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第1,263話 「夢の発覚⑪」

東導 号 書籍化作品

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

特報!

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 書斎備え付けの予備寝室……

 今夜もひとり、眠り込んだレオナールは、またも同じ夢を見た。


 見渡す限りの緑濃い大草原。

 ところどころに、点在する大小の森。

 目の前の森の木々には、色鮮やかな果実が実っている。


 見上げる空には、雲が全く無く、今にも、吸い込まれそうな紺碧の大空。

 吹き抜ける風は清々しく、身も心も軽くなる……


 「もしや」と見渡したが、誰も居ない。

 昼間、再会を告げて来た枢機卿アンドレ・ブレヴァルの姿も当然無い。


 安堵したレオナールは、ホッと息を吐いた。

 そして苦笑する。


 ルウの奴、大したものだ。こんな世界を夢の中に作りあげるとは……やはり強いだけじゃない。


 まあ……良い。

 ここは考え事をするのには最適、否! 絶好の場所。

 改めて、『ジェローム跡目相続必勝作戦』の段取りを練ろう。


 レオナールは草原に寝ころび、目を閉じた。

 気持ちが楽になる。

 すっきりとした気分でいろいろな考えが浮かんで来る。


 しかし!

 レオナールの『平穏』は続かなかった。


 いきなり、昼間聞いた声が響いたからだ。


「おう、待たせたな、レオナール君。いや相棒と呼ぶべきだったな」


「す、枢機卿様!」


「どうした? そんなに驚いて。私が約束を反故ほごにするわけがなかろう」


「いや、しかし……え? 枢機卿様、こ、今夜は、お、おひとりではないのですか?」


 好々爺のように笑顔を見せるアンドレの背後に、

 いつの間にか……ふたりの女子が立っていたのだ。


 タイプは違うが、ふたりとも美しい女子である。

 年齢は20代半ば過ぎであろうか……


 スタイルも抜群。

 たおやかで神秘的、人間離れしていた。


 見覚えが……なくもない。

 確かに、どこかで見た事が……会った事がある。


 だが記憶が曖昧あいまい

 レオナールは、どうしても思い出せない。

 多分、挨拶を交わしたくらいのレベルなのだろう。


「私は彼女達には少し前に会ったばかりだ。だが君は以前会った事があるな?」


「はあ……会った事はあると思います。しかし、記憶がちょっと」


 アンドレとレオナールの会話を聞き、女子達は朗らかに笑い出した。

 そして「ずいっ」と前に出た。

 

 アンドレの真横にふたりで並ぶ。


「レオナール・カルパンティエ様! 改めまして! ルウ・ブランデルに仕えるエレナと申します!」

「同じく! ブランデル邸の使用人リゼッタでございます!」


「あ、ああ! お、思い出した! そ、そうだった!」


 レオナールは女子達の挨拶を聞き、記憶が甦った。


 そうだ!

 思い出した!


 以前妻と一緒に、愛娘ジゼルに会いに行った時。

 対応してくれたルウの使用人達だ。


 そう……

 アンドレに連れられ、レオナールの前に姿を現したのは……

 ルウが救い、恩義と愛を感じ、妖精の国アヴァロンへ旅立たず……

 まめまめしく仕えるふたりのニンフ……


 エーコーのエレナ。

 そしてナーイアスのリゼッタである。

 当然ながらレオナールはこの女子ふたりの正体を知るよしもない。


 さてさて!

 記憶が甦ったレオナールは改めて考える。


 何故、ここにこのふたりが居る?


 すぐに思い当たった。

 ここは夢。

 明晰夢めいせきむ

 それもルウの創った特殊な異界。


 まさか!

 この女子ふたりこそ夢魔!?


 何かで読んだ!

 男の夢に現れる夢魔は美しい女性であり、精気を抜くという……

 そして、とりつかれた男を死に至らしめる。


 アンドレのような老人ならともかく、このような美しい女子ならば夢魔だと納得。

 これも!

 ルウのしわざに違いない。


 あいつ!

 なりふり構わず『美人局つつもたせ』みたいな事までやるとは!

 そこまでして私の弱みを握りたいのか!


 あらぬ妄想に苛立ち、憤り……

 怒りから眉間にしわを寄せたレオナールであったが……


 エレナとリゼッタはまたも明るく笑う。


「うふふふ、アンドレ様、この方、何か誤解されているようですよ」

「ふふふ、本当に!」


「ははははは! こういう仕事一筋の男は、決まりきった一面からしか物事を考えられぬ。遮眼革しゃがんかくを付けた馬のようなものだ。私がそうだったから良く分かる」


 アンドレのいう遮眼革とは……

 馬が前方へ走るだけに集中出来るよう、眼の側面を『ついたて』で覆って、余計なものが視界へ入らないように矯正する馬具である。


「枢機卿様! 私は馬ではないですぞっ!」


「まあ、そういきり立つな、相棒」


「う~」


「相棒! 君は何か良からぬ事を考えているようだが……全く違うぞ」


「な、何と!」


「はははは、ルウはな、そのように姑息な引き算などしない。足し算の男だ」


「た、足し算!?」 


「そう! 私達の人生に素敵な夢と大いなる希望を与えてくれる足し算の男さ」


「わ、わけが分かりません! 足し算だの引き算だの! 論理的且つ具体的に教えて頂きたい!」


「ははは、ならば言おう。ルウが派遣してくれたこの子達は、私達の師となるのだ」


「はあ!? し、師!? し、師匠って!? この女子ふたりが、私達に何を教えるというのですかぁ!」


「うむ、論より証拠。エレナ、リゼッタ、この石頭の堅物に披露してやりなさい。お前達の素晴らしい技を」


「はい! アンドレ様」

「かしこまりました! 枢機卿様」


 エレナとリゼッタはにっこり笑って頷き合い……

 美しい声で、朗々と歌い出したのであった。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

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1月18日発売、月刊Gファンタジー2月号に『最新話』が掲載されております。

一見超ドライですが、本当は優しいルウ、可憐なヒロイン達の新たな魅力をどうぞお楽しみください。


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コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。

WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が好評連載中です。

毎週月曜日更新予定です。

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、連載中である

「帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者」《連載再開!》

「絶縁した幼馴染! 追放された導き継ぐ者ディーノの不思議な冒険譚」

「辺境へ追放された勇者は、銀髪美少女と新たな国を創る。気が付いたら魔王と呼ばれていた?」

「迷宮下層へ置き去りにされた底辺冒険者が裏切者へざまあ!銀髪美少女に救われ、成り上がる冒険譚」


も何卒宜しくお願い致します。

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