第1,246話 「専門科目授業再び②」
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ごごごごごごごごごごごごごごごおおおおっ!!!
辺りに、凄まじい地鳴りが響き渡った。
どん!
いきなり突き上げるような衝撃が地を走る。
と同時に、何と!
巨大な漆黒の手が闘技場のフィールドから突き出された。
どぉん!
どぉん!
どぉん!
どぉん!
凄まじい衝撃は次々と走り……
またまた何と!
もうひとつの手、頭、そして手が大地を掴み、ぬぼっという音と共に上半身が。
そして全身が現れたのだ。
やがて……
現れたのは体高が10mを軽く超える大きな人型であった。
顔は無表情である。
細い切れ長の目。
きりりと結んだ動かない口。
全く感情が表われてはいない。
「「「「「ぎゃあああああああああっ!」」」」」
ルウから「大丈夫」だと事前に安全を担保されていても、怖いものは怖い。
授業を受けていた生徒達は思わず、大声で叫んでしまった。
アデライドとフランが動じないのは当然なのであるが、生徒の中で叫んでいないのは、ルウに近しい者ばかり。
オレリー、ジョゼフィーヌ、リーリャ、妻たるこの3人はいくつもの修羅場を潜り抜けているから当然として……
必死に口で手を押さえ、意地でも叫ばないと耐える超負けず嫌いなマノン、
その4人だけなのである。
だが……
ルウは「しまった」と思ったらしい。
すぐに鎮静の魔法をかけた。
それも何と、闘技場全体に……
ルウの魔法はとてつもなく強力である。
効果はすぐに現れた。
生徒達が落ち着いたのを見て、アデライドが駆け寄って来た。
頬が紅潮していた。
だいぶ興奮しているようである。
出現した人型を「びっ」と指さす。
「ねぇ! ルウ、あれが学園へ寄贈してくれる新しい学習教材? この闘技場の備品として、攻撃魔法や弓の標的にするのよね?」
「そうです。今までの標的だとあまりにも味気なさすぎます。術者が20m以内に接近すると安全装置が働き、自動停止する小型のゴーレムです」
「へえ! 小型と言っても体高は楽に10m以上あるじゃない! 結構な迫力だわ! 確か試験や課題の合否判定の為、魔法力測定仕様を施してあるのよね?」
「ですね。今までは視認による判定が多かったですから。これを使えば明確な判定が可能です」
「うう~ん、素晴らしいっ!」
久々に魔法オタクモード全開。
暴走気味のアデライドを見て、フランは呆れ顔である。
「お母様、いえ、理事長、興味津々ですね?」
「あったりまえよ、フラン! アンノウンではなく言霊で可動するゴーレムは失われた魔法技術のひとつだもの! 出現の仕方も凝ってるし、おもしろ~い!」
と、ここでルウが製作者コメント。
アデライドの評価に同意したようだ。
「ええ、理事長の仰る通り、運んで来たり、しれっと現れるのはつまらないですから。あいつが出て来た穴は後で埋め直しますね」
「うんうん! ノープロブレム! ゴーレム出現にあれくらいの演出は必要よ! ねぇねぇルウ、あれは古代遺物ではなく、自作なんでしょ! 後で私にも貸して! いえ、いっそ理事長専用のゴーレムを作ってくれない?」
「もう、気持ちは分かりますけど、せっかくの授業を邪魔しないでくださいな」
「いいじゃない! それくらいっ! フランのケチ!!」
このやりとりで全てが分かった。
突如、闘技場へ現れたのは……
ルウ自作、授業用のゴーレムであった。
また魔法オタクと化したアデライドの乱入により……
製作意図と使用に関しては判明した。
そして……
つい興奮したアデライドであったが……
鎮静の魔法で落ち着いた生徒達から、ジト目の集中砲火を浴びたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
しかし、さすが、百戦錬磨。
生徒達からいくらジト目を浴びせられても、アデライドは全く動じなかった。
逆に生徒達へ、はっぱをかける。
「みんなぁ! 攻撃魔法を遠慮なくガンガン撃ちなさ~いっ!」
ハッキリ言ってやりにくい。
だけど相手が相手……
やりにくい、とは、けして言えない。
一番手はオレリーである。
苦笑しながらも、使い慣れた呼吸法を使い、体内魔力を上げて行く。
今回の実践は……
各自が属性の攻撃魔法の基本型3つ、弾、流、
壁を披露するのだ。
オレリーは水の魔法使いである。
水属性の水弾、水流、そして、水壁を発動させる。
油断は大敵。
だが3つとも、オレリーが使い慣れたといって良い魔法だ。
ひゅ! ひゅ! ひゅ!
どす! どす! どす!
どおおおおっ!!
水弾、水流が連続して放たれ、ゴーレムはよろめき、転倒してしまった。
そして20m以上高い水壁も間を置かず、倒れたゴーレムの前に立ちはだかった。
ルウが持っているのは、ゴーレムと連動した魔導計測器である。
オレリーが出した数値は、合格基準を遥かに超えていた。
それもただクリアしただけではない、オレリーは無詠唱で3つの攻撃魔法を発動したのだ。
「オレリー、合格!」
ルウの声を聞いたマノンが悔しそうに顔をしかめた。
だがマノンはひたすら前向きである。
「やりますわね、オレリーさん。……でも、私は負けません」
歩きながらマノンは既に、呼吸法を始めていた。
徐々に体内魔力が高まって行く……
リセットされて再び所定の位置に配置されたゴーレムを……
マノンは射抜くような鋭い眼光で、真っすぐに見据えたのである。
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⛤『魔法女子学園の助っ人教師』
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一見超ドライですが、本当は優しいルウ、可憐なヒロイン達の新たな魅力をどうぞお楽しみください。
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