第1,238話 「大破壊⑫」
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かああああああああああっ!!
フランに召喚された火蜥蜴、が凄まじく咆哮した。
迫り来る邪竜など「全く問題なし」という、完全な上から目線、自信たっぷりの波動を放っていた。
ごはああっ!!
と、ここで邪竜の一体が火の息を吐いた。
邪竜の攻撃は愚の骨頂であった。
火の息を吐きかけるなど、ダメージを与えるどころか、火蜥蜴を活性化させるだけなのである。
悪魔ほどではないが、竜は魔族の中でも多少は知性を有する種族である。
火蜥蜴をひと目見れば、火の攻撃は効かぬと本能的に分かるはずだ。
常識的に考えて、そんな単純な事も理解出来ないとは、
いかに動転していたか、分かるというものだ。
かあああああああああああああああああああっ!!!
炎を喰らい「力がみなぎった」とでも言いたいのか、火蜥蜴は更に大きく咆哮した。
そしてお返しとばかりに、更に灼熱の火炎を吐いた。
火の息を吐いた邪竜が真っ先に焼かれ、あっというまに絶命。
それどころか、凄まじい高温で死体も残さず炭化、塵となって行く。
こうなると下手な知性は臆病さを生じる。
残りの邪竜2体は逃げ腰となった。
しかし邪竜の移動速度より、活性化した火蜥蜴の速度は数倍速かった。
回り込み、逃げようとした邪竜2体の退路を断った。
と同時に容赦なく火炎を吐き散らした。
かああああああああああっ!!
火蜥蜴の咆哮と共に、邪竜2体はあっという間に燃え盛る火炎に包まれた。
先に消滅した邪竜同様、断末魔の悲鳴もあげず、炭化してしまった。
「ふう」
フランは軽く息を吐くと、アデライドへ向き直る。
「どう、お母様」
「ふっ、やるわね。さすが私の子よ」
「でしょ!」
「と、言いたいところだけど、まだまだね」
「へぇ、何故?」
「もう目いっぱいでしょ?」
「目いっぱい?」
「ええ、貴女は既に全力を出している。けれど私は全然本気を出していないもの」
「わぁ! よっく言う!」
「うふふふ。それより、フラン。次期校長レースはまだまだ続くわよ。切磋琢磨してケリーと競ってね」
憎まれ口を言いながら、アデライドは嬉しかった。
誇らしかった。
10年前、多感な少女の頃、最愛の想い人を失った愛娘が遂に立ち直ってくれたから。
否、想定外のイレギュラーな著しい成長を見せてくれたのだ。
「ふむ、今のでヤマは越えたようだ。ルウ様、この場は私が居れば、充分です」
ふぃっと告げたのはバルバトスである。
「了解、ならば俺はフランとモーラルをブランデルの屋敷へ送った後、残りの邪竜を掃討しよう」
「だ、旦那様! 私も戦う……」
と言いかけたフランを、アデライドがさえぎる。
「フラン、後はルウに任せて、貴女はジゼル達家族を守りなさい」
「お母様……」
「貴女は校長代理として、立派に学園を守った。改めて家族を守る番じゃない?」
アデライドの言葉を継いだのはルウである。
「フラン、アデライド母さんの言う通りだ。お前とモーラルをブランデルの屋敷へ送る。ジゼル達を頼む。後は俺と悪魔従士達で充分だ」
「旦那様……」
ルウはじっとフランを見つめていた。
「もう帰りなさいよ、フラン。ここは私と理事長、下級悪魔一匹で大丈夫」
「何! 下級悪魔一匹だと! 言葉をつつしめ、アールヴ!」
ルウを後押ししたのは、ケルトゥリである。
悪口に怒るバルバトスを華麗にスルーし、更に宣戦布告もする。
「理事長の言う通り、次期校長レース……負けないわよ」
不敵に笑うケルトゥリに対し、フランも同じく笑顔で返したのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
魔法女子学園からブランデル邸へ戻って来たルウ、フラン、モーラルの3人。
「はは、結局はフランのひとり舞台だったな」
「はい、私と旦那様は付き添いでした」
フランとモーラルが苦笑した。
「そんな事は……」
はにかむフランであったが、顔を上げると、真剣な表情でルウを見据える。
「私の故郷、王都を守ってください。お願いします、旦那様」
「おう、任せろ。こちらからも頼む。モーラルと共に、この屋敷を……大切な家族を守ってくれ」
「はい、留守は任せてください。モーラルちゃんも居ますから心強いです。火蜥蜴、オルトロスも召喚します」
「よし、ケルベロスは置いて行く。じゃあフラン、モーラル行って来る!」
「行ってらっしゃい!」
「ご武運を!」
フランとモーラルの声に応え、ルウはにっこり笑うと、
凄まじい速度で上昇、天空へ消えて行った。
……その後、王都を襲った邪竜どもは、ルウと悪魔従士達により殲滅された。
地上では、王都騎士隊と王国軍も奮戦。
日頃行って来た訓練の効果も出て、恐れおののきながら市民も何とか対処する事が出来た。
建物が多く壊され、被害は多少出たのだが……
こうして、未曽有の災厄、『大破壊』は何とか収束したのであった。
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⛤『魔法女子学園の助っ人教師』
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一見超ドライですが、本当は優しいルウ、可憐なヒロイン達の新たな魅力をどうぞお楽しみください。
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最後に、連載中である
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