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第1,216話 「学園祭㉖」

⛤特報! 『重版』決定!!


『魔法女子学園の助っ人教師』

◎コミカライズ版コミックス

《スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス》

☆最新刊『第3巻』大好評発売中!


皆様のご愛読と応援により

コミックス第3巻の『重版』が決定致しました!

ありがとうございます。

書店様で、ぜひお手にお取りください。

※宜しければ小説版《ホビージャパン様HJノベルス刊》第1巻~7巻もあわせてお読み下さい。

『ふうう……旦那様、心の準備が出来ました。アリトン様をお呼びください』


 他愛のないモーラルとのやりとりで……

 いくぶん余裕が出たオレリーは、ようやく平静さを取り戻し、ルウへ告げた。


 リラックスしたオレリーを見て、笑顔で頷いたルウは、

 神速の呼吸法を使い、あっという間に魔力を高めて行く。


 精霊の頂点、高貴なる4界王のひとり……水界王アリトン。

 水属性の長たる彼女を召喚するのは、大きな意味がある。


 アリトンの眷属たる『水の精霊ウンディーネ』『水の妖精グウレイグ』に祝福された、

 『英雄を癒す者』『邪気を払う清流の乙女』として……

 覚醒を開始したオレリーの能力を、更に更に高め、完全に開花させる為である。


『我は《高貴なる4界王》の偉大な力を欲する者なり! ――気高く、清冽せいれつな水の王アリトンよ、我が前に姿を現し、その偉大なる力を与えよ!』 


 朗々とした張りのあるルウの声。

 独特の言霊ことだまがオレリー、モーラルの心に響いた。


 一瞬の溜め……の後、

 ルウの口から更に『決めの言霊』が放たれる。

 アリトンを異界から呼び出そうとする強い意思が込められていた。


召喚サモン!』


 びしびしびしっ!


 ルウの言霊が終わったと同時に、乾いた異音が鳴り響いた。


 ぱきいいいいいいいいいん!


 先ほどとは違う異音が鳴り響き、何も無い空間が割れて行く……

 

 やがて……割れた空間の中からは、たおやかな美しい女性がひとり姿を現す。

 

 現れた女性は、ルウへ微笑みかけた。

 続いてモーラルへも……


『ほう! 久々にわらわを呼んだか』


 絶対にそんな事は口が裂けても言えない。

 

 だが、オレリー達の、目の前で宙に浮いているのは……

 少々『権高な雰囲気』のある、色白で細身の女性である。

 

 銀色の地に青い模様を配した、独特のドレスを着込む女性は悪戯っぽく笑っていた。

 彼女が、高貴なる4界王のひとり水界王アリトンである。


 精霊は概して気難しいという。

 頂点に位置する者は尚更である。

 水界王アリトンは、空気界王オリエンスと並び、折り合うのが難しい相手だ。

 ルウだけではなく、使徒たるモーラルを参加させたのは、アリトンに機嫌よく対応して貰うため、

 つまり円滑にオレリーへ加護を与える為、ルウが考えた事なのである。


 ルウとモーラルへは親し気な態度をとるアリトンではあった。


 だが……

 初めて対峙するオレリーはさすがに緊張している。

 

 無理もない。

 水の魔法使いである彼女にとっては、

 あるじに等しい存在であるからだから。

 

 改めて説明しよう。

 

 水界王アリトンとは、世界の根幹を為す高貴なる4界王のひとりである。

 あらゆる水の変遷を管理する存在であり、精霊ウンディーネや水の妖精達、

 水の力を源とする者、全ての支配者である。

 

『ほほ、久しぶりじゃのう、ルウ! おお! そこに居るのは以前、加護を与えし、我が使徒モーラルか』


『はい! アリトン様!』


『モーラルよ、以前お前と会うた時には、魔法により、似ても似つかぬ南の妖精(ニンフ)に扮していたのう……』


 アリトンが指摘したのは……

 以前ルウとモーラルがアリトンを呼び出した時の状況についてである。


 あの時は……

 南の大神の妻たる女神を出し抜く為、モーラルはルウの魔法により、

 エーコーのエレナに擬態していた。 


 当然、モーラルは潔く肯定、はっきりと大きく返事をする。


『はい! アリトン様の仰る通りです!』


『ふふ、何やらワケアリと思い、素知らぬふりをし、敢えて詮索はしなかったが……』


『あはは、恐れ入ります。アリトン様。お分かりになりましたか!』


『馬鹿者! あれくらいの変身、分からいでか! まあ……妾とオリエンスが去った後、いろいろあったようだが、解決したようで、何よりじゃ!』


 いろいろ解決した……

 アリトンは、還ってから、その後の推移を見守っていたに違いない。


 長き時に亘り、亜空間に幽閉されていたエレナは、想い人ナルキッソスには、

 遂に再会する事は叶わなかった。


 だがエレナは……妖精の国アヴァロンへ行く選択をせず……

 ナーイアスのリゼッタとも邂逅。

 全てのしがらみから解放され、今やルウ達と王都セントヘレナにて、

 日々幸せに暮らしている。


『はい! 全てがアリトン様のご加護の賜物です』


『ふむ、その心がけ、よしとしよう』


 笑顔いっぱいなモーラルの言葉に頷いたアリトン、

 次にルウへ向き直る。


『して、ルウよ、こたびは何用じゃ?』


『アリトン、モーラル同様、我が妻オレリーへも加護を与えては貰えないか?』


『ほう、オレリーとな! その者は、あの時にも居た小娘じゃな!』


 何と!

 アリトンは機嫌がいいだけではなかった。

 オレリーを憶えていた。

 否、はっきりと認識していたのだ。


『うむ! オレリーよ、お前は水の魔法使いとして、大きく成長したようじゃ!』


 えええっ!?

 わ、私が!?

 お、大きく成長したっ!?


 何と!

 何と!!


 憶えられていただけではなく、アリトンに実力まで認められた!


 嬉しい!

 嬉しい!

 凄く嬉しいっ!!!

 

 ルウに褒められた時とはまた違う、突き抜けるような歓びが、オレリーの心身を満たした。


『アリトン、どうだい? 貴女の目から見て、加護を与えるに値するかな? 俺から見たら文句なしだが』


『ははははは! ルウよ、妾も異論はない! まだまだ修養は必要じゃが、モーラルと同じく、我が力を与えようぞ!』


 アリトンは高らかに笑うと……

 意外にも人懐こそうな笑顔を、オレリーに対して向けたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


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毎週月曜日更新予定です。

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


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も宜しくお願い致します。

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