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第1,370話「女傑3人②」

「テオドラ! なんやかんや、いろいろとあったが、やっと討伐へ赴けるな!」


「ええ、あの人が加わったら、ノープロブレム! 楽勝ですよ!」


笑顔のふたりは意気揚々と、冒険者ギルド王都支部、本館へと入った。


時間は朝8時過ぎ……


ギルドが開場して直後な事もあり、1階フロアは大混雑だ。

朝一番で、

条件の良いリスクの少ない案件の依頼を求める数多の冒険者達でごった返していた。


ウッラもテオドラも、ルウと出会い、ブランデル邸に住むようになってから、

冒険者ギルドへ正式に登録した。


冒険者ギルドの講習を受講し、ランク判定の実技試験も行い、登録した。

以来、数多の依頼をこなし、経験と実績を積み、現在のランクはB。


冒険者ギルドのランクは、頂点の『S』から、一番低いランクの『F』まで、

全部で7ランク。


ちなみに『S』の更に上には、』『Ω《オメガ》』ランクがあり、

冒険者の街バートランドを治める公爵、

エドモン・ドゥメールがその『Ω《オメガ》』ランクだが、いわゆる名誉職である。


話を戻せば、ランク『B』以上をランカーといい、一流の冒険者だと認められる。


そして今回の依頼、

『古城に潜むと噂される吸血鬼の始祖と約500体の配下たる吸血鬼軍団の討伐。完全討伐条件で金貨4,000枚』は、そのランクB以上のランカー10名以上という条件付きの高難度依頼であった。


しかし、『ダンピール』の宿敵の中の宿敵たる吸血鬼、それもトップレベルの始祖とあって、

ウッラが単独で、依頼受諾を熱望。


さすがに難色を示したギルドマスターのミンミに対し、徹底的に「ごねた」という次第なのである。


さてさて!

ウッラとテオドラは受付へ。


受付の職員達も、ウッラとテオドラは、気心が知れた顔なじみである。


「おはようございます! お疲れ様です! ウッラです!」

「おはようございます! お疲れ様です! テオドラです!」


元気良く、礼儀正しくあいさつするふたり。


対して、受付の職員達も、


「おはようございます! お疲れ様です! 朝早くからようこそ、冒険者ギルドへ!」

「おはようございます! お疲れ様です! 本日は、どのようなご用件でしょうか?」


同じく元気良く、礼儀正しくあいさつを戻す職員達。


すかさず、ウッラが声を張り上げる。


「ギルドマスター、ミンミ・ブランデル様とお会いしたいのです! アポイントは既に取ってあります!」


ひとりの職員が、打てば響け!とばかりに、


「はい! ウッラ様、承っております! すぐに取り次ぎますから、少々、お待ちください」


と、返してくれた。 


「ありがとうございます!」

「ありがとうございます!」


やはり元気に、はきはきとお礼を言う、ウッラとテオドラ。


……やがて、ふたりの下へ、サブマスターのピエレット・ラファランが現れ、

ミンミへの案内を告げたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


階上への魔導昇降機の中へ乗り込んだ3人。

ウッラとテオドラと、ピエレットも気安い仲だ。


同じ女子同士で、

更にピエレットが、エドモン・ドゥメールの3男で、

フランの親戚ケヴィン・ドゥメールと交際中という事実。


ルウの身内同士という事で、ウッラとピエレットは軽口を叩き合う。


「もう! たったひとりで、吸血鬼の始祖と約500体の配下たる吸血鬼軍団を討伐しようなんて! ウッラは、相変わらず無茶ばっかりするのね。マスターもしかめっ面よ。おかげで私にもとばっちり。参ったわ」


「それはごめんなさい。でも今、ピエレットさんは、ケヴィン様と超あつあつのラブラブ、幸せ真っただ中だから、許せるでしょ?」


「あはは、まあね♡」


そんなふたりを微笑みながら、無言で見守るテオドラ。


テオドラは、基本家族以外には寡黙である。


ピエレットとも、もう少しで親しくなるという予感がある。

だから、いずれ親しく言葉を交わすようになるだろう。


本館最上階の5階に、ギルドマスター室はある。


魔力で動く魔導昇降機はあっという間に、最上階に到着した。


「さあ、どうぞ」


一旦、ウッラとテオドラを下ろしてから、

ピエレットは先頭に立って歩いて行く。


少し歩いて、ピエレットはマスター専用応接室と表示された扉の前に立つ。


とんとんとんとんとんとん!


リズミカルにノックをし、ピエレットが、


「マスター、ウッラさんとテオドラさんをお連れしました」


と告げると、


「ああ、全員、入ってくれ。カギはかかっていない」


と、ミンミの声が返って来た。


「失礼致します!」


とピエレットが言い、


「おはようございます! 失礼致します!」

「おはようございます! 失礼致します!」


とウッラとテオドラが追っかけ言い、3人は中へ入った。


すると、室内に置かれた、

シックなデザインの大型応接セットの長椅子(ソファ)に座っていたのは、

ふたりの美しい女子。


ひとりは、菫色(すみれ)の瞳、輝き揺れる長い金髪、独特の整った顔立ちに、

やや尖った耳……冒険者ギルド王都支部マスターであるミンミである。


もうひとりは……たくましい体格の女子の戦士。


切れ長の眼を持ち、極端に短く刈った髪はまるで少年。

(きらめ)く瞳の色が鮮やかな金色(アンバー)なのが、

彼女を余計に獰猛な狼のように見せていた。


そう、今回ウッラとテオドラに加勢するのは、戦士マルガリータこと、

天狼と呼ばれる悪魔マルコシアスだったのである。

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