第1,252話 「専門科目授業再び⑧」
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魔法女子学園臨時教師、ルウが担当する専門科目、上級召喚術の授業……
受講生達へ与えられた課題は、ルウが召喚した高位の存在、戦乙女アルヴィトルの機嫌を良くする事。
オレリーは、宿命のライバルたるマノン、そして家族且つ同志のジョゼフィーヌ、リーリャと4名で班を組み、課題へ挑んだ。
幸い、先陣を切ったオレリーが気に入られたものの……
アルヴィトルから、「お前が欲するものは何か?」と聞かれ……
かつてルウから教授された言葉を思い出し、オレリーはきっぱりと言い切った。
「貴女の持つ未知の知識を私達へお与えください! 災厄で傷ついた人々を助け、救う魔法の習得を私達は望みます!」
しかし残念ながら、時間切れとなった……
オレリー達がルウから与えられた課題のクリアは、アルヴィトルの判断ひとつに委ねられたのだ。
果たして……結末は?
アルヴィトルは「にやっ」と笑い、オレリーを見据える。
「うむ、返事をする前に、告げておこう」
一体、アルヴィトルは何を言うのだろう。
オレリー達は無言となった。
ここは黙って聞くしかない。
「……………」
「私達北の一族は、戦いに命を奉げる勇猛さ、死を恐れぬ潔さを最も尊んでいる」
「……………」
「オレリー、お前は私の制止も聞き入れず、突き進んだ」
「……………」
「しかも己の為でなく、難儀する他人の為に……」
「……………」
「お前のその気持ちは心から発する波動で分かる。偽りではなく心の底から発したものだ」
「……………」
「そう、お前は人を救う為、導く為、魔法の習得に命を懸けている。目的も立派だ。……そこに立つお前の師のように、な……」
アルヴィトルはルウに視線を投げかけた。
ルウは視線を合わさず、いつものように穏やかに微笑んでいた。
オレリー達も言葉を発さない。
「……………」
アルヴィトルは視線をオレリーへ戻した。
そして柔らかく笑う。
「気に入った。お前の行為は単なる蛮勇ではない。崇高なものだ」
「……………」
「私は気分が良い! よって! 課題はクリア! オレリー、リーダーたるお前の功績を認め、仲間たるマノン、ジョゼフィーヌ、リーリャも共に合格としよう」
やった!
途中で、もしやとは思ったが……
アルヴィトルの話を最後まで聞き、勝利を確信した。
全員合格か、全員失格か……
答えは……合格であった。
オレリーは拳を上に突き上げた。
「ありがとうございます!」
「ふう、やりましたわね!」
「ええ、やりましたわ!」
「わお!」
歓喜し、ハイタッチするマノン、ジョゼフィーヌ、リーリャ。
当然オレリーも混ざって、ハイタッチ。
だが、ここでアルヴィトルが声を張り上げる。
「しかぁし! ここからが本番だ、ひな鳥ども!」
ここからが?
本番!?
オレリー達は当然戸惑う。
上げられて、下げられて、虚を衝かれたようになる。
「え?」
「本番?」
「ど、どういう事でしょう?」
「お前達は師から学んだはずだ」
言い放つアルヴィトルの言葉に今度はマノンが反応した。
オレリーの望みを聞き、ルウの言葉を彼女も思い出していたのだ。
「はい! アルヴィトル様、師から聞き及んでおります。召喚魔法の真髄……すなわち意義とは召喚した人智を超える存在より様々な知識を得る事にあるのだと」
続いて、ジョゼフィーヌも言う。
「私達、人の子の寿命は世の全てを学ぶには、あまりにも短いと!」
そしてリーリャも、
「私達魔法使いは好奇心と探究心の塊です。未知の魔法や不可思議な魔道具、難病も完治させる究極の魔法薬は学びたいと思って当然です」
そして最後に締めたのは、当然オレリーである。
「魔法だけではありません。人々を癒す美しい調べの音楽、詩など、数限り無い素晴らしい知識……それを教授して貰う、そう考えただけでわくわくします」
「うむ! まだまだお前達は未熟だが……師の教えをしっかり理解している褒美に、私の持つ知識の一端を授けよう」
これは予想外の展開である。
課題をクリアしただけではない。
北の神々に仕えた戦乙女から教えを受ける事が出来るのだ。
オレリー、マノン、ジョゼフィーヌ、そしてリーリャは大きく息を吐き、
アルヴィトルの言葉を待つのであった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
しばし、アルヴィトルは眼を閉じていた。
考え事をしているようだ。
やがて眼を開いたアルヴィトルは、淡々と告げる。
「ふむ……オレリーが欲した望みを叶える北の魔法は存在する。災厄で傷ついた人々を助け、救う魔法がな」
「は、はい!」
「しかし、お前達未熟なひな鳥には習得は到底無理だ」
オレリー達にとっては、想定内の言葉である。
未知の魔法がそうたやすく見につくわけがない。
でも、オレリーは望みを捨てない。
不屈の精神が、オレリーの真骨頂だ。
「は、はい! でもいつかは必ず習得してみせます」
「ふむ。よく聞く言葉だ」
「いえ、頑張ります!」
「オレリーよ、言うは易く行うは難しだ。何故無理かと言えば、その魔法は北の大神が行使した、神の魔法だからだ」
「北の大神がお使いになった……神の魔法」
「そうだ。北の大神が使った18の魔法。その中のふたつなのだ」
「北の大神が使った18の魔法……」
オレリーはアルヴィトルの言葉を繰り返すと……
「ぜ、ぜひ学びたい! アルヴィトル様! 18の魔法を全て教えてくださいっ!」
そう大きく叫んでいた。
しかし……ルウがストップをかけた。
「オレリー、そろそろ交代だな」
「え? 交代?」
「残念だが、さすがにタイムリミットだ。お前達4名はしっかり俺の出した課題をクリアしたからな。他の受講生が待っている」
「え?」
見やればルウの視線は、オレリー達の背後を見ていた。
恐る恐るオレリーは振り返り、マノン、ジョゼフィーヌ、リーリャも倣った。
すると……
これから課題に挑む受講生達が「待ちくたびれた!」というようなジト目で、
じっと4名を見ていたのである。
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