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第1,262話 「夢の発覚⑩」

東導 号 書籍化作品

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「ふふふ、昨夜約束しただろう?」

「ははははは、どうした? びっくりして。まずは基礎の発声練習から始めよう。我が相棒よ」

「では、またな!」


 やはり、昨夜見たのは『単なる夢』ではなかったのだ。

 その証拠に、偶然?ニアミスした枢機卿アンドレ・ブレヴァルからは、今まで交わした事もない親し気な言葉を何度もかけられ……

 デュオとして歌うという約束は文字通り、夢うつつの幻ではなく、間違いなく真実だと認識したのである。


 自分の執務室へ戻ったレオナールはじっくりと考え直してみた。

 

 アンドレの口から出たルウの名……

 もう間違いない。

 娘のジゼルに頼まれて、絶対に噛んでいる。

 ルウが一枚も二枚も噛んでいるのだ。


 それに、ルウの思惑もだいたい想像がつく。

 自分を好きな趣味に目覚めさせ、ジェロームの変心を責められないようにするつもりなのだ。

 そしてなし崩しに、騎士を引退後にジェロームのパティシエ転向を認めるよう、強硬に申し入れて来るのだろう。


 かといって、ここで怒りに任せてルウの下へ……ブランデル邸へ乗り込むのは愚の骨頂。

 想像したら、はっきりと目に浮かぶ。

 『自分が負ける姿』をである。


 そもそも……

 ブランデル邸の住人はルウ以外、家令ひとりを除き、使用人も全員が女子である。


 もしも自分が肩を怒らせて乗り込めば、まずは娘のジゼルが立ちふさがり兄の弁護を……

 続いて、ジェロームと共に婚約者のシモーヌが登場、許して欲しいとせがむだろう。


 アデライド・ドゥメール伯爵の愛娘で第一夫人のフランが、もしかしたら母親も伴い、自分を責めまくる。

 更に何人もルウの妻が登場し、最後には、ロドニア王女リーリャまでが……

 丁寧な言葉ながら、自分をガンガン責め……

 逃げ場のないよう、行く手をふさぎ、ジェロームのパティシエ転身了解を説得しに来るだろう。


 熱くなった女子十数人から取り囲まれ一斉に攻められる……逃げ場はない。

 逃げ場も勝ち目もない戦場におもむくのは、まさに火中の栗を拾うようなもの。

 いや、死さえ招く事となる。


 この問題解決は、下手な戦いより難しい。

 それに自分は絶対に負けられない。

 ジェロームにはカルパンティエの跡目を継いで貰わねばならないのだ。


 しかし王宮のこの部屋では、誰かが執務処理の為に尋ねて来るに違いない。

 ここは一旦自宅まで撤退し、態勢を整えよう。

 遂行する作戦をじっくり練ろう。


 勇気ある『撤退』を決意したレオナールは、上席のフィリップへ断り、早退したのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 自宅に戻ったレオナールは、朝よりも気持ちは落ち着いていた。

 ピンチに陥ったが、彼の本性は武人。

 戦いは気持ちを高揚させ、ジェローム事件が引き起こした嫌な事、煩雑な事を忘れさせた。


 それゆえ……

 今度は心配する妻レティシアへ「大丈夫」と優しく声をかけた。


 しかし……またもしばらくひとりになりたいと言い捨て、レオナールはまたも書斎へこもってしまった。


 残されたレティシアだが、今度は表情に余裕がある。

 レオナールと結婚し、早や28年。

 夫の性格は知り抜いている。

 

 それに先ほどまで、ジゼルとシモーヌが訪れていた。

 レティシアにとって、ふたりの愛娘は元気であり、笑顔に満ちあふれていた。


「母上、既に旦那様の作戦は開始されています」


 ジゼルはきっぱりとそう言い……

 義理の娘となるシモーヌも、


「私は妻として、何があろうとジェローム様に一生ついて行きます」


 と、迷いなどない目で力強く宣言してくれたのだ。


 レティシアは聡明で且つ、楽観的な性格でもある。

 クレバーにも考える。


 カルパンティエの家が絶えるわけではない。

 ジェロームとシモーヌが立派に跡を継ぐのだ。

 それも騎士をしっかり全うするとまで言ってくれた。


 ふたりには、いずれ子供が生まれるだろう。

 その子がまたカルパンティエ家を継ぐ事となる。


 もしも子供が出来なければ……

 ルウとジゼルの子を養子へ迎えても良いとさえ思う。


 和解する為には、夫がこだわりを捨てれば良い。

 王国軍統括の座を世襲させたいと考えているだけ……

 落としどころはあるはず……なのだ。


 レティシアがそんな思いで、夫を書斎へ見送ってから……

 扉の閉まった書斎では、レオナールは速攻で着替え……

 ジェローム跡目相続必勝作戦とベタに名付けた作戦立案に移っていた。


 改めて現況の確認。

 冷静な情報分析。

 そしていろいろな可能性の模索。

 こちらで打てる可能性のある作戦の取捨選択。


 結局、レオナールは3時間以上、考え続けた。

 明確な結論は出なかった。


 しかしレオナールは、辛いと感じなかった。

 敵軍の将たるルウと自分の戦い、駆け引きが面白くてしかたがなかったのだ。


 一旦、書斎を出て、夕食を摂ったレオナールは、再び考え込んだ。

 気が付けば、既に23時を越えていた。

 まもなく日付けが変わってしまう……


 さすがに眠くなったレオナールは、昨夜と同じく書斎のベッドへ潜り込んだのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

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1月18日発売、月刊Gファンタジー2月号に『最新話』が掲載されております。

一見超ドライですが、本当は優しいルウ、可憐なヒロイン達の新たな魅力をどうぞお楽しみください。


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WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が好評連載中です。

毎週月曜日更新予定です。

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、連載中である

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「絶縁した幼馴染! 追放された導き継ぐ者ディーノの不思議な冒険譚」

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「迷宮下層へ置き去りにされた底辺冒険者が裏切者へざまあ!銀髪美少女に救われ、成り上がる冒険譚」


も何卒宜しくお願い致します。

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