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第1,217話 「学園祭㉗」

⛤特報! 『重版』決定!!


『魔法女子学園の助っ人教師』

◎コミカライズ版コミックス

《スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス》

☆最新刊『第3巻』大好評発売中!


皆様のご愛読と応援により

コミックス第3巻の『重版』が決定致しました!

ありがとうございます。

書店様で、ぜひお手にお取りください。

※宜しければ小説版《ホビージャパン様HJノベルス刊》第1巻~7巻もあわせてお読み下さい。

『アリトン、どうだい? 水の長たる貴女の目から見て、この子は加護を与えるに値するかな? 俺から見たら文句なしだが』


『ほほほほほ! ルウよ、わらわも異論はない! 若輩で未熟ゆえ、まだまだ修養は必要じゃ。だが、モーラルと同じく、我が力を与えようぞ!』


 アリトンはルウに同意し、高らかに笑うと……

 意外にも人懐こそうな笑顔を、オレリーに対して向けた。


 えええええっ!?

 認めて貰っただけでも嬉しいのに……

 

 この私が?

 畏れ多くも、アリトン様のご加護を受ける!?


 先ほどから……

 オレリーは驚愕きょうがくが止まらない。


 本格的に覚醒し始めた《英雄を癒す者》《邪気を払う清流の乙女》として……

 ルウからは自信を持つように言われても……

 ほんの僅かだが実際に自信を持っても……

 

 実際、目の前に在る水の王アリトン自らお墨付きを貰うと、

 「自分みたいな小娘が」と謙遜し、凄く違和感を覚えてしまうのだ。


 と、その時。

 厳かなアリトンの声が、オレリーの心に響く。

 先ほどまでルウと話していた時の気安さは、すっかり消えており、

 さすがにオレリーは緊張する。


『オレリー・ブランデル! 流麗たる我が水の一族、その端を担う者よ!』


『は、はいっ!』


『妾を前にし、臆する事はない! 礼を守り、堂々と振る舞うが良い! お前は高貴なる水の者として、生まれるべくして生まれた! そして遂に目覚めたのだ!』


『はいっ!』


『夫ルウの言う通り、自信を持ち、目の前に開かれる道をひたむきに進めば良い!』


 まるで、オレリーの心中を見抜いたようなアリトンの言葉。

 心が震える。

 後押しされる。

 だから、大きくオレリーも返事をする。


『はい! 仰せの通りに!』


『うむ! オレリー、良いか! 水の王たる妾の姿を! お前の双眼から肉体へ、そして魂へ、しかと刻み込めっ!』


『はいっ!』


『今後、お前が更なる力を望むなら、発動の際、妾の名を呼ぶがよい』


『はいっ!』


『水を統べる妾の名が力となり、お前の後押しをするであろう!』


『アリトン様! 御意っ!!』


『宜しい! オレリーよ、己を信じろ! 自信を持つのだ!』 


 ぴいいいいいいいいいいいいいいいいんん!!!


 異音が鳴り響き……

 周囲が眩い白光に包まれた。


 眩しくて、思わずオレリーは目を閉じた。

 身体が更に……軽くなって行く。


 どこからともなく、声が聞こえて来る……

 聞き覚えがある。

 オレリーの最も好きな、大好きな声だ。


『オレリー……』


『だ、旦那様!』


『大丈夫か?』


『は、はい! だ、大丈夫ですっ!』


『上手く行ったようだ……アリトンはお前を認め、加護を与えてくれ、既に去った……目をゆっくりと開けてみるがいい』


『わ、分かりました!』


 オレリーはルウに言われた通り、ゆっくりと目を開けた。


 やはり……

 アリトンは、目の前から消えていた。


 しかし……

 オレリーの心には、はっきりと……

 アリトンの励ましの言葉が刻まれ、たおやかな姿が焼き付いていたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 今……

 オレリーは、草原にモーラルと並んで座っていた。


 とりあえず今日の訓練は終わりとルウは告げ、

 所用があるから、一旦外す、後ほどふたりを迎えに来ると言い残し、

姿を消している。


 姉妹同然である事は勿論、水の魔法使い同士、そしてアリトンの使徒同士……

 お互いに忌憚なく話せば良い……という意味だろう。

 それがルウの深謀遠慮だと、オレリーは気付いていた。


 「つらつら」と考え込むオレリーを見て、モーラルは優しく微笑む。

 

 普段モーラルは、アリスやウッラ、テオドラ達ほどオレリーと話さない。


 しかし、貧しい暮らしを撥ね返したオレリーを、

 逆境を糧として歩んで来た者同士として認めており、とても親近感を持っていた。


 だから今回の事も、素直に祝う事が出来る。


『おめでとう、オレリー。これで貴女も私と同じくアリトン様の使徒ね』


『そ、そんな! モーラル姉! わ、私が! し、使徒なんて、畏れ多いです』


『駄目よ、オレリー。アリトン様から頂いたお言葉を忘れたの?』


『…………』


『貴女はけして驕り高ぶらず、常に謙遜する。それは美徳なの。いわば能ある鷹は爪を隠す……よ。でも過剰な謙遜は、却って嫌味になるわ』


 モーラルの言う通りだと、オレリーは思う。


『は、はい……モーラル姉に同意します』


『ならば! 堂々と穏やかに振る舞いなさい! 貴女にはその資格がある!』


『了解ですっ!』


『貴女は魔法女子学園の代表として、勝負に臨む……大丈夫、貴女なら勝てる。旦那様が、私が、家族が、そして仲間がついている』


 モーラルの言葉が、オレリーの心に染みて行く……

 同じ、水の使徒として素直に受け入れられるのだ。


『はい! 心強いです』


『旦那様や私を始め、全員が貴女の味方よ。奴らの情報も着々と集まってる。臆せず勇気を持ち、従士ジェシカと力を合わせ、邪なる者どもを退けるのよ』


『わ、分かりましたっ!』


『という事で、まじめな話はこれでお終い……』


『え?』


『うふふ……お互い、苦労したけど……よくここまで良くやって来たと思わない?』


『そ、そうですねっ! 今ある幸せは頑張った、自分へのご褒美だと思ってます』


『そうね……頑張ったご褒美。だけどね……』


『だけど?』


『幸運の女神はとてもきまぐれ……単に頑張るだけで幸運はつかめない……』


『頑張るだけでは……幸運はつかめない』


『ええ、そうよ。女神が手を差し伸べてくれた時に、積極的に彼女の手をしっかりつかまないと、幸せにはなれないわ』


『成る程……』


『私もオレリーも、しっかり女神の手を握った。だから今日があり、明日が来る、輝かしい未来があるのよ』


『大いに! 激しく同意しますっ!』


 最後は元気いっぱいに、大きく頷いたオレリー。

 勝利の予感が、はっきり確信に変わるのをしっかり感じたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


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WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


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毎週月曜日更新予定です。

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、連載中である

「帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者」

「絶縁した幼馴染! 追放された導き継ぐ者ディーノの不思議な冒険譚」

新作「初恋の幼馴染と死に別れた俺は、辺境小国の王子に転生! 戦い、開拓、恋愛と、信長スキルで何でもござれ!」


も宜しくお願い致します。

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