第1,267話 「夢の発覚⑮」
東導 号 書籍化作品
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王国軍統括レオナール・カルパンティエ公爵は王宮へ出仕後、すぐに上席たる王国宰相フィリップ・ヴァレンタインを訪ね、朝の挨拶を行った。
昨日の早退から、体調の心配をされたのをきっかけに、レオナールは息子ジェロームの案件を打ち明ける決意をしたのだ。
どうしても妙案が思い浮かばず……
直接関係のない身内以外、第三者の知恵をアドバイスを受けたいという気持ちからである。
ジェロームに加勢した?相手が……
愛娘ジゼルの婿で、身内ながら強敵の中の強敵ルウという事もあり……
相談する相手は、レオナールが尊敬するフィリップ以外には居なかった。
「殿下!」
「うむ」
「では! 担当直入に申し上げます。私の息子ジェロームのカルパンティエ家跡目相続の件で、現在大いに悩んでおります」
「ほう! 君の愛息ジェローム君の跡目に関して悩んでいると? しかし彼は王都騎士隊の次期エースとも目されている。隊長たるライアン伯爵が来年除隊すれば、若いジェローム君の存在と責任は大いに重くなるだろう」
「はい、殿下のおっしゃる通りです。今更ながらライアンが除隊するのは残念です。何度も引き留め、翻意させようとしましたが、楓村の管理官になる意思は変わりませんでした」
レオナールは心底残念そうな面持ちで告げた。
フィリップも顔をしかめ、同意する。
「ふむ、確かに……ライアン伯に変わる人材は中々居ない。だが、王国騎士として国民によりそい、共に生きたいという崇高な志を否定するわけにはいかない」
「御意! それゆえジェロームを少しでも早くライアンに匹敵する器にと、より鍛えるべく、私が気合を入れ直していた矢先に、奴がとんでもない事をしでかしていた事が発覚しまして」
レオナールが本題に入る事を告げると、フィリップは顔をしかめたまま、首を傾げる。
「とんでもない事?」
「はい、ある者からの通報により発覚致しました。王都市内のある店で、こっそり菓子職人をしていたとの連絡があり、私自ら赴いたところ事実だと確認致しました」
「ふむ……ジェローム君が菓子職人か……」
「はい、奴は休日にとある店の厨房で菓子を製作しておりました」
「ふむ」
「それと、通報した者の物言いには大きな誇張があり、厳重注意の上、口止め致しました」
「成る程……通報に誇張があったと」
「はい、息子が店の女子職人とふらちな行いに及んでいるという物言いがありましたが、それは真っ赤なフェイク通報でした。その点についてだけは、安心致しました。奴は先日婚約したばかりですので」
「そうか、真赤なフェイク通報……とりあえずジェローム君は、真面目に菓子職人をしていたというわけだ」
「はい! 確かに仕事ぶりだけは真面目でした」
「うむ」
「私はすぐにジェロームを騎士隊の寮から、自宅へ呼び出し、詰問致しました」
「レオナール殿」
「は、はい」
「君の事だ。まるで軍規や隊規を違反したように厳しく物言いをしたのだな?」
「はい、それはもう、厳しく叱責致しました。しかし……」
「しかし……ジェローム君も全く折れなかったと」
「はい、殿下の仰る通りです。その上、よりによって騎士引退後には絶対に菓子職人になると抜かしまして」
「成る程……そうなると現役たる騎士を引退しても、君の跡を継ぎ、将軍にはならない、王国軍統括にはならないという意味なのか?」
フィリップとは話が早い。
すぐにレオナールの事情を察してくれる。
安堵したレオナールは、更に話を続ける。
「はい、息子はとても頑なとなり、私や妻の言う事を一切聞き入れません。困り果てた私は最悪ジェロームの廃嫡も考え、代わりに娘ジゼルの婿、ルウ・ブランデルを養子にと考えました」
「ほう、ジェローム君の代わりにルウをカルパンティエ公爵家の養子にか?」
「はい、ルウならばジェローム以上に王国軍統括には相応しい器だと思いまして」
「ふうむ……」
ルウをカルパンティエ家の養子にと伝えたら、フィリップは唸り、考え込んでいた。
いろいろと思案してくれていると、レオナールは嬉しくなる。
だが、そのルウに関しての情報も入れねばならない。
「ですが、殿下。それがまた困った事になりました」
「ほう、それがまた、困った事になったのか?」
「はい、ジェローとルウが強力な同盟を結びまして、私に対抗しております。その上、ジゼルとジェロームの婚約者シモーヌも加わったのです」
さすがに枢機卿アンドレ・ブレヴァルまで絡んでいるとはいえない。
それも夢の中で、デュオを組んだなどと口外出来るはずもない。
つらつら考えるレオナールを見て、フィリップは高らかに笑う
「ははははは、それは強力な同盟だ。君ひとりでは難儀するだろう。……成る程、それで彼らに対抗すべく私を同盟相手に選んだという事だな?」
「御意! しばらく前から夜遅くまで、対抗策を考えておりますが、中々、妙案がありません」
「ふむ。妙案が出ないか……」
「はい、それで殿下には私の陣営に加わって頂き、お知恵を頂き、戦局を挽回、いえ、優位にしようと決断した。そういった次第でございます」
「分かった! 君の悩みが解決するよう、私も尽力しよう」
「あ、ありがとうございます!」
「但し!」
「は? 但し? ですか?」
「解決案は出すよう努力はする。だが、レオナール殿。君が100%満足するものになるとは限らないぞ」
「は……殿下のお出しになる解決案が私が100%満足するものにならないと」
「そうだ。ルウやジェローム君を妥協させる代わりに、君にもある程度、条件を呑んで貰う。その条件を承諾するならばこのフィリップ、大いに知恵を絞ろう」
「ぎょ、御意でございます!」
条件付きだが、フィリップが自分の為に思案してくれる。
嬉しくなったレオナールは大きく頷いて、上席の提案を受け入れたのであった。
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