第1,221話 「学園祭㉛」
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『魔法女子学園の助っ人教師』
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やがて……午後4時となった。
『お待ちかねの時間』が訪れた。
いよいよ……
毎年恒例となった魔法男子学園との対抗戦が開始される。
今年の会場も、魔法女子学園の広大な屋外闘技場だ。
既に両学園の生徒達、そして関係者で埋め尽くされており、
5千人定員の観客席は、立ち見も出るほどの盛況だった。
両魔法学園の代表選手――つまり術者が腕を存分にふるうのは、緑のターフにて。
ターフの両端に円形の直径が10m、高さ3mほどの舞台が配置される。
この舞台上から、術者は魔法を発動するのだ。
今回は属性攻防魔法の優劣を競う、いつもの競技ルールではない。
魔法男子学園側のたっての希望により、『召喚魔法行使の優劣』で勝負を競うと、
ルールが大きく変更されていた。
勝利条件は、術者が舞台上から使い魔を呼び出し、様々な指示を与え、
正確かつ迅速にクリアさせる事である。
やがて……
闘技場のそれぞれの入り口から、両魔法学園の代表選手が登場する。
魔法女子学園は……
生徒会長のオレリー・ボウ
魔法男子学園は……
学園理事長アルバン・ボーヴォワールの甥で、
同じく生徒会長のユルリッシュ・ビガールである。
ふたりは舞台に上がり、まずは観客へ優雅に礼をした。
歓声が沸き上がり、ますますボルテージはヒートアップして行く。
次にふたりは、お互いに礼をした。
数百メートルほど離れている為、お互いの表情は分からない。
しかしオレリーは邪な波動が送られて来る事を感じる。
ユルリッシュが冷たく笑っているのが感じ取れるのだ。
続いてふたりは規定の持ち時間を使い、ウォーミングアップへ入る。
使い慣れた呼吸法を使い、体内魔力を上げ、精神の集中をはかるのだ。
やがてウォーミングアップの時間が終了した。
すかさず場内放送で試合開始がカウントダウンされる。
カウントされる度に、場内の緊張が高まって行く……
5、4、3、2、1、スタート!!
カウントダウン終了!
遂に!
遂に試合が開始された。
日頃の、そして特別訓練の賜物。
オレリーは、無詠唱で瞬時にジェシカを呼び出した。
注意深き者が良く見やれば……
ジェシカの身体が淡く光っているのが認識出来る。
そう、ジェシカは心技体全てにおいてビルドアップしているのだ。
最初の課題は、中央に置かれた布製のボールを正確に迅速に、
主の下へ持ち帰る事。
一方、ユルリッシュも使い魔を呼び出した。
魔法陣が出現し、犬の使い魔が現れる。
しかし……
現れたのは、パッと見、普通の犬である。
巷で噂に上がっていた赤銅色の巨犬ではない。
『油断するな、オレリー』
どこから見ているのか、姿はない。
だがルウの声が念話で、オレリーの心にはっきりと響いた。
『はい!』
相手に惑わされず、あくまでも自分のペースでベストを尽くす。
それがルウから教授されたオレリーのスタンスである。
ちなみに、念話を行使しているので、
傍からは、無詠唱で使い魔を動かしているようにしか見えない。
『ジェシカ! 走れ!』
『わう!』
対するジェシカも声は発さず、心の意思で応えて来る。
ひと声発したと同時に、ジェシカは駆けた。
著しくビルドアップされた移動速度は、普通の使い魔の3倍はあるだろう。
あっという間にボールに到達、
素早く咥えて、オレリーの下へ走り、戻って来た。
だが……
対戦相手のユルリッシュは、微動だにしない。
使い魔も座ったままで動いてはいない。
これで、第一回目の勝負はついた。
オレリーの圧勝である。
というか、ユルリッシュは戦いを放棄、不戦敗となってしまった。
魔法男子学園の生徒達、関係者から一斉にブーイングが起こった。
しかし、ユルリッシュは動じていない。
平然としていた。
ヤジも全く気にはしていなかった。
観客席の魔法男子学園理事長アルバン・ボーヴォワールも全く同じ。
否、同じどころか薄ら笑いを浮かべていた。
ユルリッシュの口元が僅かに動いた。
やはり……こんなモノか……
ちょっとは速いが……
所詮、普通の使い魔だ……
「にっ」と笑ったユルリッシュは身体に悪寒が走る不気味な言霊を唱えだした。
ダズビ、ダザーブ、アッモ、ラス、サャリオシ……
アゼベッダ、サ、キャッラ、ラン、ルアモ、レホウ……
レホウ、レホウ、シャット、レマ、ユナ、カバリダウス……
これは間違いなく禁呪!
オレリーは言霊により引き起こされる不気味な波動しか感じなかったが……
ミンミとマルガには、すぐに言霊の正体が分かった。
これは魔界から悪魔を呼び出すおぞましき言霊であると。
ユルリッシュの言霊が『第二段階』へと移っている。
来たれ!
冥界を支配する者よ!
夜を支配し、昼を嫌う者よ!
魂と血と肉を欲し、闇にうごめく者よ!
人の子に恐怖を与え、絶望の底へ突き落すがよい!
ユルリッシュの禁呪が終了。
悪魔を呼び出す決めの言霊が放たれる!
『召喚!』
『来るわ!』
『来るぞ!』
ミンミとマルガの警告と同時に、ルウの声も再び響く。
『オレリー! 予想通りだ! スタンバイ!』
『はいっ!』
オレリーの体内魔力が、あっという間に上がって行く。
鋭く見据える彼女の視線の先には、
ユルリッシュが召喚した、変わりゆく犬の姿がはっきりと、捉えられていたのである。
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