表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1362/1391

第1,362話「夢見るマノン①」

「ようし! ついに私が待ち望んだ、授業の到来ですわっ!」


と、ある日の魔法女子学園。

2年A組マノン・カルリエは、気合が入りまくっている。

彼女が張り切っているのは、特別な理由(わけ)があった。


本日午後に担当のルウが行う専門科目『魔道具研究』B組の授業内容が、

マノンの欲していたジャストな内容だからだ。


今日の日の為に、ばっちりと勉強、数日前から予習も行っていた。


そう、マノンは将来に向け、いろいろ人生計画を立てている。


いまのところ選択肢はふたつ。


ひとつが特に宝石鑑定に秀でた魔法鑑定士。

もうひとつは級友達から勧められた教師である。


実際、マノンは迷った。

どちらの職業も自分に向いていると思うのだ。


こういう場合、マノンは比較して、分析を行う。


まず宝石に特化した魔法鑑定士になった場合のメリット。


ひとつ、好きな宝石と存分にかかわって、思い切り仕事が出来る。


ひとつ、魔法鑑定士に定年はない。

年齢に関係なく、一生の間、仕事が出来る。


ひとつ、勤める努める職場にもよるが、宝石のような高額商品だと、比例して魔法鑑定士の収入も高い。

収入が高いと、実家に頼らず、自分の力で生活出来る。

またそこそこ贅沢も出来る。


次にマノンは、教師について分析する。

ちなみに、教師になる場合の就職先、マノンが選択する職場は、

魔法女子学園の一択である事はいうまでもない。


では、魔法女子学園の教師になった場合のメリットといえば。


ひとつ、心の底から大好きなルウと同じ職場で働ける。

教室は違えど、学園という狭い空間で、ともに存在出来る。


ひとつ、魔道具研究授業の一環として、2番目に大好きな宝石にかかわれる。


ひとつ、3番目に大好きな魔法の勉強を生徒に教えながら、継続出来る。


デメリットもある。

収入が魔法鑑定士よりも高くはない、多分。


魔法鑑定士と教師をつけあわせして、比較して、マノンはしばらく考えた。

結論を出すのは、そう時間がかからなかった。


だかだかだかだかだかだかだかだか……ど~ん!!


結論!


両方の良いとこ取り!

私は要領よく生きるの!


魔法女子学園の教師へ赴任。

教師をやりつつ、魔法鑑定士の腕を磨く。

もしも教師を途中で退職した場合、フリーになるか、好条件の職場へ転職する。

以上!


これがベストの選択だと、マノンはにんまりした。


やはり愛は、何よりも優先する。

愛するルウと過ごせない人生など全く考えられない。


現在は先にルウの妻となったライバルのオレリーに対し、

だいぶ後れを取っているが、魔法大学で巻き返す!


そして、一気に抜き去る。

自分と同じ教師志望のオレリーより遥かに上位、学年首席の素晴らしい成績で、

魔法女子学園に就職。


社会人になってもライバルの同僚教師オレリーに打ち勝ちながら……出世!


目指せ、校長!

否! 理事長を!

素敵な職場内恋愛で、ルウと結ばれ、晴れて結婚!!


堂々と、ブランデル家へ入るのだ。


家庭ではルウに愛されながら、先輩、同輩達と切磋琢磨し、自分を高めて行く。

いずれ、ルウの子を産む!

更に幸せとなる!


決定!


これが、私の人生設計!


明るい未来しか想像しないマノンは、意気揚々と、教室へ入って行った。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


マノンが教室へ入り、しばらく経つと、授業が始まった。


冒頭のセリフ通り、今日の授業はマノンが心から楽しみにしていた、

魔道具研究の宝石――パワーストーンの授業である。


笑顔のルウが話し、始める。


「今日は、宝石を中心にしたパワーストーンの話をしようと思う」


「………………」


「まず、パワーストーンの概念だが、魔法に近い特殊な力が宿っていると考えられている石を、パワーストーンと呼ぶんだ。 真珠や珊瑚(さんご)琥珀(こはく)等のように、厳密には石ではないものも含まれるぞ」


「………………」


(いにしえ)の時代から、様々な願い事を叶えたり、怖ろしい災厄から身を護る、『お守り』として大切にされた鉱物のことを、総じて「パワーストーン」と呼んでいる」


「………………」


「パワーストーンを身に着けると、良き効果がもたらされるという」


「………………」


「現在、自分達が置かれている状況を考え、どのようなパワーストーンを身につけるのがベストなのか、じっくりと考えるのが望しい」


「………………」


「良し! ここまでは概論だ。次に主なパワーストーンの説明を行う」


「………………」


「主な、と言っても、パワーストーンは星の数ほど存在している。じっくり話したら夜が明けてしまう」


ルウの言葉を聞くマノンの瞳は燃えている。


夜が明ける?

ルウ先生と夜を明かす。

しっとりと愛されながら……それが、私の幸せ。


妄想と願望がカオス的に混在するマノンの思いをよそに、

ルウの授業は進んで行く……


「だから、いくつかのパワーストーンを、俺の独断と偏見でピックアップした」


いくつかのパワーストーンをルウの独断と偏見!?


「………………」


無言で授業を聞く他の生徒達とともに、マノンは授業に引き込まれ、身を乗り出したのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎小説書籍版既刊第1巻~8巻大好評発売中!

《ご注意!第8巻のみ電子書籍専売です》

(ホビージャパン様HJノベルス刊

宜しければ、第1巻から8巻の一気読みはいかがでしょうか。

HJノベルス様公式サイトでは試し読みが可能です。

お気軽にどうぞ!


◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス刊)

既刊第1巻~5巻大好評発売中!

コミックスの第1巻、第3巻、第4巻は重版しました!

皆様のおかげです。ありがとうございます。


またこちらの「Gファンタジー」様公式HP内にも特設サイトがあります。

コミカライズ版第1話の試し読みが出来ます。


WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版がご愛読可能です!

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、


新作を公開しました。!

⛤『騎士をやめて花嫁修業しろと言われた私は、公爵家お嬢さま御付きの騎士メイドとなりました!』


更に他作品のご紹介を。


⛤『外れスキルの屑と言われ追放された最底辺の俺が大逆襲のリスタート! 最強賢者への道を歩み出す!「頼む、戻ってくれ」と言われても、もう遅い!』


⛤『帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者』《連載再開!》


⛤『気が付いたら下僕!隙あらば支配!追放大歓迎!実は脱出!マウントポジション大好きな悪役令嬢よ、さようなら!の俺が幸せになるまでの大冒険物語!


⛤『頑張ったら報われなきゃ!好条件提示!超ダークサイドな地獄パワハラ商会から、やりがいのある王国職員へスカウトされた、いずれ最強となる賢者のお話』《完結》


他の作品もありますので、何卒宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ