表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1245/1391

第1,245話 「専門科目授業再び①」

☆スクウェア・エニックス様の刊行雑誌、月刊「Gファンタジー」12月号が大好評発売中です!

『魔法女子学園の助っ人教師』コミカライズ版最新話が掲載されております。

ぜひ読んでみてください。


東導 号 書籍化作品⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎コミカライズ版《藤本桜先生作画》

スクウェア・エニックス様の雑誌月刊「Gファンタジー」に大好評連載中!

Gファンタジーコミックス

☆第4巻の発売が決まりました!

《2021年1月27日発売予定! 予約受付中!!》何卒宜しくお願い致します。

第1巻~3巻大好評発売中!

※第1巻、第3巻は『重版』


◎小説版《ホビージャパン様HJノベルス刊》

第1巻~7巻大好評発売中。


☆書籍小説版、コミカライズ版ともども、書店様、通販サイト様でぜひお取り寄せください。

何卒宜しくお願い致します。

 ヴァレンタイン王立魔法女子学園屋外闘技場では、

 2年生が受講する専門科目の授業が行われている。


 行われている科目は、魔法攻撃術だ。

 クラスはB組。

 担当教官はルウ、同副担当はフランである。


 ここで念の為、補足しておこう。

 魔法女子学園の専門科目、魔法攻撃術とは……

 世界の根幹を為す地・水・風・火という4種類の属性に基づき、倒す敵を最大限の力で、且つ効率的に攻める上級魔法の習得を目指す授業である。


 王都を襲った大破壊の影響により、専門科目の授業は全てがしばしの間、中断されていた。

 なので、久々の授業となった。

 

 だが、今日はいきなりステップアップとなる。

 これまでに生徒達が習得し、鍛錬して来た攻撃魔法の実践を行うと、事前にルウから告げられていたのだ。

 それゆえ、闘技場の的へ思う存分魔法が撃てると生徒達は張り切っている。

 

 相変わらずルウは基礎訓練を欠かさない。

 基礎中の基礎たる呼吸法をまず10分間行い、ストレッチ、次いでランニングを行う。

 ストレッチで身体の柔軟性を充分高めた上、ランニングでじっくり持久力をつけるのだ。

 基礎訓練の仕上げはルウ自作の魔道具・魔球スフェールを使用したキャッチボール。

 相手に対して、正確に魔球を投げ込む事で、呼吸法によって高まった集中力をキープし、魔力の制御力をもアップさせる効果がある。

 

 これらの反復練習的メニューは嫌というほどやって来た。

 さすがに生徒達も慣れており、戸惑う生徒は皆無だ。

 

 そして当初は習得度により3クラスに分けられた生徒達も、差はあるにせよ、

 ひとつに統合されていた。

 つまり生徒の誰もが、効果効能に差はあれ、なにがしかの攻撃魔法が行使可能という事だ。


 基礎訓練が円滑に行われて終了し……

 ルウの講義が始まる。 

 

「皆、忘れてはいないと思うが復習するぞ」


 ルウが話を切り出すと、受講生徒全員が聞き耳を立てる。


「上級攻撃魔法は大きく分けると3つの基礎型式になる」


 ルウは真剣な表情の生徒達を見て、軽く咳ばらいをすると話を続ける。


「3つの基礎型式とはグランスフルクシオースコプルスだ。これ以外にピュロボルスサギッタなどたくさん、上級系統の型式があるぞ」


「………………」


弾丸グランスは魔力を固く練った物体を高速で飛ばし物理的破壊力を発揮する。フルクシオーは怒涛のように大量の魔力を流し、波状攻撃で一気に敵を殲滅する」


「………………」


スコプルスは頑丈な魔力で相手の周囲を遮蔽しゃへいし、行く手をさえぎったり、身動き出来ないよう閉じ込める」


「………………」


「復習は以上だ。質問は?」


「………………」


 生徒達から質問はなかった。

 ルウの授業に最も入れ込んでいる2年A組のマノン・カルリエさえも、質問をしては来ない。


「ようし皆、心構えは良いか? 事前に伝えている通り、今日は攻撃魔法の実践を行う」


 心構えどころか……

 生徒達は今日の授業を大いに楽しみにしていた。

 ここ最近大破壊の余波で陰鬱とした日々、そして閉塞感が満ちていた。

 攻撃魔法を行使し、スカッとしたいのが本音である。


「但し! 今日狙うのは闘技場のいつもの的ではない」


「「「「「え?」」」」」


 ルウの言葉を聞き、生徒達は久々に戸惑う。


 魔法で狙うのが闘技場の的ではないとすれば……

 一体何を狙えというのだろうか?


 そういえばと、「きょろきょろ」と闘技場内を見て、生徒達は違和感を覚える。


 今更だが気付いた。

 いつも設置されている巨大な標的が一切ない。

 綺麗に片づけられていたからだ。


 ルウは穏やかに微笑み、副担当のフランは面白そうに笑っていた。


 こうなるとマノンは我慢出来ない。

 傍らのオレリーに抗議する。


 マノンはオレリー、ジョゼフィーヌ、リーリャがルウと結婚している事実を知っている。

 身内ならば、事前に授業内容を知らされていると確信したのだ。


「オレリーさん達は、どういう事か、知ってるんでしょ?」


 しかし!

 『名指しされた3人』は首を振る。


「いいえ、今回は秘密だって言われました」と、オレリー。


「当日を楽しみにって言われましたわ」と、ジョゼフィーヌ。


「担当と副担当しか知らないって」


 と、ここでいきなりアデライドが現れた。


 アデライドは手を大きく打ち振っていた。

 魔法オタクのアデライドは、たまっている業務をそっちのけで、

 ルウの授業の『見学』に訪れたのである。


 嬉しそうに手を振るアデライド……

 を見たリーリャが苦笑する。


「ええっと、今回の授業実施にあたり……理事長と教頭の事前の許可は取ったと言ってました」


 3人の妻達も知らない!?

 理事長へ事前の許可も取った!?


 という事は!


 ルウの事だ。

 とんでもない事を考えているに違いない。

 わくわくするようなとんでもない事を!


 マノンの機嫌は即座に直った。

 満面の笑みを浮かべルウを見つめる。


 否、マノンだけではない。

 オレリー、ジョゼフィーヌ、リーリャの3人は勿論、生徒達の視線全てがルウへ注がれていた。


「よし、まずは魔法障壁を張る。魔法物理ともに対応する強力な障壁だ」


 ルウがピンと指を鳴らすと、闘技場の全体が障壁に包まれる。

 攻撃魔法により、闘技場が損傷しない為の予防策であろう。


 アデライドが近付いて来て、ルウとフランの背後に回った。

 目をキラキラさせ、好奇心を完全に全開させていた。

 いつもの威厳ある『舞姫』とは到底思えなかった。


「皆、何が起きても驚くな。危険はない」


「はいっ!」


 ルウがそう言うのなら、絶対に大丈夫。

 生徒達は全員大きく頷いた。

  

「よし! 真理エメト!」


 こちらも頷いたルウが、言霊を詠唱すると……


 ごごごごごごごごごごごごごごごっ!!!


 辺りに、凄まじい地鳴りが響き渡ったのであった。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎小説版第1巻~7巻

(ホビージャパン様HJノベルス)

大好評発売中!


◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

☆第4巻発売決定! 2021年1月27日発売予定! ※予約受付中! 何卒宜しくお願い致します。

第1巻、第3巻重版!

※月刊Gファンタジー大好評連載中《作画;藤本桜先生》

 11月18日発売の月刊Gファンタジー12月号に『最新話』が掲載されております。

一見超ドライですが、本当は優しいルウ、可憐なヒロイン達の新たな魅力をどうぞお楽しみください。


また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。

コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。

WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が好評連載中です。

毎週月曜日更新予定です。

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、連載中である

「帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者」《完結!》

「絶縁した幼馴染! 追放された導き継ぐ者ディーノの不思議な冒険譚」

「辺境へ追放された勇者は、銀髪美少女と新たな国を創る。気が付いたら魔王と呼ばれていた?」

『迷宮下層へ置き去りにされた底辺冒険者が裏切者へざまあ!銀髪美少女に救われ、成り上がる冒険譚』


も何卒宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ