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第1,255話 「夢の発覚③」

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 ルウとジェロームは、王都騎士隊隊長で、ジェロームの上席に当たるキャルヴィン・ライアン伯爵に改めて挨拶をした。

 先ほどのルウの話通り、キャルヴィンは、ジェロームの隊籍はそのまま。

 そして部屋も『そのまま』にしてくれるという。


 でも命令違反は……上官たる父レオナールに対する背信行為では?

 敬愛するキャルヴィンに迷惑はかけられない……

 自分と父の「とばっちり」を案ずるジェロームに対し、キャルヴィンは首を横へ振った。


「ジェローム、そう心配するな、大丈夫だ」


「隊長……」


「お前の親身な指導のお陰で、若手や新人が大いにやる気になっている。私が除隊する前に、騎士隊を抜けられては困る」


 キャルヴィンは、そう言い笑顔を見せた。

 彼は来年除隊、王都郊外の楓村へ管理官として家族と共に赴く。

 ジェロームには幹部騎士として隊を引っ張って欲しいと告げた。


「全てをルウに任せれば良い。お前が夢を追えるよう、上手く解決してくれるはずだ。私もお前に尽力する」


 とも言ってくれた。

 子供の頃から抱いていた夢を、父に頭から否定され、意気消沈していたジェロームであったが……

 ルウとキャルヴィンの励ましを聞き、大いに勇気付けられた。


 礼を言い隊長室を出たふたりは、すぐブランデルの屋敷へ向かう事になった。

 ジゼルが心配していると聞き、ジェロームが望んだからである。

 ルウは、事前にジェロームへ告げた上で、ひと気のない場所にて、転移魔法を使う。


 気が付けば……

 ジェロームは、ブランデル邸の大広間に立っていた。


 突如現れたふたりに、多くの視線が注がれていた。

 兄の身を案じ待機していたジゼルは勿論、帰宅したフラン以下の妻達、使用人達もルウとジェロームを見つめていた。

 既にジゼルから説明が為されており、誰もが『事情』を知っていた。


 そして、ジゼルの傍らには、ジェロームの許嫁、シモーヌ・カンテも居た。

 ルウが念話を使い、簡単に事情を話した上で、呼んでおいたのである。


「ジェローム様ぁ!」


「おお、シモーヌ!」


 ふたりはしっかりと抱き合った。


 先に口を開いたのはシモーヌである。


「ジェローム様! シモーヌはどうなろうとも、ジェローム様へ着いて行きます! 一生離れません」


「ありがとう! 俺もお前を絶対に離さない!」


 とりあえず……ジェロームは落ち着き先が出来た。

 想い人シモーヌとも再会。

 愛を確かめ合う事が出来た。

 後は、ブランデル邸において、用意した部屋へ落ち着いて貰い、話はゆっくりと聞けば良い。


 微笑んだルウは手を挙げ、宣言する。


「よし、では今からカルパンティエの屋敷へ行って来る」


 行き先だけ告げる短い言葉であったが、誰もがルウの目的を理解していた。

 ジェローム、ジゼルの父レオナールへ会いに行くのだ。


 瞬間。

 ルウの姿は煙のように消えたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 所変わって、ここはカルパンティエ公爵邸……

 ブランデル邸より3回りくらい大きな、王都でも有数の豪邸である。

 幸いにも、大破壊による邪竜の攻撃を免れ、ほぼ無傷であった。


 自分の居間でレオナールの妻レティシアは、ひとり物思いに耽っていた。

 これからどうなるのだろう?

 彼女は不安であった。


 先日、嫡男ジェロームが、夫と大喧嘩をした。

 ジェロームが自分達に隠れ、密かにパティシエの修業をしていたという。

 レオナールは激怒し、即座に修業をやめるよう息子へ告げた。


 しかし何と!

 ジェロームは命令を拒否した。

 そして一歩も引かなかった。


 息子の言い分は、明確であった。

 カルパンティエ公爵家の嫡男として、義務は果たす。

 騎士としての人生を全うする。

 しかし、己の体力が衰え、騎士の激務に耐えられなくなったら、

 第二の人生を歩みたいと主張したのだ。

 その第二の人生がパティシエだというのである。


 対して、夫も一歩も退かなかった。

 結果、ふたりは大げんかに発展。

 遂に禁句、勘当の言葉が出てしまったのである。


 レティシアからしてみれば、息子ジェロームの言い分が、真っ当だと考えていた。

 ヴァレンタイン王国は北の神が治めた戦士、戦乙女の国とは違う。

 戦って死ぬことが名誉。

 病死や老いて死ぬ事が、不名誉と思っていないのだ。


 と、その時。

 扉がノックされた。

 家令である。


「奥様。ルウ様がいらっしゃいました」


「ルウが?」


「はい、ご主人様と奥様にお会いしたいと」


「それで、夫は?」


「はい、誰にも会わないと仰いました。ルウ様にお戻ししたところ、では奥様のみでもお会いしたいと仰いました」


「ルウが、私と……」


 レティシアにはピンと来た。

 多分、ジゼルのさしがねだろうと。


 ジェロームとジゼルは昔から兄妹仲が良い。

 今回の件も既に伝わっている事だろう。

 ジゼルは父よりも、兄の味方をするに違いない。


 こうなったら……

 夫を説得する為、ジゼル、そしてルウと連合軍を結成しよう!


 レティシアはそう決意した。


「ええ、返事をして頂戴。私はルウと会います」


 娘婿のルウが大破壊を退けたという話は、夫から聞いていた。

 で、あれば今回の問題くらい、きっと解決してくれる。


 レティシアは、そう確信していたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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