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第1,223話 「学園祭㉝」

⛤特報! 『重版』決定!!


『魔法女子学園の助っ人教師』

◎コミカライズ版コミックス

《スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス》

☆最新刊『第3巻』大好評発売中!


皆様のご愛読と応援により

コミックス第3巻の『重版』が決定致しました!

ありがとうございます。

書店様で、ぜひお手にお取りください。

※宜しければ小説版《ホビージャパン様HJノベルス刊》第1巻~7巻もあわせてお読み下さい。

「ちい~っ!」


 おぞましき魔獣ブラッドドッグの出現により……

 恐怖から大混乱に陥った観客席だったが、状況は一変した。


 ルウの魔法発動により、パニックに陥った観客達が脱力し、気を失い……

 一瞬のうちに静まり返ったのを見て聞いて、

 ユルリッシュは悔しそうに舌打ちをし、観客席を見た。

 彼の視線の先には倒れ伏したアルバン、そしてユルリッシュを見据えるミンミが居る。


「畜生! アルバンの奴、油断してしくじりおった! あんなアールヴ如きに! してやられおって!


 それと……憎きルウ。ブランデルめ!

 この闘技場全体に、それも観客だけ、1度に4つもの魔法をかけおった!

 小癪こしゃくな奴だ!

 さすが悪魔元帥ネビロス様を、てこずらせるだけの事はある!


 しかあし!


 奴の妻であるオレリーが死ねば!

 少しは我等の溜飲りゅういんが下がるというものっ!


 さあ!

 我が眷属ブラッドドッグよ!


 オレリーをかみ殺せっ!

 引きちぎって! 肉片にし、喰い散らしてやれいっ!」


 ユルリッシュの肉体は、魂は完全に乗っ取られていた。


 うがあああああああああっ~~っ!!!


 『ユルリッシュの魂を乗っ取った者』の命を受け、

 ブラッドドッグは「心得た!」とばかりに、おぞましく咆哮した。


「行けぃっ!!」


 殺戮さつりくの指令が下った。


 同時にブラッドドッグは猛ダッシュ!

 オレリーへ向かってみるみる距離を詰めて行く。


 と、そこへ、弾丸のように駆け込んだ白い影。

 オレリーの使い魔『ジェシカ』である。


 丁度、オレリーとブラッドドッグの間に割って入った形となる。


 ブラッドドッグは、ジェシカら5mほどの距離で止まると、


 がううううううっ!


 鋭い犬歯をむき出して、ジェシカを激しく威嚇する。


 しかしジェシカも負けてはいない。

 低く唸りながら、牛ほどもあるブラッドドッグに全く臆してはいない。


 体格が違い過ぎる二体は、一歩も引かずにらみ合う。

 しかし、隙ありと見たのか、いきなりブラッドドッグが飛びかかった。

 ジェシカの急所、首筋を狙い、牙を突き立てようとする。


 対して、ジェシカは素早く飛びずさり攻撃を避けた。

 カウンターを狙ってか、身体をブラッドドッグの横腹にぶつける。


 しかし体格の差はいかんともしがたい。

 ブラッドドッグの巨体は微動だにしない。

 逆に、またも首筋を狙おうと攻撃する。


 再びブラッドドッグが跳んだ。

 信じられぬほどの敏捷さだった。


 今度は……

 ぎりぎりのところで避けきれなかった。


 かすり傷ではあった。

 だがジェシカは、ブラッドドッグの牙により攻撃を受けてしまう。


 !!


 ジェシカは悲鳴をあげない。

 痛みに耐え、懸命に反撃しようとする。

 主オレリーを守る為に。


『ジェシカ!! 退いてっ! 戻ってっ!』


 今こそ、今こそ!

 水界王アリトンから授かった力を使う時。

 モーラルからレッスンして貰った使徒の技を使う時。


 オレリーは言霊を詠唱する。

 かつてモーラルが、シンディ・ライアンの息子ジョナサンを救った魔法だ。


『我が主の名において助力を要請する。水の王アリトンよ、嘆きの川(コキュートス)の凍れる水にて我が敵を討て!』


 オレリーの魔力が高まって行く。 

 空気が震える。


 言霊を唱え終わると巨大な氷柱が突如、空中に現れた。

 異界から呼び出されたあらゆるものを貫きなぎ倒す氷の氷柱である。


氷柱槍アイシコルスピア! 回転ロール!!』


 氷柱は唸りをあげ、激しく回転しながらブラッドドッグへ向かった。

 入れ替わりに、ジェシカが反転し、オレリーの下へ撤退する。


『よし!』


 オレリーは拳を「ぎゅっ!」と握った。

 思い通りに氷柱を呼び出し、ブラッドドッグへ向けて放つ事が出来た。


 ブラッドドッグをけん制し、ジェシカへ撤退のタイミングを与える事が出来た。

 後は上手く当たりさえすれば、いかに巨体を誇るブラッドドッグでも、氷柱は相当のダメージを与えるはずである。


 しかし!

 ブラッドドッグは、あざ笑うように「ひょい」と氷柱をかわしてしまう。


『まだまだぁ!』


 オレリーは再び魔力を氷柱に放った。

 一旦避けられた氷柱を、ブラッドドッグに追尾させるべく意思を魔力に込め、

 強く強く命じたのである。


 しかし追尾の指示は上手く行かなかった。


 氷柱は制御を失い、闘技場のフィールドへ虚しく落下したのである。

 観客席へ落ちなかったのは幸いかもしれないが……


 ブラッドドッグは落下した氷柱を見て、バカにしたように「ふん」と鼻を鳴らした。


 そして、ユルリッシュも高笑いする。


「はははははははは! どこを狙っておる! ろくに制御出来んのか! アリトンから授かりし、水の力も所詮は付け焼刃! 未熟者! 完全に修行不足だぁ!」 

 

 しかし、


「うふふふふ、修行不足は貴方もよ!」


 笑い声と共に、華奢な腕からのびた小さな手が、無防備なユルリッシュの背中へ当てられた。

 手を当てたのは、テオドラであった。


「オレリー奥様はまだまだ発展途上! しかし愚かな貴方は、ここで終わり! とりあえず機能停止ね!」


 間を置かず、テオドラは自身へ備わった能力、『魔力吸収』を行使した。


 結果、ユルリッシュからは魔力の殆どが抜かれ、

 活動機能を失った肉体は、その場に崩れ落ちたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

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一見超ドライですが、本当は優しいルウ、可憐なヒロイン達の新たな魅力をどうぞお楽しみください。


また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。

コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。

WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が好評連載中です。

毎週月曜日更新予定です。

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、連載中である

「帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者」

「絶縁した幼馴染! 追放された導き継ぐ者ディーノの不思議な冒険譚」

新作「初恋の幼馴染と死に別れた俺は、辺境小国の王子に転生! 戦い、開拓、恋愛と、信長スキルで何でもござれ!」


も宜しくお願い致します。

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