第1,279話 「夢の発覚㉗」
東導号の新連載です。
⛤『頑張ったら報われなきゃ!好条件提示!超ダークサイドな地獄パワハラ商会から、やりがいのある王国職員へスカウトされた、いずれ最強となる賢者のお話』
平凡な苦学生男子が就職活動に失敗。
騙され、弱みにつけこまれた上、パワハラ商会へ就職。
だが強くなった彼は「ざまあ」して、素敵な職場へ転職。素敵な出会いもあり、幸せになる話です。
一気に40話以上読めます。
https://ncode.syosetu.com/n1277gv/
ブックマークと応援を何卒宜しくお願い致します。
枢機卿アンドレ・ブレヴァルが借り上げた屋敷――『アジト』において、たっぷり1時間リハーサルを行い、休憩。
お互いがルウの魔法による変身後の風貌を「いじり合い」ながら……レオナール達4名は、リラックスした時間を過ごした。
ジゼルの父、王軍統括レオナール・カルパンティエが見やれば、アンドレとルウが何やら話していた。
今回の演奏に関してセッティングしたのはルウだと、アンドレが言っていた。
居酒屋英雄亭における演奏といい、どうやらデデ&レニーのマネジメントに関してはルウが取り仕切るらしい。
例のジェローム事件での懸念はあるが……
それはそれ、これはこれだ。
ルウの性格、これまでの行動からけして公私混同はしないであろう。
レオナールは安堵し、気持ちが楽になる。
さてさて!
やがて、午後1時となった。
開園までは1時間と迫った。
「さあ、そろそろ出発しますよ。用意をしてください」
ルウが促し、4名は改めて身支度を整えた。
一番最初に身支度を終えた、アンドレが言う。
「念の為、今日はこの屋敷へは戻らんぞ。忘れ物はないな。よし、デデ&レニー、初陣だ」
「「「はい!」」
レオナール、エレナ、リゼッタが返事をすれば、
再びルウが、全員へ出発を促す。
「じゃあ、皆さん行きましょう。枢機卿、最後に戸締りをお願い致します。一応魔法でも施錠しますけど」
「うむ、2重の施錠か、了解だ、ルウ」
「表にブランデルの馬車が停まっております。演奏終了後、英雄亭で着替え、馬車の中で魔法を解き、おふたりのご自宅へ送ります」
ルウの段取りは、慎重な上に慎重を期すものである。
擬態した姿で店へ入り、出る時も擬態したまま。
関係者以外は乗車しない密室たる馬車の中で、夕方遅くならないうちに、ふたりを自宅まで送る。
これで問題はない。
アンドレもルウの手配に満足そうに頷く。
「うむ、という事は、遅くとも午後6時までには帰宅だな」
アンドレが確認するように告げると、レオナールも笑顔を見せた。
「助かる、ルウ」
「はい、お任せください」
こうして、4名とルウが屋敷を出た。
最後にアンドレがアジトを施錠する。
ルウも魔法で施錠。
いわば二重のロックである。
屋敷の前にはブランデル家の馬車が停まっていた。
御者はモーラルである。
「さあ、全員乗ってください。英雄亭へ向かいます」
ルウは、アンドレ以下4名を馬車に乗せた。
そして御者台のモーラルの脇に座り、合図をした。
微笑んだモーラルは、鞭を「ぴしり!」と鳴らした。
直接鞭うたれずとも……
訓練が行き届いた馬は嬉しそうにいななくと、軽やかに走り出したのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
アンドレの『アジト』から、英雄亭まではさほど遠くない。
馬車で10分少しの距離である。
モーラルが御すブランデル家の馬車は、英雄亭の厨房へつながる裏口……勝手口前につけられた。
まず御者台からルウが降り、裏口の扉をノックした。
扉がゆっくりと開き、立っていたのはニーナである。
英雄亭の従業員は10名以上在籍するが、4名の素性を知る者はオーナー店主のダレン・バッカスとこのニーナのみである。
「ルウ様、お疲れ様」
「ああ、ニーナ。4人を連れて来た。準備はどうだい?」
「ええ、ばっちりです。控室を用意しました」
「ありがとう。休憩はそこでやるのだな?」
「はい。お茶のポットも置いておきました」
「上出来だ、手みやげで金糸雀の焼き菓子も用意した。後で、スタッフ全員で食べれば良い」
ルウの言葉を聞き、ニーナは破顔する。
「あは! 嬉しい! ルウ様は気が利くう!」
ルウは大きく頷くと、馬車へ戻り、扉を開いた。
まずアンドレをサポートし、降車させる。
続いて、レオナールが降り、エレナとリゼッタも降りる。
ここでルウはモーラルへ手を挙げて合図した。
一応念話でも告げておく。
『モーラル、悪いが午後4時少し前に迎えに来てくれ。万が一予定が変更となるようなら、念話で連絡する』
『了解です。ルウ様、後は宜しくお願い致します。時間通りにお迎えにあがります』
『OK! 気をつけて戻ってくれよ。お疲れ、後でな』
『はい!』
短い返事と共に、鞭を鳴らし、馬車は発進。
モーラルは去った。
アンドレ、レオナールは去って行く馬車に手を振り、エレナとリゼッタは深々と頭を下げた。
「よしと! さあ、皆さん、入り口はこちらです」
レオナールは英雄亭の勝手口を見た。
飲食店の勝手口とは資材の搬入も含め、従業員、取り引き業者などが主に使う出入り口でもある。
当然ながら、レオナールが飲食店の勝手口を使うのは生まれて初めてである。
まさかこのような事になろうとは……
苦笑したレオナールは、勝手口からゆっくりと、英雄亭の店内へ入ったのである。
いつもご愛読頂きありがとうございます。
※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。
宜しければ、下方にあるブックマーク及び、
☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。
東導号の各作品を宜しくお願い致します。
⛤『魔法女子学園の助っ人教師』
◎小説書籍版第8巻が2/19に発売されました!《ご注意!第8巻のみ電子書籍専売です》
(ホビージャパン様HJノベルス)
既刊第1巻~7巻大好評発売中!
第1巻から8巻の一気読みはいかがでしょうか。
◎コミカライズ版コミックス
(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)
☆最新刊第4巻が1/27に発売されました!
何卒宜しくお願い致します。
既刊第1巻~3巻大好評発売中!
コミックスの第1巻、第3巻は重版しました!
特報!
最新刊第4巻が重版致しました!!
第1巻、第3巻に続きました。
皆様のおかげです。ありがとうございます。
今後とも宜しくお願い致します。
そして第5巻が4/27に発売されます。
コミカライズ版の完結巻となります。
また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。
コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。
WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。
マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が好評連載中です。
毎週月曜日更新予定です。
お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。
最後に、連載中である
⛤『帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者』《連載再開!》
⛤『絶縁した幼馴染! 追放された導き継ぐ者ディーノの不思議な冒険譚』
⛤『頑張ったら報われなきゃ!好条件提示!超ダークサイドな地獄パワハラ商会から、やりがいのある王国職員へスカウトされた、いずれ最強となる賢者のお話』
も何卒宜しくお願い致します。




