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第1,291話 「占術の復権③」

 フランソワーズは、フランとアドリーヌに対し、占術予知魔法ミラーウオッチについて説明を始める。


「占術のプロフェッショナル、マスタークラスたるおふたりには常識でしょうが……改めてご説明させていただきます」


 そもそも鏡は……

 光の反射を利用し、対象物の姿や形を映す神器として使われて来ました。ちなみに現在の鏡が作られる古代には、水面に映るものを神聖化していたのです。


 ここから本題です。ミラーウオッチとは、占術予知魔法の一種であり、未来に巡り会う恋人を鏡の中に見る魔法です。

 発動の為に準備するのは、大きな鏡を2枚に、ピンク色の灯り。


 ミラーウオッチを発動するのは、光の入らない締め切った場所がベストです。

 この場所で、2枚の鏡を向かい合わせ、平行に立てるのですわ……ここまでは宜しいですね?」


 フランソワーズが確認を取る。

 フランとアドリーヌは小さく頷いた。


 軽く息を吐き、フランソワーズは説明を続ける。


「術者は……向かい合わせとなった鏡の中央に座り、照明魔法でピンク色の灯りを呼び出します。


 鏡は向かい合っておりますから、ともった灯りはいくつも見える事でしょう。

 術者はその灯りを全てカウントし、ひとつひとつ消えるよう念じながら、言霊を詠唱致します。


 レコゥ、レコゥ。ルーヴォ、ルーヴォ。

 レコゥ、レコゥ。ルーヴォ、ルーヴォ。

 嘘偽りなき真実の愛を与えし者よ、汝の姿を我へ示せ。

 未来永劫、永遠の愛をもたらす者よ、汝の姿を我へ示せ。


 ……この言霊を10回詠唱すれば、魔導灯の中へ、将来の伴侶となるべき想い人が現れるのです」


 再び頷いたフランとアドリーヌ。

 補足の説明を行う。


「そして、発動に最適の時期が、クリスマスイブの前夜よね?」

「ええ、翌日……意中の相手へ愛を告白出来るように」


「うふふ、その通りですわ。恋人を獲得する絹ひものラヴマジックも、女子に人気の高い占術魔法ですわね」


「ええ、確かに……こちらの発動時期は新月の夜がベストね!」

「想い人へ、魔力をこめ、念じるのよね? 綺麗に空が晴れ、輝く月の夜に」


フランとアドリーヌの補足に同意。

フランソワーズは嬉しそうに笑う。


「はぁい! その通りですわ。術者は新月の夜に屋外において、魔法陣を書き、円の中心に座ります。そして想い人の名を書いた紙を絹ひもに通し、胸の位置へ来るようぶらさげます。

そして、言霊を詠唱するのですわ。


 レコゥ、レコゥ。ルーヴォ、ルーヴォ。

 レコゥ、レコゥ。ルーヴォ、ルーヴォ。

 我が想い、心へ届け。

 我が想い、心へ届け」


 ミラーウオッチも、絹ひものラヴマジックも……

 フランソワーズとともに、ついついフランもアドリーヌも熱く言霊を詠唱していたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「他にもスクライング……水晶玉の透視とか、まずは難度が低く、そのわりに見栄えのする占術魔法を生徒達へ教授。まずは興味を持たせ、間を置かず実際に発動にチャレンジして貰う事。当然ですが、先に申し上げた通り、やわらか~く恋、結婚、運命のテーマに絞る事が重要ですわっ!」

 

「成る程」

「私達ついお堅いロジックから入るものねぇ……」


「それと! 私が教育実習を行った際、痛感しましたが……」


「な、何?」

「痛感?」


「はぁい! おふたりも身に覚えがあると思いますが……思春期の生徒は、恋に結婚に、将来にいろいろ悩める乙女達ですわ。カウンセリングも重要ですから、魔法の教授だけでなく、彼女達の心のケアも行わなくてはなりません」


 フランソワーズが行った生徒へのカウンセリングは大好評であった。

 

 フランもアドリーヌも自分が青春時代を送った頃を思い出す。

 悩み多き日々。

 不安で先が見えない。

 自分ではどうする事も出来ない。

 そんな時は、良く占いにすがったものだ。


「そうよねぇ」

「私たちもメンタルケアの勉強をしないといけませんね」


「はあい! 私だってまだまだ未熟です。今後は私たち3人で日々精進し、切磋琢磨あるのみ! 

 ……という事で、結論ですわっ! 魔法女子学園で教授する占術は、理論的且つ高難度なものは思い切ってバッサリ、カット。恋、結婚、運命にテーマを絞る。魔法はシンプルでイージー。更にビジュアルに映えるもの。カウンセリングは必須! 

上級魔法は、希望者のみという事で別途教授して宜しいと思いま~す」


 フランソワーズのナイスアドバイス!

 フランもアドリーヌも大いに喜ぶ。


「ありがとう!」

「当然フランソワーズも占術……受け持ってくれるわよね?」


「もっちのろん! おふたりがその路線で教授されると、絶対に人気のクラスになりますわっ!

 何故ならば! 論より証拠! おふたりとも……理想の男子ルウ先生と結ばれて、300%幸せになっているからですわっ!」


 フランソワーズは、にっこり笑うと……

 悪戯っぽくウインクしたのである。

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