第1,275話 「夢の発覚㉓」
東導号の新連載です。
⛤『頑張ったら報われなきゃ!好条件提示!超ダークサイドな地獄パワハラ商会から、やりがいのある王国職員へスカウトされた、いずれ最強となる賢者のお話』
平凡な苦学生男子が就職活動に失敗。
騙され、弱みにつけこまれた上、パワハラ商会へ就職。
だが強くなった彼は「ざまあ」して、素敵な職場へ転職。素敵な出会いもあり、幸せになる話です。
一気に10話以上読めます。
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翌日土曜日は……
待ちに待った?超異色デュオ、『デデ&デニー』のデビュー当日である。
メンバーは創世神教会王国トップの枢機卿アンドレ・ブレヴァル、そして王国軍統括レオナール・カルパンティエという両公爵。
そして麗しき南の国の妖精エーコーのエレナ、ナーイアスのリゼッタを加えたカルテット編成である。
公演は計3回。
開始時間は午後2時。
そして、気になる公園時間は約30分となった。
各回3曲ずつを歌い、アンコールがあればもう1曲歌う形だ。
講演終了後、30分ずつの休憩をはさみを繰り返し、午後4時30分に演奏終了、
午後5時に撤収となる。
居酒屋のピークたる夜間に演奏は行わないのか? と聞くのは野暮である。
さすがにふたりの生活環境上、夜深い時間に長々と公演をするわけにはいかないのだ。
そして……
ブランデル家に気心の知れた『英雄亭』だからこそ、『デデ&デニー』のデビュー公演を引き受けてくれたといえよう。
ここまでに、デビューの段取りは、アンドレが中心となりしっかりと組んである。
中央広場から徒歩10分ほどの場所に、アンドレはこじんまりした目立たぬ屋敷を借りていた。
当然、家族には内緒である。
この屋敷が着替え、待機、休息を行う『デデ&デニー』の『本拠地』なのだ。
本日の集合時間は、お昼前の午前11時となっていた。
さてさて!
週の内、土曜日、日曜日は王宮への出仕はお休みである。
午前10時過ぎ……
レオナールは親しくなったアンドレに……
休日を利用し、会いに行くと妻レティシアへ告げた。
但し、訪問先はアンドレの自宅ではないと断ってある。
いつもと違い、地味なブリオーを着た夫の外出を、何故かレティシアは、とがめたり追及しては来なかった。
レオナールは、王都中央広場のある場所まで、カルパンティエ家専用だが、目立たない地味な馬車で送って貰う。
御者には、午後6時くらいに降りた場所へ迎えに来るよう伝えてある。
馬車が去るのを見届け……
レオナールは周囲を一旦見てから、誰も自分を見ている者が居ないのを確かめた。
おもむろに、抱えていた深めの帽子を被り、目元を隠した。
ゆっくりと歩き出す。
この地点からアンドレが借りた屋敷まで歩くのである。
昨夜、アンドレと話した通り、レオナールは大いに緊張していた。
ふと思いついて、大きく一度、二度、そして三度と深呼吸をしてみる。
駄目だ……全然落ち着かない。
でも自分はひとりではない。
心の絆を結んだ相棒のアンドレが居る。
じっくりと丁寧に指導してくれた師匠のエレナとリゼッタも居る。
だから心強い。
肝心の歌も徹底的に稽古を積んだ。
何とか様になると思う。
しかし……
よくよく考えてみれば、自分とアンドレは、プロとして現実世界で歌った事がない。
歌った経験は夢の世界だけ……
おいおい!
そしていきなりデビュー?
こんな歌手……
プロにだって居やしない。
絶対に居ない。
そう思った。
だんだん可笑しくなって来た。
ジェロームとジゼルに良く似た、レオナールの端整な顔立ちが緩んだ。
何だか、凄く面白い!
わくわくしながら、緊張している?
不可思議な気分だ!
いつの間にか……
レオナールの緊張はほとんど消えていたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
約10分弱歩き、アンドレが借りている貸家へ到着した。
デデ&レニーの本拠地である。
これは隠れ家?
いやいや、アジトか?
うん、秘密の合言葉があるなんて、絶対にアジトだ。
補足しよう。
アジトとは、煽動と場所の合成語。
暗に秘密の場所、指令所を意味する。
レオナールは周囲を見まわしてから、扉をノックした。
「誰?」
潜めた抑え気味の声で返事があった。
すぐ分かる。
この声は女子、そしてエレナだ。
対して、レオナールがいくつかある合言葉のひとつを告げる。
「歌う」という意味だ。
「クラーマーレ」
「OK! レニーね?」
「イエス! シンガー!」
この返事も合言葉。
ふたつのキーワードの組み合わせで、関係者か、否か、中に居る者が判断するのである。
何か、秘密めいていてうきうきする。
……レオナールは王都の某所に秘密のアジトを設定して友人と遊んだ、幼き頃を思い出す……ひどく懐かしくなる。
「かちゃり」と扉が開いた。
笑顔のエレナが出迎えてくれた。
「お疲れ様。デデは?」
「もうとっくに! とても張り切っていて、午前9時にはいらっしゃったわ」
「おお! そりゃ、凄い。デデは気合が入りまくりか。馬で例えれば、『入れ込みすぎ』って事だな、きっと」
「あはは、馬に例えるなんて。そのジョーク。デデへ言っちゃダメよ、絶対」
「うんうん、エレナも内緒にしてくれよ」
「了解! レニーが一番最後の到着。さっそくリハをやりましょ? ルウ様もいらしているから」
「ルウが……そうだよな」
本日の公演は、レオナールもアンドレも素顔でステージには立たない。
貴族があまり来ない庶民向けの居酒屋とはいえ、万が一の事だってある。
知りあいが居る可能性はゼロではないのだ。
ルウが変身の魔法を行使し、身バレしないようにするのである。
デデ&レニーに関して、ルウは妨害したりしない。
ジェロームの件は関係なく、大きく協力してくれている。
『敵』とはいえ、しっかりメリハリがついている。
レオナールは少し嬉しくなり、足取り軽く『アジト』へ入ったのである。
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