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第1,280話 「夢の発覚㉘」

東導号の新連載です。

⛤『頑張ったら報われなきゃ!好条件提示!超ダークサイドな地獄パワハラ商会から、やりがいのある王国職員へスカウトされた、いずれ最強となる賢者のお話』


平凡な苦学生男子が就職活動に失敗。

騙され、弱みにつけこまれた上、パワハラ商会へ就職。

だが強くなった彼は「ざまあ」して、素敵な職場へ転職。素敵な出会いもあり、幸せになる話です。

一気に40話以上読めます。


https://ncode.syosetu.com/n1277gv/


ブックマークと応援を何卒宜しくお願い致します。

「ランチタイム入ったばっかで、バタバタしてるけど、厨房行ってダレン爺呼んで来る! 座って待っててね」


 一行を控室に案内すると、ニーナはそう言い残し、急いで出て行った。


 ニーナに案内された控え室は、従業員の休憩室らしかった。

 そこそこ広い部屋に大きなテーブルがひとつ。

 木製の丸椅子が5つほど置いてある殺風景な部屋である。


 全員が椅子に座り、待っていると、バンダナを被り、厚い布地のエプロン姿。

 「むきむき」のたくましい身体つきをした、ひとりの巨漢男がやって来た。

 老齢らしいが、そんな事はみじんも感じさせない。


 男はいかつい顔付きをほころばせながら言う。


「おう、お疲れさん。俺が英雄亭の(あるじ)ダレン・バッカスだ。今日は宜しく頼まぁ!」


「ダレンさん、本日は宜しくお願いします」


 ルウが元気にあいさつし、アンドレ、レオナール、エレナ、リゼッタの4名も続く。


「宜しく!」

「宜しく!」

「宜しくお願い致します!」

「宜しくお願い致します!」


「何か文句やら野次が飛んで来るやもしれんが、気にせんでやってくれ。ま、ルウが上手くやってくれるだろ」


「はい、任せてください」


「じゃあ、忙しいから俺は戻る。あまり構えんが頑張れよ。何かあったら、スタッフに言ってくれや」


「了解です」


 ダレンは手を振りながら去って行った。


 アンドレが問う。


「ルウ、我々の名を確認しなかったが、ダレン……殿は、我々の正体を知っているのだな」


「はい、伝えてありますよ。その方がスムーズですから」


「ふうむ、それにしては……まったく遠慮のない物言いだった」


 アンドレは苦笑した。

 ダレンの気安い『態度』が気になったようだ。

 但し、怒ってはいない。


「ええ、ダレンさんはエドモン様の冒険者仲間でしたから」


 ルウが答えれば、アンドレ、レオナールともびっくりする。


「何! エドモン大公閣下の!?」

「そ、それは本当か?」


「はい、本当です。俺も話を聞いただけですが、ダレンさんは、エドモン様率いるクランの一員として、ともに世界各地を冒険したそうです」


「成る程」


 納得したように頷いたアンドレ。

 しかし、レオナールには別の心配が湧き出て来たらしい。


「ルウ」


「はい」


「あの……彼と、我々の守秘義務の順守は徹底されるのか?」


「大丈夫です。ダレンさんには、主筋のエドモン様を含め、誰にも言わないと約束して貰いました。俺を信じてください」


「分かった」


 ルウがそこまで言うのなら、これ以上疑ったり追及するのは宜しくない。

 レオナールは引き下がった。


 改めてルウは全員へ声をかける。

 本番前の最後の打合せである。


「さあ、事前の打合せをしますよ。打合せが終わったら、通路からお店を見ておいてください。店内を見るだけでも雰囲気が分かって、だいぶ落ち着きますから」


 ルウの言う通りであった。

 確認を主体にした簡単な打合せの後、店内を見たメンバーは入れ込み気味の心が鎮まり、穏やかになる事が出来たのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 なんやかんやで、あっという間に午後2時10分前となった。


 英雄亭の片隅には、小さな梯子付きの簡単なステージが設けられている。

 そしてステージ背後の壁には、デデ&レニーの大きな文字が躍ったポスターが貼られていた。

 デュオ名の下には日付と3回の演奏時間も記載されている。


 このポスターはルウが魔法を使い、作成したものである。

 店内にも何枚か同じポスターが掲出されていた。

 そのせいか、ランチのピークはとっくに過ぎていたが、店内はほぼ満席である。


「さあ、出撃です」


 ルウに先導され、アンドレ、レオナール、エレナ、そしてリゼッタがステージに上がった。


 メンバーへ目くばせしたルウは声を張り上げる。


「英雄亭でお食事をお愉しみ中の皆様! たいへんお待たせ致しましたっ! スーパーデュオ、デデ&レニー本日デビューです。ゲストにエレナ、リゼッタという美女も加わり、4名で楽しいひと時をご提供致します」


 対して、昼間なのに酒が入っている者も多く、メンバーには痛烈な野次が飛ぶ。


「上手く歌えよぉ!」

「歌詞、間違えるなよぉ!」

「姉ちゃん達だけでいい、おっさん要らん!」

「姉ちゃんたち、こっち来て、しゃくしろぉ!」


 エレナとリゼッタは慣れたものなのか、全く動じていなかったが、

 アンドレとレオナールは少しこたえたようである。


「ううう」

「結構、来るな」


「全員、ダレンさんが言ったように野次はすべて雑音。一切、スルーです。じゃあ行きます、伴奏スタート」


 ステージから降りたルウが、ピンと指を鳴らせば、どこからともなく……

 楽団らしき複数の楽器が奏でる美しいメロディーが聞こえて来た。


 これは異界エデンで聴いているいつもの伴奏であり、先ほどもアジトで流れたものである。

 曲目は、間違いなく本日最初に歌う『ヴァレンタインの大地に生まれて』のイントロだ。


 アジトのリハーサルで行ったから、全くノープロブレム。

 ルウがイントロのタイミングをはかり、手を挙げると……

 まずエレナとリゼッタが歌い出し……引っ張られるように、アンドレとレオナールも歌い出したのであった。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

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東導号の各作品を宜しくお願い致します。


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