第1,242話 「家庭内勉強会」
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学生が多いブランデル家では、最近、家庭内勉強会がブームである。
勉強会を指導する教師役は充分事足りている。
ルウ、フラン、アドリーヌと魔法女子学園の教師が3人も居る上、
王宮魔法使いとして、長年リーリャを指導したラウラまで居るからだ。
ルウの妻達は真面目である。
遊びは二の次。
夫の影響も受け、ひたすら向学心に燃える妻達は好奇心いっぱい。
但し、けしてオーバーペースにならぬよう、本来学習する教科に支障が出ないよう、己を制御しながら、普段は学ぶ事が出来ない、様々な分野へ手を伸ばしていた。
最近は、アドリーヌが主催する家庭内サークル『占術研究会』が人気である。
元々アドリーヌは教師ではなく、『専業』の占い師になりたかった。
その際、いろいろ調べた結果、名の通った大家以外、専業では食えないという状況であった。
仕方なく同時に学んでいた魔道具研究の知識を活かし、魔法女子学園の教師になったという経緯がある。
しかしルウと邂逅し、結ばれ……
占い師ではなく、教師になって良かったと心の底から思っている。
話を戻そう。
魔法女子学園では、将来の就職先が優先され、専門科目の人気に差が出てしまう。
現在は魔法鑑定士が引く手数多だ。
様々なところで需要があり、給金待遇も抜きんでていた。
なりたい職業のナンバーワンだ。
またルウの受け持つ専門科目『魔道具研究』の授業人気が異常に高く、
対して、占術のクラスは縮小され、担任のフランは渋い表情であった。
しかし占術は元々女子の人気度は高い。
学びたい女子は数多居るはず。
一念発起したアドリーヌが、家庭内で呼びかけたところ……
妻達以外にも参加希望の手が次々と挙がり、教室開設に至ったのである。
そして……
ある土曜日の午後、授業初日を迎えたのである。
場所はブランデル邸内の空き部屋である。
空き部屋と言っても、家具や物は置いてある。
簡単に言えば、第二の書斎というべきサロン的な部屋であり、
家族の誰もが読めるようにいろいろなジャンルの書物が置かれていた。
参加希望者に事前アンケートを取ったところ、圧倒的に占星術の希望が多かった。
アドリーヌの最も得意とする占いであり、渡りに船だ。
「皆様、お忙しいところご参加頂きありがとうございます。では、皆様のご希望が多い占星術から始めたいと思います」
ぱちぱちぱちぱち!
拍手をする生徒達は……7名。
オレリー、ジョゼフィーヌ、リーリャ、アリスというルウの妻達、そしてテオドラの姉ソフィア。
意外?と言ったら失礼だが、ふたりのニンフ、木霊のエレナ、泉精霊のリゼッタの顔もあった。
ちなみにフランは多忙なのと、アドリーヌが変に気を遣わないよう、不参加であった。
「皆さんはご存知でしょうが、占星術とは……端的に言えば、天体を観察し、未来を占う技能です」
「……………」
「私達が住む地上世界は、天上の世界と紐づいているという概念によります」
「……………」
「つまり、私達の人生は天体の現象に大きな影響を受けるという考え方です」
「……………」
「たとえば……太陽の力を無視して生きる事など不可能と言えますよね」
「……………」
「太陽は昼と夜という異なる時間を創り出し、我々の生活を制御していますから」
「……………」
「ちなみに、この天体現象には、流れ星も、そして虹や稲妻も含まれます」
「……………」
「さて! 占星術の判断材料において、重要なのはホロスコープです」
「……………」
「ホロスコープとは、天体の配置図です。占星術にとって重きを置く天体が、どの位置にあったかを記録したものなのです」
「……………」
「このホロスコープにより、占うべき対象の個人が生まれた時の天体の配置を分析。未来を予見するのです」
「……………」
「これもお分かりでしょうが、他の占いと占星術には決定的な違いがあります」
「……………」
「占星術はホロスコープというデータに裏打ちされた学術だという事、毎回結果が違う偶然性に満ちたものではありません」
「……………」
「但し、そのデータをどう解釈するかという占星術師の見解の差が出ます」
「……………」
「さてさて! 占星術の基幹を為すのは7つの星、太陽、月、金星、水星、火星、水星、土星の七惑星です」
「……………」
先日の学園祭の折、ルウの指導で七惑星の護符を作ったオレリー、ジョゼフィーヌ、リーリャがうんうんと頷いた。
3人へ笑顔を向けたアドリーヌは更に話を続ける。
「各惑星の意味は数多あります。全部述べると時間がかかりますので、各自ご確認を」
「……………」
「この場では私アドリーヌの見解を……太陽は自我、主体性を、月は感情と心を、金星は愛と美を、水星は知性と伝達を、火星は情熱と勇気を、木星は拡大と発展を、土星は適応と達成を意味します」
「……………」
『生徒』となった家族達は、熱く語るアドリーヌの授業を熱心に聞いていた。
メモを取る者も多く居た。
アドリーヌは授業をしながら、改めて思う。
やはり占い師の道は諦めきれない。
専業は無理かもしれないけど……
いつか王都にお店を持ちたい。
その為には、私自身、占術をもっともっと勉強しなければ!
教師の仕事は忙しい。
魔法鑑定士としても、もっと上へ行きたい。
妻として、主婦としても頑張りたい。
そんな欲張りな私だけど……
限りあるたった一度の人生じゃない。
大破壊だって乗り越えた。
だから!
やりたい事を思い切りやろう!
けして後悔しないように!
アドリーヌはそう強く決意していたのである。
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⛤『魔法女子学園の助っ人教師』
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一見超ドライですが、本当は優しいルウ、可憐なヒロイン達の新たな魅力をどうぞお楽しみください。
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