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第1,368話「夢見るマノン⑦」

ルウによる、魔道具研究の宝石――パワーストーンの授業が続いている。


「では、皆、パワーストーンの話を続けよう。次に俺が話をするのは、エメラルドだ」


エメラルド!!

宝石の女王!!


講義を聞く、生徒達の表情がぱああっ! と、明るくなった。


ここで「はいっ!」と、再びマノンが手を挙げる。


「ルウ先生」


「おう!」


「エメラルド……緑玉(りょくぎょく)は、宝石の女王とも謳われる美しい宝石です。ダイヤモンドと双璧を為すと言われますわ」


「ああ、マノンの言う通りだな。俺はエメラルドが好きだが、マノンもかい?」


「はい! 本当にパワーストーンは全て大好きですわ。……特にエメラルドは魔性の宝石、私たち魔法使いの女子にはぴったりの宝石。ですから、当然、大好きですわ」


マノンはにっこり笑い、ゆっくりと座った。

先ほどと同じく、大好きですわ……の後に、こっそりルウの名を呼んでいた。


「では、エメラルド……緑玉(りょくぎょく)の話をしよう」


「……………」


「エメラルドは、緑柱石(ベリル)に属するパワーストーンだ。緑柱石は、ベリリウムとアルミニウムを主成分とする六角柱状の鉱物だな」


「……………」


「ちなみにベリルの名は、海水の高貴な青緑色を意味する『ベリロス』に由来するんだ」


「……………」


「緑柱石は無色や緑色・青色などでガラス光沢をもつ。緑色で透明のものはエメラルド、青色で透明のものはアクアマリンと呼ばれるぞ」


「……………」


「エメラルドに話を戻すと、マノンが言った通り、エメラルドは女王とも謳われる美しい宝石であり、ダイヤモンドと双璧を為すとも言われる。世界に数多ある宝石をいくつか選んで称える場合、ダイヤモンドと同様、ほぼ選択されるんだ」


「……………」


「そして、エメラルドの宝石言葉は、不滅、清廉潔白、幸福な妻、純潔……などだな」


「……………」


「エメラルドの美しい緑色は生い茂る緑を示し、自然の豊穣、再生力に通じるぞ」


「……………」


「しかし以前、一部の創世神教会の指導者は、この豊穣を異教と通じるものと言い、嫌った。現在はそういう考えは少なくなっているのは喜ばしい」


「……………」


「エメラルドの美しい緑色は目に優しいと言われ、眺める事が目の保養につながるとして尊ばれた」


「……………」


「またエメラルドは美しい供物として、南の神々に在って、庭園と耕作地を司る美の女神へささげられていた」


「……………」


「エメラルドが秘める力は後世、更に評価された。機智をとても鋭くし、多くの富を与えてくれるとも言われているんだ」


「……………」


「そして、エメラルドを所持する者は、素直に、または正直になると言われた。更に未来を予知し、流れ出る血を止め、ある国では、あらゆる毒を鎮め、心にも良い影響を与えるとも言われたんだ」


「……………」


「有名な伝説のひとつ、『聖杯』はエメラルドで造られたという説もある」


「……………」


「何故なら、聖杯は純潔の象徴であり、エメラルドは純潔を示すパワーストーンだからだ」


「……………」


「エメラルドのスペック説明は以上だ。次にエメラルドの伝承を話そう」


マノン達は、大好きなエメラルドの話をうっとりとして聞いていたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


スペックの説明は終わり……


生徒たちのお待ちかね、エメラルドの伝承が、ルウから語られる。


「では、エメラルドの伝承を述べようか」


「……………」


「先程、マノンが魔性の宝石といったが、それには、こういう説もある」


「……………」


「かつての堕ちた天使長、大魔王はかつて天界に在りし日、数多の宝石で自身を飾っていた」


「……………」


「輝く宝石の中で、ひときわ目立っていたのが、被っていた宝冠であった」


「……………」


「その宝冠こそが、エメラルドで造られていたという」


「……………」


「堕ちた天使長は金星の象徴とも言われていた。エメラルドは金曜日の宝石なのは皆も知っているだろう」


「……………」


「また堕ちた天使長の額には第三の目があり、それがエメラルドであったと言う者も居る」


「……………」


「ここで念の為、伝えておこう」


「……………」


「創世神教会によれば、堕ちた天使長の話は禁忌とされている」


「……………」


「それゆえ、今、ここで俺がした話もお前たちの胸に秘めておいて欲しい」


「……………」


「だが俺は、個人的に美しく神秘的なエメラルドが大好きだ。何故だ? と聞かれても好きな物は好きだ……答えは極めてシンプルだ」


ルウがそう言うと、講義を受講する生徒たちはこれまた、

「激しく同意!」とばかりに、大きく頷いたのである。

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