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第1,226話 「学園祭㊱」

長編となった『学園祭』パートもこの36話で終了。

次回から新パートになります。

さあ、対抗戦の顛末はいかに?

お楽しみくださいませ。 


9月18日は、

月刊Gファンタジー10月号の発売日です!

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』◎コミカライズ版

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 ここはヴァレンタイン王国王都セントヘレナ……

 王立魔王女子学園屋外闘技場……

 

 魔法学園対抗戦を見守っていた観客は、ほぼ例外なく気を失っていた。


 アデライドは勿論、フランもブランデル家の家族達も、生徒達も……

 

 ……そのアデライドを遠くから呼ぶ声が聞こえる。

 この声は……

 はっきりと聞き覚えがある。


「……母さん、アデライド母さん」


「はっ!? ルウ! モーラルちゃんも!」


 目覚めたアデライドの前には……

 やはりルウが立っていた。

 そして傍らにはモーラルが……

 

 ふたりは深き次元の底……

 謎めいた異界で悪魔ネビロスを倒した後、この現世へ戻っていたのである。 


「大丈夫ですか? ……全ては終わりましたよ」


「全てが終わった!? ルウ! こ、これは……一体?」


 アデライドは思わず立ち上がり、辺りを見回した。

 自分が居る場所は変わっていなかった。

 対抗戦の会場、屋外闘技場のVIP席である。


 しかし周囲の様子は違っていた。

 観客のほぼ全て99,9%以上が気を失っていたのだ。

 ルウとモーラル、アデライド以外観客席で意識があった者は殆ど居なかった。

 ブランデルの家族さえも……


「ルウ! こ、これは!」


 アデライドは再び、同じ言葉を繰り返した。

 ここでルウが簡潔に説明する。


「フィールドに、ユルリッシュが召喚した使い魔が、悪しき魔獣ブラッドドッグに変化、魔獣の姿を見た観客がパニックに陥ったんです」


「え? パニックに!?」


「はい、転倒したり、折り重なって怪我をしたらまずいから、俺が魔法で対処したのです」


 更にモーラルが補足する。


「アデライド母様、ルウ様は……旦那様は4つの魔法を同時に発動しました」


「え? よ、4つ? な、何それ!!」


「はい、身体強化、鎮静、睡眠、そして忘却です。……フラン姉達家族も、母様と同じ効果が生じました。だから全員無事ですよ」


「な!? …………」


 4つの魔法を同時発動!?

 ルウの『規格外』に慣れているアデライドとはいえ、さすがに言葉が出なかった。


 再び、ルウが言葉を継ぐ。


「母さんも邪悪な波動を感じていたでしょう? 魔法男子学園理事長アルバンは魂を囚われ、生徒会長ユルリッシュの魂には悪魔の本体が隠れ、操っていました」


「………」


「俺達は奴らの動きをつかみ、行動を予測していました」


「…………」


「奴らが仕掛けた時に、こちらも攻勢に出ました。両名に巣食っていた悪魔を追い出し、操っていた悪魔も倒し、完全に消滅させましたから、もう大丈夫です」


「…………」


「応急ですが、ふたりの傷ついた魂の修復も済ませましたし、少しケアすれば元通りになりますよ」


「…………」


 アデライドは……完全に気圧されていた。

 魔法使いとしてのスケールが違い過ぎるのだ。

 ふと、魔法の指南を直接受ける、フラン達ルウの妻が羨ましいとも思う。


 だが、自分を母と呼んでくれるルウを見て、考えを改めた。

 思い切って言ってみよう、そう決めた。

 生徒にして欲しいと……


 そんなアデライドの思いは、ルウの声で破られた。


「母さん、悪魔を退ける事が出来たのは、オレリーを始め、皆が頑張ってくれたおかげです」


「え? オレリーが」


「ほら、フィールドに居ます」


 ルウが指さすと、オレリーが大きく手を振っていた。

 ミンミとテオドラも一緒だ。


 3人は仲睦まじく寄り添っていた。

 まるで……実の姉妹のように……


「オレリーは完全に覚醒しました」


「え? オレリーが? か、覚醒……」


「はい! 《英雄を癒す者》《邪気を払う清流の乙女》として、水界王アリトンの加護を受けた水の使徒として目覚めたのです。しかし、まだまだ発展途上、オレリーはもっと凄い魔法使いになりますよ」


「す、凄い! 凄いわ!」


「はは、でも俺もそう、モーラルも、フラン達もそう! 当然、アデライド母さんもまだまだ発展途上ですよ。魔法は勿論、お持ちの魔眼にもまだまだ磨きがかけられます」


 ルウは……

 アデライドの気持ちを見抜いていた。

 年齢を重ねてもいくつになっても関係ない!

 ひたむきな向上心と努力が限界を突破し、その先へ導いてくれるのだ。


「ルウ……貴方……」


「母さん! 今度、一緒に訓練しましょう! 行使したい魔法の種類、ご希望仰ってください! スケジュールも……合わせますよ!」


「あ、ありがとう! ぜひ! お願いしたいわ!」


「了解です! そして、ちょっと、終了時間がのびますが、学園祭は今年も無事終わります」


「学園祭が無事に……終わる」


「はい、忘却の魔法が効いていますから、誰も違和感を覚えません……30分後に改めて仕切り直しで、オレリーとユルリッシュの使い魔勝負を行います。アルバンさんも普通に観戦出来るはずです。……終わったら両理事長が握手して頂ければ……完璧です」


 ルウはそう言うと、片目をつぶった。

 応急とは言ったが……

 アルバンとユルリッシュのケアは心身とも済んでいるに違いない。

 それも、完璧に近い形で……


「オレリーとユルリッシュの使い魔勝負を……その後、私がアルバンと握手。ふふ、それで完璧! よ~く分かったわっ!!」


「です!」


 どうやらルウの言う通り、「全てが無事終わった」ようだ。


「ありがとう、ルウ! 本当にありがとう!!」


 アデライドは改めて、心の底から感謝し、

 ルウへ礼を伝えていたのだった。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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東導号の各作品を宜しくお願い致します。


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