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第1,237話 「大破壊⑪」

☆10月17日土曜日に、

スクウェア・エニックス様の刊行雑誌

月刊「Gファンタジー」11月号が発売されました!

『魔法女子学園の助っ人教師』コミカライズ版最新話が掲載されております。

ぜひ読んでみてください。

巻末目次ページには、東導のコメントもありますので何卒宜しくお願い致します。


東導 号 書籍化作品⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎小説版《ホビージャパン様HJノベルス刊》

第1巻~7巻大好評発売中。


◎コミカライズ版《藤本桜先生作画》

スクウェア・エニックス様の雑誌月刊「Gファンタジー」に大好評連載中!

Gファンタジーコミックス

第1巻~3巻大好評発売中!

※第1巻、第3巻は『重版』


☆書籍小説版、コミカライズ版ともども、書店様、通販サイト様でぜひお取り寄せください。

「フラン!! あ、貴女、どうしたのぉ!?」


 現れたフランを見て、アデライドが尋ねたのにはふたつの意味があった。


 大破壊がもたらしたラインハルトの死。

 永遠の別れ……

 幼かったフランの心に大きすぎる影を落とし、その悲しみをぬぐい切れていないはずなのに……

 何故、トラウマへしっかり立ち向かう事が出来るのか?


 愛娘の自宅――隣家のブランデル邸には大事な家族が居るはずだ。

 残されたジゼル達は心細いに違いない。

 

 それなのに!

 『長女』として『第一夫人』として、そばに居て守らなくて良いのか?


 そのふたつの大きな疑問が、アデライドの心に、戸惑いを生ませたのである。


 しかし愛娘の顔は晴れやかだった。

 いや、晴れやかというだけではない。

 ゆるぎない自信に満ちあふれていたのだ。


「助っ人に参りました」


「す、助っ人ぉ!?」


「お母様」


「な、何? フラン」


「残念なご報告をしなければいけません」


「え? ざ、残念なご報告って? な、何?」


「幸いウチは屋敷家族とも無事なのですが」


「ウチって、あ、ああ、ブランデル家ね! ブランデルの屋敷も家族も無事なのねっ! よ、良かったわ!! で、で、でも! ですがって? あ、もしかして!!」


「はい、そのもしかしてです。残念ながらドゥメールの屋敷は……私が生まれた家は半壊しました」


「えええええっ!? じゃ、じゃあ! ジーモン達はっ!」


「旦那様が魔法で安否を確認しました。全員地下室へ避難していて無事です。大丈夫! 使用人全員けがはありません」


「……………」


 ジーモン達は無事!


 フランの報告を聞いたアデライドは無言でじっと考え込んでいる。

 

 母の反応に、一瞬戸惑うフランであったが、まだ告げるべき事が残っていた。

 

 再び、報告を続ける。


「今頃はモーラルとレッドが助け出しているはずです。ブランデル邸に残ったジゼル達は同じく地下へ避難し、テオドラ、ウッラ、パウラがしっかりと守っております。とりあえずは以上です」


 フランの緊急報告が終わった。

 アデライドは軽く息を吐くと、柔らかく微笑む。

 

 そして、少し噛みながらも言葉を発する。


「そ、それは! な、何よりね! 良かったぁ!! 屋敷はどうでも良い!! 本当に良かったわぁ!!」


 屋敷はどうでも良い!?

 さすがに言い過ぎでは!


 そうフランは思った。

 母ながら、たしなめようとする。

 娘として、言いたい。

 はっきりと言いたい。

 

 今は非常時。

 だから悲しみに染められ、呆然としてはいられない。

 家族を守らねばならない!

 命を守らねばならない。


 愛する両親との想い出が、いっぱい詰まった屋敷が壊れても、

 悲しみをぐっと飲み込み、何とか耐えているのだからと。


「お母様! そ、それは!」


 フランの呼びかける声に、責める感情を感じたのだろう。

 アデライドは、微笑みながらも、はっきりと首を横へ振る。


「うふふ、フラン! 間違ってない! 間違ってはいないわ! 人の命より重いモノはないの」


「お、お母様!」


「フランが生まれたあの屋敷は、確かに私と夫、貴女の想い出に満ちあふれている」


「……………」


「私と夫が愛を育み、その結晶である貴女が生まれたドゥメールの屋敷は半壊した」


「……………」


「形あるものはいつか壊れる。それがたまたま今日だった」


「……………」


「でもね、フラン。お父様の想い出は、私と貴女の心の中にしっかりとある。永遠に壊れる事なく! ちゃんとあるのよ!」


「……………」


「朗報よ! ジーモン達が助かったのは。そして、ブランデルの家族も全員無事。これが、私アデライドが一番望む結果。何物にも代えられないわ」


 きっぱりと言い切ったアデライド。

 フランの心のもうひとつの扉が大きく開け放たれた。


「その通りね………ありがとう、お母様」


「フラン……」


「お母様から頂いた言葉で、私は完全に吹っ切れた。新たな一歩を踏み出す事が出来る」


「そうよ、フラン!」


 ルウの言う通り、愛娘は強くなった。

 もう大丈夫!

 アデライドが確信、嬉しくなり、叫んだその時。

 

 大声を出し、アデライドを呼んだのはケルトゥリである。


「理事長!」


「ケリー教頭!」


「見て下さい! また邪竜が! 3体来ます! 迎撃準備を!」


 片や、迫り来る邪竜どもを厳しい視線で見据えるのは、フランである。


「お母様! あの3体を全て、私に任せて!」


 3体をフランが!?

 いくら覚醒したからと言って!?


 アデライドはフランを見た後、続けてルウへ視線を走らせる。

 

「フラン! あ、貴女! ……ルウ!」


 あまり無理をさせるなという戒めの感情。

 対して、ルウは穏やかに微笑む。 


「大丈夫ですよ、アデライド母さん!」


「ルウ……」


「フランは生まれ持った眠れる素質が完全に目覚めました。真に覚醒したのです」


「え! 真に覚醒!?」


「!!!」


 ルウの言葉にアデライドも、そしてケルトゥリも驚いた。

 

 すかさず、フランの詠唱が朗々と学園に響き渡る。


火蜥蜴サラマンダーよ! 大地の血脈にして偉大なる火の精霊よ! 人々に生きる力と恵みを与える神の使いよ! 我が故郷を襲いし邪なる者共を討て! 怒れる炎の力で浄化し、この聖なる大地より奴等を消し去るがよい!」


 通常の詠唱より数段早い!

 アデライドが驚く中、

 

 フランから決めの言霊が放たれる。


召喚サモン!」


 瞬間!

 

 魔法女子学園の上空に……

 いつもより遥かに巨大な火蜥蜴サラマンダーが現れたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎小説版第1巻~7巻

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☆10月17日発売の月刊Gファンタジー11月号に『最新話』が掲載されております。

一見超ドライですが、本当は優しいルウ、可憐なヒロイン達の新たな魅力をどうぞお楽しみください。


また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。

コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。

WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


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毎週月曜日更新予定です。

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、連載中である

「帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者」《完結!》

「絶縁した幼馴染! 追放された導き継ぐ者ディーノの不思議な冒険譚」

◎新作「辺境へ追放された勇者は、銀髪美少女と新たな国を創る。気が付いたら魔王と呼ばれていた?」も何卒宜しくお願い致します。

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