第1,226話 「学園祭㊱」
長編となった『学園祭』パートもこの36話で終了。
次回から新パートになります。
さあ、対抗戦の顛末はいかに?
お楽しみくださいませ。
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ここはヴァレンタイン王国王都セントヘレナ……
王立魔王女子学園屋外闘技場……
魔法学園対抗戦を見守っていた観客は、ほぼ例外なく気を失っていた。
アデライドは勿論、フランもブランデル家の家族達も、生徒達も……
……そのアデライドを遠くから呼ぶ声が聞こえる。
この声は……
はっきりと聞き覚えがある。
「……母さん、アデライド母さん」
「はっ!? ルウ! モーラルちゃんも!」
目覚めたアデライドの前には……
やはりルウが立っていた。
そして傍らにはモーラルが……
ふたりは深き次元の底……
謎めいた異界で悪魔ネビロスを倒した後、この現世へ戻っていたのである。
「大丈夫ですか? ……全ては終わりましたよ」
「全てが終わった!? ルウ! こ、これは……一体?」
アデライドは思わず立ち上がり、辺りを見回した。
自分が居る場所は変わっていなかった。
対抗戦の会場、屋外闘技場のVIP席である。
しかし周囲の様子は違っていた。
観客のほぼ全て99,9%以上が気を失っていたのだ。
ルウとモーラル、アデライド以外観客席で意識があった者は殆ど居なかった。
ブランデルの家族さえも……
「ルウ! こ、これは!」
アデライドは再び、同じ言葉を繰り返した。
ここでルウが簡潔に説明する。
「フィールドに、ユルリッシュが召喚した使い魔が、悪しき魔獣ブラッドドッグに変化、魔獣の姿を見た観客がパニックに陥ったんです」
「え? パニックに!?」
「はい、転倒したり、折り重なって怪我をしたらまずいから、俺が魔法で対処したのです」
更にモーラルが補足する。
「アデライド母様、ルウ様は……旦那様は4つの魔法を同時に発動しました」
「え? よ、4つ? な、何それ!!」
「はい、身体強化、鎮静、睡眠、そして忘却です。……フラン姉達家族も、母様と同じ効果が生じました。だから全員無事ですよ」
「な!? …………」
4つの魔法を同時発動!?
ルウの『規格外』に慣れているアデライドとはいえ、さすがに言葉が出なかった。
再び、ルウが言葉を継ぐ。
「母さんも邪悪な波動を感じていたでしょう? 魔法男子学園理事長アルバンは魂を囚われ、生徒会長ユルリッシュの魂には悪魔の本体が隠れ、操っていました」
「………」
「俺達は奴らの動きをつかみ、行動を予測していました」
「…………」
「奴らが仕掛けた時に、こちらも攻勢に出ました。両名に巣食っていた悪魔を追い出し、操っていた悪魔も倒し、完全に消滅させましたから、もう大丈夫です」
「…………」
「応急ですが、ふたりの傷ついた魂の修復も済ませましたし、少しケアすれば元通りになりますよ」
「…………」
アデライドは……完全に気圧されていた。
魔法使いとしてのスケールが違い過ぎるのだ。
ふと、魔法の指南を直接受ける、フラン達ルウの妻が羨ましいとも思う。
だが、自分を母と呼んでくれるルウを見て、考えを改めた。
思い切って言ってみよう、そう決めた。
生徒にして欲しいと……
そんなアデライドの思いは、ルウの声で破られた。
「母さん、悪魔を退ける事が出来たのは、オレリーを始め、皆が頑張ってくれたおかげです」
「え? オレリーが」
「ほら、フィールドに居ます」
ルウが指さすと、オレリーが大きく手を振っていた。
ミンミとテオドラも一緒だ。
3人は仲睦まじく寄り添っていた。
まるで……実の姉妹のように……
「オレリーは完全に覚醒しました」
「え? オレリーが? か、覚醒……」
「はい! 《英雄を癒す者》《邪気を払う清流の乙女》として、水界王アリトンの加護を受けた水の使徒として目覚めたのです。しかし、まだまだ発展途上、オレリーはもっと凄い魔法使いになりますよ」
「す、凄い! 凄いわ!」
「はは、でも俺もそう、モーラルも、フラン達もそう! 当然、アデライド母さんもまだまだ発展途上ですよ。魔法は勿論、お持ちの魔眼にもまだまだ磨きがかけられます」
ルウは……
アデライドの気持ちを見抜いていた。
年齢を重ねてもいくつになっても関係ない!
ひたむきな向上心と努力が限界を突破し、その先へ導いてくれるのだ。
「ルウ……貴方……」
「母さん! 今度、一緒に訓練しましょう! 行使したい魔法の種類、ご希望仰ってください! スケジュールも……合わせますよ!」
「あ、ありがとう! ぜひ! お願いしたいわ!」
「了解です! そして、ちょっと、終了時間がのびますが、学園祭は今年も無事終わります」
「学園祭が無事に……終わる」
「はい、忘却の魔法が効いていますから、誰も違和感を覚えません……30分後に改めて仕切り直しで、オレリーとユルリッシュの使い魔勝負を行います。アルバンさんも普通に観戦出来るはずです。……終わったら両理事長が握手して頂ければ……完璧です」
ルウはそう言うと、片目をつぶった。
応急とは言ったが……
アルバンとユルリッシュのケアは心身とも済んでいるに違いない。
それも、完璧に近い形で……
「オレリーとユルリッシュの使い魔勝負を……その後、私がアルバンと握手。ふふ、それで完璧! よ~く分かったわっ!!」
「です!」
どうやらルウの言う通り、「全てが無事終わった」ようだ。
「ありがとう、ルウ! 本当にありがとう!!」
アデライドは改めて、心の底から感謝し、
ルウへ礼を伝えていたのだった。
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