表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1293/1391

第1,293話 「リーリャの里帰り&ロドニア小旅行①」

 とある週末、金曜日の18時。

 王都貴族街区にあるブランデル邸の大広間は、ルウと妻達の全員が集合していた。


 妻は第一夫人のフランを筆頭に、ジゼル、ナディア、オレリー、ジョゼフィーヌ、モーラル、リーリャ、アリス、ラウラ、アドリーヌ。

 そしていつもは、冒険者ギルドマスター業務の為、多忙で不在のアールヴ妻ミンミまでが居る。


 実は……

 今日から1泊2日の予定で、リーリャの里帰りを兼ねたロドニアへの小旅行が実施されるのだ。

 男子1名、女子11名という大人数で目立つのと、諸事情の為、今回は王都ロフスキの市内観光はなし。

 ロドニア王宮内において、クローズドなリーリャの家族と懇親のみとなる。


 ロドニアの王都ロフスキまでは、普通に行けば、馬車で片道約2週間の旅程である。

 だが、当然そんなに時間はかけられない。

 ルウが行使する『転移魔法』で瞬時に王宮へ移動するのだ。


 見送る使用人達は上機嫌である。

 先週末にルウの全額負担で、王都ナンバーワンホテルセントヘレナの豪華スイートルームにおいて1泊の慰安旅行を実施しているからだ。


 アルフレッドこと赤帽子だけは、ただひとり、ルウと飲み明かすというスペシャルサービスを選んだが……

 元使用人の妖精妻アリスを筆頭に、ソフィア、テオドラの自動人形(オートマタ)姉妹、ウッラ、パウラのダンピール姉妹、そして南の国の妖精(ニンフ)コンビ、エーコーのエレナとナーイアスのリゼッタは……

 たっぷりと羽根を伸ばして来たと、満面の笑みで語っていた。


 まもなく……

 出発の時間となる。


 ルウが全員へ告げる。


「さあ、そろそろ出発するぞ。全員準備は良いか?」


「「「「「OKですっ!!!」」」」」


 打てば響けとばかりに戻って来た、妻達の返事に頷いたルウ。

 アルフレッドこと赤帽子へ向き直る。


「レッド、留守を頼む。留守の間の警護役はウッラとテオドラだな?」


「はい! ルウ様のおっしゃる通りです」


「うむ、庭には、ケルベロスとオルトロスを『番犬』として置いて行く」


「了解です!」


 ついで、ルウは傍らのリーリャへ告げる。


「転移先はこの前の部屋でOKだな?」


 この前の部屋とは、ルウとリーリャが結婚の許可を貰いに赴いた際、

 リーリャの父ボリスが用意してくれた部屋の事だ。

 食事用の大広間に居間、それ以外に寝室が5間ある7間続きの部屋だ。

 当然、厨房、風呂とトイレ付きである。


「はい、旦那様。私の使い魔クッカが持ち帰った手紙によりますと、お父様とお母様が、居間も寝室仕様にしてくれています。寝室が都合6間ありますから、全員が一緒に食事と宿泊が可能ですわ」


「よっし。ありがたいな」


「はい!」


「じゃあ、転移魔法を発動する。全員、呼吸法でリラックスしてくれ」


「「「「「す~は~す~は~す~は~す~は~す~は~す~は~す~は~」」」」」


「5,4,3,2,転移!」


 妻達の呼吸音の中で、カウントダウンから、ルウの短い言霊が発せられ、瞬間。

 全員の姿はあっという間に掻き消えていたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 ヴァレンタイン王国王都セントヘレナのブランデル邸から、遥か離れたロドニア王国王都ロフスキの王宮までは一瞬だった。


「うふふ、さすが旦那様。ぴったり転移出来たようです。部屋がお父様の指示通り、寝室仕様になっていますから」


 リーリャの言った通りである。

 ルウ達は、全く趣きが異なるロドニア王国建築の一室に居た。

 普段は、居間として使っている部屋だが、ベッドが4つ置かれていた。


 そして隣室は大広間。

 人間の気配は5つ。

 リーリャの両親、国王ボリス・アレフィエフ、妻レダ。

 リーリャの兄、皇太子ロディオン。

 同じく姉のアンジェラとイザベラ……に違いない。


 事前に連絡していたから……

 愛するリーリャが、里帰りするのを今か今かと待っていたのだろう。

 そして、歓迎の食事会の準備も万全にしているに違いない。


「リーリャの家族に対面するぞ。全員準備は良いな?」


「「「「「はいっ!」」」」」


 ここで、またもリーリャの出番だ。

 ルウがにっこり笑い、告げる。


「よし、リーリャ、ノックをして、皆さんへ声をかけてくれるかな」


「はいっ!」


 とんとんとんとんとん!


「「「「「!!!!!」」」」」


 リーリャのノックは癖があるようだ。

 隣室の家族達はすぐに気付いたようである。

 驚き、息を呑む気配が感じられた。


 リーリャは軽く息を吐き、


「お父様! お母様! お兄様! お姉様がた! リーリャです! ただいま帰って参りましたっ!」


 元気に、はっきりと言い放っていたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎小説書籍版第8巻が2/19に発売されました!《ご注意!第8巻のみ電子書籍専売です》

(ホビージャパン様HJノベルス)

既刊第1巻~7巻大好評発売中!

第1巻から8巻の一気読みはいかがでしょうか。


◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

☆最新刊第5巻が4/27に発売されました! 

コミカライズ版の一応の完結巻となります。

何卒宜しくお願い致します。


既刊第1巻~4巻大好評発売中!

コミックスの第1巻、第3巻は重版しました!

皆様のおかげです。ありがとうございます。

今後とも宜しくお願い致します。


また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。

コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。


WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が好評連載中です。

毎週月曜日更新予定です。

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、連載中である

⛤『帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者』《連載再開!》

⛤『絶縁した幼馴染! 追放された導き継ぐ者ディーノの不思議な冒険譚』

⛤『頑張ったら報われなきゃ!好条件提示!超ダークサイドな地獄パワハラ商会から、やりがいのある王国職員へスカウトされた、いずれ最強となる賢者のお話』


も何卒宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ