルコシアスが言う。
「ウッラ、まずあの廃墟跡で出現するのは、吸血鬼の眷属と化した、かつての町民達であり、ゾンビと亡霊が殆どだ。それゆえ、テオドラを中心に戦う事となる。今更だが、異存はないな?」
「はい! マルガさん。町の廃墟跡においては、我が妹に頑張って貰うべく、私は尽力致します」
「うむ、ウッラよ。私達は、魔族の出自ゆえ、破邪の葬送魔法を行使出来ない。私とお前は吸血鬼の本拠地たる旧き城で、華々しく戦果をあげるべく魔力を温存しておけ」
「はい!」
「うむ! ではテオドラ」
「はい!」
「廃墟跡に蠢くのは、今や、さまよえる魂の成れの果てにすぎん」
「はい、その通りです」
「うむ、数多ある魂のうち、罪なき者を天へ送れ。そして、けして情を交えず、罪ありき者は容赦なく冥界へ堕とせ。……それが今回の浄化における、ルウ様のご命令なのだ」
「はい! 了解しました! テオドラは粛々と浄化を行います」
「ふむ、魔力感知で識別し、お前がルウ様から授けられた葬送魔法を駆使するが良い」
「はい! 全力を尽くします」
「うむ、では参ろうか、ウッラは私が抱えてやろう」
「ありがとうございます!」
3人は丘から飛翔し、一気に町の廃墟跡へ降下するつもりだ。
ウッラのみ飛翔魔法を行使出来ないので、マルコシアスが抱え、飛翔するのである。
「よし、行くぞ!」
「はい!」
「はい!」
マルコシアスは言葉通り、さっとウッラを抱え、ぱっと飛びあがる。
続いて、テオドラもふわっと上昇。
瞬間!
3人の女傑は弾丸のように飛んで行った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
巨大な魔力となって、3人の女傑は、崩れ果てた町の廃墟跡へ降り立った。
その魔力に臆したかのように、立ち込めていた『邪気』が、一気に幕を引くように、
逃げ去って行く。
すかさず、マルコシアスとウッラがダッシュ!
円を描くように走りながら、やや強力な魔力の網を放った。
いわゆる勢子の役回りを務めたのだ。
逃げる魚を追い込むように回り込み、邪気の行く手をふさぐ。
そしてふたりが交差した瞬間!
再び、マルコシアスがウッラを抱えて飛んだ。
タイミングジャスト!
テオドラが強力な破邪の葬送魔法『昇天』撃ち放った。
ひゅお! ひゅお! ひゅお! ひゅお! ひゅお!
ひゅお! ひゅお! ひゅお! ひゅお! ひゅお!
ぎゃああああああああああ………
網にかかった魚群のように密集していた邪気……
亡者の魂の残滓は、次々と消え……浄化されて行く。
淡く光り歓ぶように天へ還る罪なきもの……
深き地へしずしずと、しみこむように消える罪に染まったもの……
まるで、『もののあわれ』を感じさせるような消滅である。
テオドラは、放つ昇天へ『正邪識別の波動』を込め、放っていたのだ。
一方、ウッラを抱え、宙に浮くマルコシアスはふっと笑う。
「ふむ、テオドラよ、中々の手並みだぞ」
対して、テオドラも微笑む。
「はい、ルウ様、モーラル奥様のおかげです。ガルドルド帝国の遺跡に赴かれ、姉と私の強化パーツを回収し、ビルドアップして頂いたので」
「ふむ、さすがだな、おふたりとも。独学でガルドルド帝国の工学博士と同じレベルに達しているとは」
「うぬぬぬ……私も頑張らなくてはあ!」
しかし、テオドラはけして誇らず、驕らずなのである。
「マルガ様、ウッラ姉、次に参りましょう。亡霊どもを片付けたら、次はゾンビどもをおびき出し、討伐しますよ」
「ははは、分かった」
「了解!」
マルコシアスとウッラは地上に降り立つと、
先ほどと同じように逃げる邪気を囲い込み、
テオドラの標的としたのであった。
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