第1,236話 「大破壊⑩」
☆10月17日土曜日に、
スクウェア・エニックス様の刊行雑誌
月刊「Gファンタジー」11月号が発売されました!
『魔法女子学園の助っ人教師』コミカライズ版最新話が掲載されております。
ぜひ読んでみてください。
巻末目次ページには、東導のコメントもありますので何卒宜しくお願い致します。
東導 号 書籍化作品⛤『魔法女子学園の助っ人教師』
◎小説版《ホビージャパン様HJノベルス刊》
第1巻~7巻大好評発売中。
◎コミカライズ版《藤本桜先生作画》
スクウェア・エニックス様の雑誌月刊「Gファンタジー」に大好評連載中!
Gファンタジーコミックス
第1巻~3巻大好評発売中!
※第1巻、第3巻は『重版』
☆書籍小説版、コミカライズ版ともども、書店様、通販サイト様でぜひお取り寄せください。
世界の根幹を為す4つの属性、地・水・風・火。
その4つの属性、それぞれを統括する最上級精霊が高貴なる4界王である。
高貴なる4界王のひとり火界王パイモン。
彼の加護により、フランの眠れる力は完全に解放された。
幼い頃から、フランが抱えていた大破壊に対する重いトラウマは、ほぼ払しょくされたのだ。
彼女はラインハルトの非業な死から受けた心の傷を自らふさぎ、見事立ち直ったのである。
フランが召喚した火蜥蜴は、これまで召喚したものより、
ふたまわり以上、巨大な姿をしていた。
そもそも、火蜥蜴は1頭1頭がとても小さな個体である。
しかし、ルウ、そして今フランが召喚した火蜥蜴は規格外。
数万頭余の巨大な集合体だ。
一度に、ここまでの火蜥蜴を呼び出すとは……
魔法を使う者ならはっきりと分かる。
召喚する術者の力が、どれほど凄まじいか、はっきり証明していた。
と、ここで!
いきなり出現した火蜥蜴に気付き、近くに居た一頭の邪竜が反応した。
威嚇の為か、火蜥蜴に対し、不気味な声で咆哮する。
ごはぁぁああああああああああああっ!!!
もしかしたら、この邪竜がドゥメール邸を破壊した邪竜かもしれなかった。
邪竜は不気味な目で周囲を見回し、またも咆哮した。
ごはあああああああああっ!!
「がああああああっ」
対して!
邪竜とは全く違う咆哮がブランデル邸の庭に響いた。
孤軍奮闘!
たった一頭だけでブランデル邸を守っていた魔獣ケルベロスに違いない。
「パイモン!」
フランは、加護を与えてくれた最上級精霊を視界に入れようとした。
しかし、いつの間にかパイモンは消えていた……
もう指示は受けられない!?
「え? ど、どこ? パイモン!」
『導く者』が消え、不安にかられるフランであったが……
「大丈夫だ、フラン」
パイモンの念話の代わりに聞こえたのは、
フランが世界で最も愛する『想い人』の声である。
「だ、旦那様!」
「フラン、いつもと同じだ。大きかろうと小さかろうと、火蜥蜴は召喚したお前に従う。先ほど詠唱した言霊の中に、意思はしっかり反映されている。火蜥蜴はお前の気持ちが分かっている」
「火蜥蜴に!? 私の気持ちが!」
「ああ、後は同志として邪竜を倒す指示を伝えるだけ、さあ心に思いを込めて念じるんだ」
「は、はい!」
愛するルウの声を聞き、励ましの言葉を聞いてフランは再び魔力が漲って来る。
前向きな気力も戻って来た。
『火蜥蜴よ! 我が愛する故郷を理不尽に蹂躙する邪な竜を討て!』
フランが心で強く念じると!
火蜥蜴はすかさず反応した。
巨大な火の竜と化した火蜥蜴は、
口と思しき箇所から灼熱の激しい炎を吐いた。
ぎゃああああああああああああ~~!!
現れた火蜥蜴の力を舐めていたのか……
まともに炎を浴びた邪竜は、断末魔の悲鳴を発したかと思うと、
一瞬にして消し炭と化してしまう。
こうしてブランデル邸は、否!
ブランデルの家族全員はフランによって守られたのだ。
遂に自分が成し遂げた『夢』……
はっきりと実感し、フランは嬉しさのあまり思わず叫んだ。
「わ、私が!……家族を守った! 守ったのね!!!」
「そうさ! フラン、良くやったぞ」
もう完全にトラウマなどない!
ルウがフランを称えると、それまで黙って見守っていたモーラルが、
「フラン姉、王都にまだまだ邪竜は居ます。まずは3人で魔法女子学園へ!」
「ええ、モーラルちゃん! お母様が心配です。すぐに学園へ行きましょう!」
モーラルの檄に応えたフランは、
晴れやかな表情で大きく頷いたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
その頃……
魔法女子学園
アデライドとケルトゥリは、本校舎の陰に身を寄せ、
迫り来る邪竜どもを相手に奮闘していた。
傍らに控えていた悪魔従士バルバトスはおもむろに矢をつがえた。
高位の攻撃魔法を連発しながら、ケルトゥリがバルバトスをにらんだ。
そして叫ぶ。
「はあ、あんた! 何考えてるの! そんな矢、たった一本で、何が出来るっての! 相手は竜なのよ!!」
「……黙っておれ、アールヴ。貴様がカラスのようにぎゃあぎゃあ騒ぐと、我が高潔なる魂が乱れる」
「なに~!」
バルバトスの一方的な物言いに、憤るケルトゥリ。
アデライドがなだめ、口を指にあてる。
「ケリー、黙って見ていましょ」
「理事長!」
そんなやりとりを尻目に、バルバトスは弓をどんどん引いて行く
「我が愛弓アルクス、弓の王たる偉大なる存在をしかと認識せよ!」
一瞬の沈黙。
「はあっ!」
ひゅおおううううっ!!
バルバトス裂ぱくの気合とともに放たれた一本の矢は、
5体ほど居る邪竜の群れへ、凄まじい速度で一直線に突き進んだ。
そして邪竜どもの群れへ飛びこんだ瞬間!
ばばばばばばばばばばっ!!
辺りが真っ白に染まった。
同時に邪竜どもの気配が、かき消すように失われた。
やがて
発光は収まり、アデライドとケルトゥリが見やれば……
宙を飛翔する邪竜は全て消えていた。
影も形もない。
「ええええっ? き、き、き、消えた! 竜が!!」
「な、な、何故っ!?」
「肉体ごと魂を破壊する至宝、破邪の矢を使ったのだ」
「ええ? に、肉体ごと魂を破壊する!? は、破邪の矢ぁ!」
「な、な、何それ!」
「今のが最後の一本、説明は以上! それに驚いておる暇はないぞ。新手が来る!」
バルバトスが顎で指した方角を見やれば、彼の言う通り、
10体ほどの邪竜の群れが迫って来ていた。
「むむ、これだけ倒してまだ居るの? 魔力が持つかしら」
「理事長! わ、私もそんなに余裕は!」
「大丈夫だ、すぐにルウ様がいらっしゃる」
「え? ルウが」
「ほんと?」
アデライドとケルトゥリが声を発したその時。
ルウ、フラン、モーラルの3人が学園のキャンパスに現れた。
ブランデル邸より、ルウが転移魔法を行使したのである。
「えええええっ!? ど、ど、ど、どうして!? フ、フランがぁ! フラ~~ン!!!」
ブランデル邸の地下室へ、避難したとばかりに思っていたフランの姿。
それが何故、この『戦場』に!?
戸惑いながら、アデライドは大声で愛娘の名を呼んだのである。
いつもご愛読頂きありがとうございます。
※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。
宜しければ、下方にあるブックマーク及び、
☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。
東導号の各作品を宜しくお願い致します。
⛤『魔法女子学園の助っ人教師』
◎小説版第1巻~7巻
(ホビージャパン様HJノベルス)
大好評発売中!
◎コミカライズ版コミックス
(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)
☆最新刊『第3巻』大好評発売中!!
第1巻、第3巻重版!
※月刊Gファンタジー大好評連載中《作画;藤本桜先生》
☆10月17日発売の月刊Gファンタジー11月号に『最新話』が掲載されております。
一見超ドライですが、本当は優しいルウ、可憐なヒロイン達の新たな魅力をどうぞお楽しみください。
また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。
コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。
WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。
マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が好評連載中です。
毎週月曜日更新予定です。
お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。
最後に、連載中である
「帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者」《完結!》
「絶縁した幼馴染! 追放された導き継ぐ者ディーノの不思議な冒険譚」
◎新作「辺境へ追放された勇者は、銀髪美少女と新たな国を創る。気が付いたら魔王と呼ばれていた?」も何卒宜しくお願い致します。




