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第1,251話 「専門科目授業再び⑦」

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 いにしえの戦乙女アルヴィトルから時間切れを告げられた瞬間!

 オレリーの心に聞き覚えのある声が響いた。


 魔法による念話ではない、オレリーの心に刻まれた記憶の声……

 そうルウの声だ。


 確か、専門科目の体験授業中に告げられた。

 召喚魔法……の真髄とは? という話であった。

 オレリーは、今まで持っていた召喚魔法の常識を完全に覆される事となる……


「召喚魔法とは一体何だ? その問いに答えられる者は少ない。大抵の術者はあまり理解していないんだ」


 ルウはそう言うと、話を続ける。


「……世の殆どの召喚魔法の術者達は大体『使い魔』レベルを使役するに止まっている。身の回りの用事や伝言――いわゆる雑務だな。まあ使い魔クラスでは雑務以上を望むのは厳しいが……」


 使い魔を召喚出来ない術者も多い。

 そして使い魔どまりの術者が殆どである。

 

 しかし何とか、使い魔のジェシカを召喚する事が出来た。

 とりあえず、扉は開けた。

 当時の自分は大いに安堵した……

 という記憶が、オレリーにはある。


 ルウの講義は更に続く。

 

「お前達に改めて、召喚魔法の真髄について説明しよう。アンノウンのように土木など公共的な仕事に加えて自分の身を守る、相手を攻撃するなどの役割が一般的に良く言われるがそれは表面的な事に過ぎない。召喚魔法の真髄……すなわち意義とは召喚した人智を超える存在より様々な知識を得る事にあるんだ」


 召喚魔法とは……単に呼び出した対象を使いこなす事ではない。

 あの時……自分は手を挙げ、すぐに質問した。


「ルウ先生、様々な知識とは?」


「オレリー、俺達人間の寿命の問題だな。せいぜい80年から100年、この僅かな一生に学べる事は限られているし、余りにも少ない。何故そう思うか? 俺達魔法使いは好奇心と探究心の塊だからだ。未知の魔法や不可思議な魔道具、難病も完治させる究極の魔法薬は学びたいと思って当然だろう」


「はい! ぜひ学びたいです」

 

「魔法だけではない。美しい調べの音楽、人の心を打つ詩など数限り無い素晴らしい知識を彼等は所持している。それを教授して貰う、そう考えただけでわくわくするとは思わないか」


 自分はまだ高位の存在を呼び出す事は出来ない。

 アルヴィトルはルウが呼び出した召喚対象だ。


 しかしいずれ自分も高位の対象を呼び出し、未知の魔法を学びたい。

 行使する魔法をレベルアップさせたい。


 大破壊が起こり、殊更思う。

 傷ついた人々の心身を癒し、前向きにする手助けをしたい。

 ルウと慰問に行き、孤児院の子供達を元気にするのを見て……

 持ち続けている教師への夢と共に、大きく膨らんでいたから……


 気持ちは決まった。

 自然にオレリーの口が開き、大きな声を発する。


「アルヴィトル様! 待ってください!」


「駄目だ、オレリー。お前達にタイムリミットだと告げたはずだ」


 しかしオレリーはアルヴィトルの断りを華麗にスルーした。


「貴女の持つ未知の知識を私達へお与えください! 災厄で傷ついた人々を助け、救う魔法の習得を私達は望みます!」


「ほう!」


 命じた言葉を無視し、真剣な表情で身を乗り出し、迫るオレリー。

 

 アルヴィトルは感嘆の言葉を発し、オレリーをじっと見つめたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 感嘆した後、アルヴィトルの口角が少し上がった。

 皮肉めいた笑みを浮かべていた。


「ふふふ、オレリー、まずいのではないのか?」


「……………」


 対して、オレリーは無言だった。

 まずいという意味は充分分かっている。


 アルヴィトルは更に追い打ちをかける。


「ルウの出した課題とやらを、完全に忘れたのか?」


「……………」


 無言のオレリーにルウの言葉がリフレインする。


『まだまだアルヴィトルは不機嫌だ。そこでお前達がいくつかの班に分かれ、彼女が上機嫌になるよう説得して欲しい』


「私は考える時間を与えたはず……」


「……………」


「なのに、お前は私の告げた終了勧告を完全に無視し、あまっさえ、ずうずうしくも望みを述べた。私はルールに従わない者が嫌いだ」


「……………」


 アルヴィトルの話はクロージングへ向かっていた。

 このまま会話継続か、否か……どちらか?


 オレリーの背後に控えたマノン、ジョゼフィーヌ、リーリャも緊張の面持ちだ。

 ここでNOを告げられたら、4名全員が課題をクリア出来ない。

 いわゆる連帯責任という奴だ。


 しかし3名の表情に後悔はない。

 道を切り開いてくれたのがオレリーならば、道がふさがれても仕方がないと達観しているからだ。

 それに無抵抗で、会話が終わるのではない。

 災厄で傷ついた人々を助け、救うという、オレリーの望みは至極真っ当である。


 実は、授業や課題に関係なく、マノンはひとつだけ不満がある。

 災厄で傷ついた人々を助け、救うというオレリーの言葉を聞いて思い出したのである。

 

 この不満は、オレリーが悪いわけではない。

 しかし、マノンは大いにすねていた。

 

 先日行われたイベントに不参加だったからだ。

 いつもつるんでいる枢機卿の孫娘ステファニーが参加したのに、自分と親友ポレットがのけものにされ、ルウと孤児院の慰問に行っていない……


 難儀する人の為に尽力しようと心に決めていたから……

 次回は必ず声をかけるようにと、ルウへ抗議したばかりだった。


 果たして……結論は?


 4名は、アルヴィトルが言葉を告げるのをじっと待ったのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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『迷宮下層へ置き去りにされた底辺冒険者が裏切者へざまあ!銀髪美少女に救われ、成り上がる冒険譚』


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