第1,270話 「夢の発覚⑱」
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衝撃の通達、デュオ『べべ&レニー』デビューの話を聞き……
当初は動揺したレオナール・カルパンティエであったが……
冷静になるといくつも懸案事項がある事に気が付いた。
ここは不明な点を、デデこと事枢機卿アンドレ・ブレヴァルに尋ねるしかない。
「デデ、いくつかお尋ねしたい」
「おう! レニー、何でもいくらでも聞いてくれ」
「ではお言葉に甘えます。私の部下に対し、いつも徹底している聞き方で、いろいろと確認させて欲しいのですが」
「おお、レニーの部下にか? ならば騎士隊と王国軍か。ちなみにどういう聞き方なのだね?」
「はい、5W1Hです」
「ふむ、成る程、5W1Hか。Whenがいつ? Whereがどこで? Whoで誰が? Whatで何を? Whyでなぜ? そしてHowでどのようにか。情報伝達と確認を行う為には必須であり、分かりやすいな」
「は! 仰る通りです」
「うむ、宜しい。どんどん聞いてくれ」
「では、確認させて頂きます。いつは、1週間後で認識しました。どこで……という事で、私達が歌う場所たる王都市内の居酒屋とは一体どこの何という店でしょうか?」
レオナールの問いに対し、アンドレは即座に首を横へ振った。
「知らん」
「は? 知らんって……」
どういう意味でしょう?
レオナールは、訝し気にアンドレを見つめた。
しかしアンドレは苦笑する。
「本当に知らん。申しわけないが、私も現場がどこなのか、知らされていないのだ」
「で、ではどうすると? 当日以前に、現場でリハーサルもなしなのですか?」
「ああ、リハはない。現場も前日に私達が見る夢の中で知らされる事になっておるのだ」
「成る程……本当にぶっつけなんですね。仕方がない。誰がは、私とデデとだから良しとして、次は何をですが、歌う曲は何ですか?」
「まあ、居酒屋だからさすがに賛美歌はなかろう。無難なのはバートクリード様の英雄譚あたりだろうて。もしくは恋の歌だろうな」
「はあ、そうですか……英雄譚は良しとしても、私とデデで、よりによって恋の歌ですか……不安がいっぱいだ」
「ははは、まあ、何とかなるだろう」
「軍歌あたりなら、良いのですがね。私は歌い慣れておりますから」
「まあ、居酒屋において軍歌は無い事はないが、……やらない方が無難だろうな」
「ですね……」
軍歌とは軍隊の士気を鼓舞し、戦意の高揚をはかり、愛国精神の発揚を目的としてつくられた歌である。
しかし今回の現場は王都市内の居酒屋である。
庶民を中心に様々な身分、出自の者がやって来る場所である。
中には、騎士隊や軍に反感を持つ者が居る可能性もある。
聞きたくない、面白くないなどと因縁をつけられ、トラブルになる可能性はゼロではない。
吟遊詩人が歌うのは、あくまでも客を楽しませる為であり、トラブルを起こす事ではないのだ。
「次は、何故ですが、居酒屋を選んだのは何となく分かります。駆け出しデュオの私達にとって分相応な場所……という事でしょう」
「うむ、レニーの推測通りだ」
「そして、一番の懸念……どのように歌うのかという事ですよ。いくら庶民が集う居酒屋だといっても、デデや私は公人です。……素性がばれたら大騒ぎになるのでは?」
「ははは、その点は大丈夫だ」
「だ、大丈夫?」
「ふむ、レニーにはとっくに告げておるではないか?」
「とっくに私に? デデがですか?」
「おう、言った。ルウが変身の魔法を行使し、助力してくれるとな」
アンドレに言われ、レオナールは己の記憶を手繰った。
記憶はすぐに甦った。
「……ああ! お、思い出しました。確かにデデはそう仰った。……でもルウの、その変身の魔法とやらはどこまでのクオリティなのですか? 下手な変身……小細工は却って墓穴を掘る」
「うむ、それは大丈夫だ」
「どうしてです? はっきりと言い切れるのですか?」
「ああ、私はもうルウの変身魔法を目の当たりにしておるからな」
「え? 目の当たり?」
「そうだ。故有ってルウは一度私の息子マティアスに化身した事がある」
「な? マティアス殿にですか?」
「うむ。血がつながり、毎日接している父の私でも全くといっていいほど、気が付かなかった」
「そ、それほどとは!」
「ああ、ルウが変身した姿、声、仕草、我が息子にうりふたつであった」
「ふうむ……それは凄いですね。ならば我々の正体が露見する事はないですね」
レオナールが感嘆すれば、アンドレも言う。
「ああ、私達自身がミスを犯さぬ限り絶対にばれない」
「ははは、ですね」
レオナールが笑うと、アンドレはしみじみという感じで言う。
「私はな、レニー。ルウが邪悪な存在でなく心の底から良かったと思う」
「確かに……」
当然と、レオナールも同意する。
もしもルウが居なかったら……大きな問題は解決しないまま、
ヴァレンタイン王国、否隣国ロドニアを含み、世界は不穏な空気に包まれていたに違いない。
それどころか、ルウが持てる力をふるえば、ヴァレンタイン王国を……
否、世界さえ手にするのはたやすいだろう。
「私が思うに……ルウが使う変身の魔法など、彼の持つ力を鑑みれば、児戯に等しい」
「児戯に……」
「考えてもみよ、レニー。10年前のワイバーン襲来を遥かに上回る、邪竜どもの飛来を、今回の大破壊を退けたのだぞ。それもあっさりとな」
「ふうむ……」
「これは私の手の者が概要を調べたという事で、詳しくは把握しておらぬが……」
「何でしょう?」
「レニー、君の方が詳細な事情を把握しているのだろう?」
「……と、申しますと?」
「うむ! リーリャ王女が我がヴァレンタインへ赴く際、ロドニア騎士とのトラブルを収束させたのもルウだと聞き及んでおる」
「……………」
レオナールは答えなかった。
肯定も否定もしない。
リーリャ来訪の際の経緯は、アンドレといえど、告げる事は出来ない。
しかし、アンドレは独自の情報網で、把握しているようだ。
「もしもルウが邪なる野望を持っていたら、力で一気に世界を制圧するだろう」
「確かに……」
「ルウ・ブランデル……これまでの行いを振り返れば彼は守護者だ。世界の守護者、創世神様が遣わされた使徒ではないかと私は思う」
「……………」
「レニー……」
「はい」
「君も愛息の事で悩んでおるようなら、ルウに相談し、尽力して貰え」
「……………」
アンドレの忠告にも、レオナールは無言で返した。
ジェロームの件に関してのみ、ルウは敵将なのだ。
相談など出来るはずはない。
なおもアンドレは言葉を続ける。
「それが、私アンドレ・ブレヴァル……否、君の相棒べべより心からの忠告だ」
「……………」
アンドレが言い切り、レオナールが三度無言で応えた時。
とんとんとんとん!
客室の扉がノックされた。
「枢機卿様、レニー、お夕飯の用意が出来たわ。いかがでしょう?」
アンドレは二ッと笑った。
頃合いだと感じたのだろう。
「ふむ、では夕飯にしようか」
「はい!」
レオナールも元気良く、応え……
ふたりは「すっく!」と立ち上がったのである。
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