第1,237話 「大破壊⑪」
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「フラン!! あ、貴女、どうしたのぉ!?」
現れたフランを見て、アデライドが尋ねたのにはふたつの意味があった。
大破壊がもたらしたラインハルトの死。
永遠の別れ……
幼かったフランの心に大きすぎる影を落とし、その悲しみをぬぐい切れていないはずなのに……
何故、トラウマへしっかり立ち向かう事が出来るのか?
愛娘の自宅――隣家のブランデル邸には大事な家族が居るはずだ。
残されたジゼル達は心細いに違いない。
それなのに!
『長女』として『第一夫人』として、傍に居て守らなくて良いのか?
そのふたつの大きな疑問が、アデライドの心に、戸惑いを生ませたのである。
しかし愛娘の顔は晴れやかだった。
いや、晴れやかというだけではない。
ゆるぎない自信に満ちあふれていたのだ。
「助っ人に参りました」
「す、助っ人ぉ!?」
「お母様」
「な、何? フラン」
「残念なご報告をしなければいけません」
「え? ざ、残念なご報告って? な、何?」
「幸いウチは屋敷家族とも無事なのですが」
「ウチって、あ、ああ、ブランデル家ね! ブランデルの屋敷も家族も無事なのねっ! よ、良かったわ!! で、で、でも! ですがって? あ、もしかして!!」
「はい、そのもしかしてです。残念ながらドゥメールの屋敷は……私が生まれた家は半壊しました」
「えええええっ!? じゃ、じゃあ! ジーモン達はっ!」
「旦那様が魔法で安否を確認しました。全員地下室へ避難していて無事です。大丈夫! 使用人全員けがはありません」
「……………」
ジーモン達は無事!
フランの報告を聞いたアデライドは無言でじっと考え込んでいる。
母の反応に、一瞬戸惑うフランであったが、まだ告げるべき事が残っていた。
再び、報告を続ける。
「今頃はモーラルとレッドが助け出しているはずです。ブランデル邸に残ったジゼル達は同じく地下へ避難し、テオドラ、ウッラ、パウラがしっかりと守っております。とりあえずは以上です」
フランの緊急報告が終わった。
アデライドは軽く息を吐くと、柔らかく微笑む。
そして、少し噛みながらも言葉を発する。
「そ、それは! な、何よりね! 良かったぁ!! 屋敷はどうでも良い!! 本当に良かったわぁ!!」
屋敷はどうでも良い!?
さすがに言い過ぎでは!
そうフランは思った。
母ながら、たしなめようとする。
娘として、言いたい。
はっきりと言いたい。
今は非常時。
だから悲しみに染められ、呆然としてはいられない。
家族を守らねばならない!
命を守らねばならない。
愛する両親との想い出が、いっぱい詰まった屋敷が壊れても、
悲しみをぐっと飲み込み、何とか耐えているのだからと。
「お母様! そ、それは!」
フランの呼びかける声に、責める感情を感じたのだろう。
アデライドは、微笑みながらも、はっきりと首を横へ振る。
「うふふ、フラン! 間違ってない! 間違ってはいないわ! 人の命より重いモノはないの」
「お、お母様!」
「フランが生まれたあの屋敷は、確かに私と夫、貴女の想い出に満ちあふれている」
「……………」
「私と夫が愛を育み、その結晶である貴女が生まれたドゥメールの屋敷は半壊した」
「……………」
「形あるものはいつか壊れる。それがたまたま今日だった」
「……………」
「でもね、フラン。お父様の想い出は、私と貴女の心の中にしっかりとある。永遠に壊れる事なく! ちゃんとあるのよ!」
「……………」
「朗報よ! ジーモン達が助かったのは。そして、ブランデルの家族も全員無事。これが、私アデライドが一番望む結果。何物にも代えられないわ」
きっぱりと言い切ったアデライド。
フランの心のもうひとつの扉が大きく開け放たれた。
「その通りね………ありがとう、お母様」
「フラン……」
「お母様から頂いた言葉で、私は完全に吹っ切れた。新たな一歩を踏み出す事が出来る」
「そうよ、フラン!」
ルウの言う通り、愛娘は強くなった。
もう大丈夫!
アデライドが確信、嬉しくなり、叫んだその時。
大声を出し、アデライドを呼んだのはケルトゥリである。
「理事長!」
「ケリー教頭!」
「見て下さい! また邪竜が! 3体来ます! 迎撃準備を!」
片や、迫り来る邪竜どもを厳しい視線で見据えるのは、フランである。
「お母様! あの3体を全て、私に任せて!」
3体をフランが!?
いくら覚醒したからと言って!?
アデライドはフランを見た後、続けてルウへ視線を走らせる。
「フラン! あ、貴女! ……ルウ!」
あまり無理をさせるなという戒めの感情。
対して、ルウは穏やかに微笑む。
「大丈夫ですよ、アデライド母さん!」
「ルウ……」
「フランは生まれ持った眠れる素質が完全に目覚めました。真に覚醒したのです」
「え! 真に覚醒!?」
「!!!」
ルウの言葉にアデライドも、そしてケルトゥリも驚いた。
すかさず、フランの詠唱が朗々と学園に響き渡る。
「火蜥蜴よ! 大地の血脈にして偉大なる火の精霊よ! 人々に生きる力と恵みを与える神の使いよ! 我が故郷を襲いし邪なる者共を討て! 怒れる炎の力で浄化し、この聖なる大地より奴等を消し去るがよい!」
通常の詠唱より数段早い!
アデライドが驚く中、
フランから決めの言霊が放たれる。
「召喚!」
瞬間!
魔法女子学園の上空に……
いつもより遥かに巨大な火蜥蜴が現れたのである。
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⛤『魔法女子学園の助っ人教師』
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一見超ドライですが、本当は優しいルウ、可憐なヒロイン達の新たな魅力をどうぞお楽しみください。
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最後に、連載中である
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