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第1,276話 「夢の発覚㉔」

東導号の新連載です。

⛤『頑張ったら報われなきゃ!好条件提示!超ダークサイドな地獄パワハラ商会から、やりがいのある王国職員へスカウトされた、いずれ最強となる賢者のお話』


平凡な苦学生男子が就職活動に失敗。

騙され、弱みにつけこまれた上、パワハラ商会へ就職。

だが強くなった彼は「ざまあ」して、素敵な職場へ転職。素敵な出会いもあり、幸せになる話です。

一気に10話以上読めます。


https://ncode.syosetu.com/n1277gv/


ブックマークと応援を何卒宜しくお願い致します。

「おう、レニー、お疲れさん」

「レニー、お疲れ様ぁ」


「レオナール父上、お疲れ様です」


 周囲を見回したレオナールが、すばやくアジトへ入り……

 広めの居間に赴くと、アンドレ、ナーイアスのリゼッタ、そしてルウがお茶を飲んでいた。


 独特に匂うハーブの良い香りが室内に満ちていた。

 アンドレ達が飲んでいるのは紅茶ではなく、ハーブティーであり、ルウが()れてくれたのだという。


 そして、何と!

 アンドレは美味そうな焼き菓子をつまんでいた。

 否、つまむというよりも結構な勢いでぱくついている。

 いつも厳めしい顔付きをしたアンドレも実は女子達と焼き菓子を楽しむ甘党だったのである。

 

 既にリゼッタは凄い勢いで食べており、目を輝かせたエレナも着席すると、早速焼き菓子を食べ始めた。


 苦笑したレオナールが見やれば、テーブルの上に菓子が入った箱がある。

 「お茶うけにでも」と、ルウが『差し入れ』として持参したという。


 白地の包み紙には金糸雀(キャネーリ)、つまりのカナリアの絵が金色で描いてあった。

 レオナールには見覚えがありすぎる意匠である。

 息子ジェロームが内緒で修業をしていた菓子店の『マーク』であった。


 そういえば……レオナールは、金糸雀(キャネーリ)の菓子を食べた事がない。

 多分、一生食べないであろう。


 ジゼル曰はく、金糸雀(キャネーリ)の菓子は、ヴァレンタイン王国ナンバーワンの逸品らしい。

 だが、レオナールは意地でも……食べたくはない。


「レニー、なかなか美味いぞ、君も食べるか?」


「いえ、結構です。私はお茶だけ頂きます」


 アンドレのお誘い、焼き菓子を断ったレオナールは自分の座り、周囲を見た。

 そして小さく頷いた。


 これでメンバーの全員が揃った。

 

 段取りは既に組んである。


 ……しばらくしたら、ルウが変身魔法を発動。

 全員を『赤の他人』に擬態させるのだ。

 そして各自が演奏用の衣裳に着替える。


 その前に、各自がルウにリクエストを行う事になっていた。

 どのような人物に擬態したいのか『好み』を伝えるのだ。


 攻撃、防御の魔法にしか興味のないレオナールであったが……

 今回に関してのみは、ルウの変身魔法に興味がある。


 やがて……

 頃合いと見たのか、アンドレが口を開く。


「ルウ! そろそろ変身したい! 変身してこの屋敷でリハを行いたいのだ」


「はい、枢機卿。仰せのままに。いかが致しましょう?」


 やはり、アンドレとルウは仲が相当良いらしい。

 

 そうなった原因は……

 アンドレから『ふたりの孫娘』がきっかけだったと聞いている。

 

 レオナールは、ルウの妻となった愛娘ジゼルの顔を思い浮かべた。


 自分同様、身内の女子がルウと親しくなったきっかけとは……

 レオナールは少しだけ可笑しくなった。


 そんなレオナールが見守る中、アンドレは孫に甘えるが如く言う。


「おいおい、ルウよ。今、私は枢機卿ではない。デュオ『デデ&レニー』の、デデなのだ。デデと呼んで欲しい」


「了解しました、デデ。では、存分にご希望を仰ってください」


「うむ、今回は君の使用人たるエレナとリゼッタにはとても世話になった。否、せわになったどころではない。我が『デデ&レニー』の素敵な師匠、そして記念すべきデビューに参加してくれるかけがえのない仲間だ」


「私達が素敵な師匠? わあっ! デデ! ありがとう!」

「わお! 私とエレナがかけがえのない仲間? 嬉しい事いうじゃない、デデったら!」


 初めて会った時は、アンドレに対し、遠慮がちに敬語を使っていたエレナとリゼッタであったが……

 訓練(トレーニング)を重ねるにつれ、気心が知れ、お互いがざっくばらんに話すようになっていた。


「という事で、女子達ふたりが最初に変身だ。レニー構わないな?」


 アンドレはレオナールに同意を求めた。

 

 対して、レオナールも異存はない。

 ルウが行使する変身の魔法は楽しみ。


 だが、若干の不安はあった。

 それゆえ、先に女子ふたりがどう変化するのか、お手並み拝見というのが本音だ。

 即座にOKを出す。


「ええ、私は一番最後で構いません」


「よし! ではルウ、エレナとリゼッタの姿を変えてやってくれ」


「了解! エレナ、リゼッタ。お前達、希望を言ってくれ」


「うふふ、ルウ様。本当はこのままが良いのですが、良い機会です。変身させて頂きます」とエレナ。

「はい! 私は遠慮なく!」とリゼッタ。


「よっし、では聞こう」


「はい! 私は顔立ちはそのまま、少し年齢を若めで、髪は肩までの金髪、瞳は蒼い碧眼(へきがん)が希望です」


 エレナは茶色の髪、鳶色(とびいろ)の瞳である。

 それを金髪碧眼にしたいという。


 そしてリゼッタも希望を告げる。


「ルウ様、私も顔立ちはそのまま、エレナみたいに茶色の髪、そしてナディア奥様みたいに可愛くポニーテールが憧れなので……瞳も鳶色が希望です」


「分かった、了解! 一度に行くぞ」


 え?

 一度に?

 それはまた大胆というか、乱暴というか……


 でも……

 並の術者ではなく、ルウ……なのだ。

 納得か、な?


 つらつら考えるレオナールが、ちょっと視線を外した瞬間。


 ルウの指がピンと鳴った、

 詠唱なし、発動までの開始時間もなし。

 瞬時という言葉がぴったりである。


「おお、す、素晴らしい!」

「な、なんという!」


 アンドレとレオナールが改めて見やれば……


 エレナは金髪碧眼の女子。

 そしてリゼッタはナディアにどことなく雰囲気が似た、茶髪ポニーテール女子と化していたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


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