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第1,238話 「大破壊⑫」

☆10月17日土曜日に、

スクウェア・エニックス様の刊行雑誌

月刊「Gファンタジー」11月号が発売されました!

『魔法女子学園の助っ人教師』コミカライズ版最新話が掲載されております。

ぜひ読んでみてください。

巻末目次ページには、東導のコメントもありますので何卒宜しくお願い致します。


東導 号 書籍化作品⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎小説版《ホビージャパン様HJノベルス刊》

第1巻~7巻大好評発売中。


◎コミカライズ版《藤本桜先生作画》

スクウェア・エニックス様の雑誌月刊「Gファンタジー」に大好評連載中!

Gファンタジーコミックス

第1巻~3巻大好評発売中!

※第1巻、第3巻は『重版』


☆書籍小説版、コミカライズ版ともども、書店様、通販サイト様でぜひお取り寄せください。

 かああああああああああっ!!


 フランに召喚された火蜥蜴サラマンダー、が凄まじく咆哮した。

 迫り来る邪竜など「全く問題なし」という、完全な上から目線、自信たっぷりの波動を放っていた。


 ごはああっ!!

 と、ここで邪竜の一体が火の息(ブレス)を吐いた。


 邪竜の攻撃は愚の骨頂であった。

 火の息を吐きかけるなど、ダメージを与えるどころか、火蜥蜴を活性化させるだけなのである。


 悪魔ほどではないが、竜は魔族の中でも多少は知性を有する種族である。

 火蜥蜴をひと目見れば、火の攻撃は効かぬと本能的に分かるはずだ。

 常識的に考えて、そんな単純な事も理解出来ないとは、

 いかに動転していたか、分かるというものだ。


 かあああああああああああああああああああっ!!!


 炎を喰らい「力がみなぎった」とでも言いたいのか、火蜥蜴は更に大きく咆哮した。


 そしてお返しとばかりに、更に灼熱の火炎を吐いた。

 火の息を吐いた邪竜が真っ先に焼かれ、あっというまに絶命。

 それどころか、凄まじい高温で死体も残さず炭化、塵となって行く。


 こうなると下手な知性は臆病さを生じる。

 残りの邪竜2体は逃げ腰となった。


 しかし邪竜の移動速度より、活性化した火蜥蜴の速度は数倍速かった。


 回り込み、逃げようとした邪竜2体の退路を断った。

 と同時に容赦なく火炎を吐き散らした。


 かああああああああああっ!!


 火蜥蜴の咆哮と共に、邪竜2体はあっという間に燃え盛る火炎に包まれた。

 先に消滅した邪竜同様、断末魔の悲鳴もあげず、炭化してしまった。


「ふう」


 フランは軽く息を吐くと、アデライドへ向き直る。


「どう、お母様」


「ふっ、やるわね。さすが私の子よ」


「でしょ!」


「と、言いたいところだけど、まだまだね」


「へぇ、何故?」


「もう目いっぱいでしょ?」 


「目いっぱい?」


「ええ、貴女は既に全力を出している。けれど私は全然本気を出していないもの」


「わぁ! よっく言う!」


「うふふふ。それより、フラン。次期校長レースはまだまだ続くわよ。切磋琢磨してケリーと競ってね」


 憎まれ口を言いながら、アデライドは嬉しかった。

 誇らしかった。


 10年前、多感な少女の頃、最愛の想い人を失った愛娘が遂に立ち直ってくれたから。

 否、想定外のイレギュラーな著しい成長を見せてくれたのだ。


「ふむ、今のでヤマは越えたようだ。ルウ様、この場は私が居れば、充分です」


 ふぃっと告げたのはバルバトスである。


「了解、ならば俺はフランとモーラルをブランデルの屋敷へ送った後、残りの邪竜を掃討しよう」


「だ、旦那様! 私も戦う……」


 と言いかけたフランを、アデライドがさえぎる。


「フラン、後はルウに任せて、貴女はジゼル達家族を守りなさい」


「お母様……」


「貴女は校長代理として、立派に学園を守った。改めて家族を守る番じゃない?」


 アデライドの言葉を継いだのはルウである。


「フラン、アデライド母さんの言う通りだ。お前とモーラルをブランデルの屋敷へ送る。ジゼル達を頼む。後は俺と悪魔従士達で充分だ」


「旦那様……」


 ルウはじっとフランを見つめていた。


「もう帰りなさいよ、フラン。ここは私と理事長、下級悪魔一匹で大丈夫」


「何! 下級悪魔一匹だと! 言葉をつつしめ、アールヴ!」


 ルウを後押ししたのは、ケルトゥリである。

 悪口に怒るバルバトスを華麗にスルーし、更に宣戦布告もする。


「理事長の言う通り、次期校長レース……負けないわよ」


 不敵に笑うケルトゥリに対し、フランも同じく笑顔で返したのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 魔法女子学園からブランデル邸へ戻って来たルウ、フラン、モーラルの3人。


「はは、結局はフランのひとり舞台だったな」


「はい、私と旦那様は付き添いでした」


 フランとモーラルが苦笑した。


「そんな事は……」


 はにかむフランであったが、顔を上げると、真剣な表情でルウを見据える。


「私の故郷、王都を守ってください。お願いします、旦那様」


「おう、任せろ。こちらからも頼む。モーラルと共に、この屋敷を……大切な家族を守ってくれ」


「はい、留守は任せてください。モーラルちゃんも居ますから心強いです。火蜥蜴、オルトロスも召喚します」


「よし、ケルベロスは置いて行く。じゃあフラン、モーラル行って来る!」


「行ってらっしゃい!」

「ご武運を!」


 フランとモーラルの声に応え、ルウはにっこり笑うと、

 凄まじい速度で上昇、天空へ消えて行った。


 ……その後、王都を襲った邪竜どもは、ルウと悪魔従士達により殲滅された。

 地上では、王都騎士隊と王国軍も奮戦。

 日頃行って来た訓練の効果も出て、恐れおののきながら市民も何とか対処する事が出来た。


 建物が多く壊され、被害は多少出たのだが……

 こうして、未曽有の災厄、『大破壊』は何とか収束したのであった。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎小説版第1巻~7巻

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☆10月17日発売の月刊Gファンタジー11月号に『最新話』が掲載されております。

一見超ドライですが、本当は優しいルウ、可憐なヒロイン達の新たな魅力をどうぞお楽しみください。


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WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


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毎週月曜日更新予定です。

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◎新作「辺境へ追放された勇者は、銀髪美少女と新たな国を創る。気が付いたら魔王と呼ばれていた?」も何卒宜しくお願い致します。

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