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第1,214話 「学園祭㉔」

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 気が付けば……

 

 オレリーの手が、身体が……

 否、それらだけではなく……

 頭のてっぺんから、つま先まで……

 全身が、まばゆく発光していた。


『こ、この光は何!? わ、私が光っている!? ど、ど、ど、どうして!』


 自分の身体に起こった大いなる異変に驚くオレリー。

 と、その時。

 彼女の心にルウの声が響いた。


『オレリー、落ち着け。ノープロブレム、心配するな、それはお前の魂が発する破邪の光だ』


『旦那様!! は、破邪の光ぃ? わ、私の魂からあ!?』


『ああ、破邪の光だ。言葉通り、闇に棲み、邪なる者が敗れ去る、聖なる光さ』


『せ、聖なる光って……わ、私……そんな大それたものを……全然実力もないのに……』


『いや、間違いなく実力はある。オレリーの秘めた素質に裏打ちされた確かな実力がな』


『…………』


謙遜けんそんしなくても良い。俺は知っている。家族も知っている。魔法女子学園の教師達も、級友も、先輩も後輩も……誰もが認めているんだ』


『誰もが……認めている……』


『ああ、誰もがオレリーの才能をはっきりと認めている! お前は地道にずっと努力して来た。様々な魔法の発動も、この破邪の光も……一朝一夕で身につけたものではない。たゆまぬ努力の賜物なのさ』


『でも……私……少し頑張っただけなのに……』


『大丈夫、自信を持て! ……それとオレリー、自分の足元を見てごらん』


『は、は、はい、旦那様!』


 ルウに言われた通り、オレリーはそ~っと足元を見た。


 すると!!


 先ほど召喚魔法を発動し、使い魔ジェシカが異界から召喚される際に現れたモノと、

 ほぼ同じような魔法陣が表れていた。


 しかし召喚魔法の魔法陣より遥かに大きい。

 足元に在るのは、直径10m以上ある巨大な魔法陣だ。


『ええっ、これは? もしかして……ま、魔法陣?』


『ああ、お前と共に在る魔法陣だ。今後お前が魔法を発動すれば自動的に現れる』


『じ、自動的って……』


『驚く事はない、オレリーが覚醒しつつある証のひとつさ。それは召喚対象を呼び出すのではなく、術者……お前自身を守る魔法陣なんだ』


『私を守る魔法陣……ジェシカを呼び出すのではなく』


『ああ、そうだ。改めて魔法陣の文様を良く見てくれ。召喚魔法発動の際、現れるモノとは若干違うだろう』


 ルウに言われ、オレリーは現われた魔法陣を見た。

 念入りに注意深く……

 比較すると……多少記憶が曖昧だが、

 召喚魔法の魔法陣とはどこかが違っているような気がする。


『は、はい! この魔法陣は、召喚魔法の魔法陣と比べ、描かれている図形が少し違うと思います』


『良く気が付いたな、オレリー』


『はい! でもうろおぼえなんで……反省しないと……改めて勉強します!』


 オレリーは本当に真面目である。

 真面目という言葉をそのまま人間にしたような女子である。


 そんなオレリーの性格をルウは良く理解している。


『良い心がけだ、オレリー』


『ありがとうございます。旦那様……私、もっともっと頑張ります!』


『よっし、じゃあもう少し補足説明しよう。召喚魔法の魔法陣……つまり俺達の存在する現世から異界への出入り口として現れる魔法陣は、召喚対象の制御力を増す為、円内に三角陣が表れている』


『円内に、三角陣ですか? 旦那様!』


『おう! その名も魔三角陣という図形だ』


『魔三角陣……確かに!』


 ルウに言われ、オレリーの記憶がよみがえる。

 「もやもや」がすっきりして、晴れやかな気分となった。


『今オレリーの足元に現れたのは、その魔三角陣がない、防御魔法の奥義とも言える完全なる魔法陣だ』


『完全なる魔法陣……』


『防御魔法を学ぶ者なら誰しもが憧れる、この魔法陣の出現は、《邪気を払う清流の乙女》として、お前が覚醒し始めた証でもあるのさ』


『私が覚醒し始めた?』


『ああ、その陣内に居れば、お前の身体から発する破邪の光と共に、お前を強力に守りながら、癒してもくれる素晴らしい魔法陣だ』


『ま、守りながら癒すって?』


『うん、論より証拠。オレリー、心身の状態はどうだ? 体調は? 体内魔力は?』


『し、心身の状態ですか? ……ええっと、身体の方は今までより、もの凄く軽いです! それと体内魔力も……ええっ!? びっくり!!!』

 

『ははっ、驚いただろう? ジェシカとの訓練で、多少消費したはずだが……どうだい?』


『だ、旦那様!! ま、ま、満タンです!! ま、ま、魔力が!! み、みなぎってます!!!』


 《邪気を払う清流の乙女》として目覚め始めたオレリー……

 彼女の驚愕する大きな声が、異界エデンには連続して響いていたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 翌日放課後、魔法女子学園生徒会室……


 授業終了後の今日も、生徒会メンバーは大忙しである。

 相変わらず、全員気合が入っており、速攻で学園祭の事務作業を終え、

 今は何をしているかといえば……


 昨日受けた『七惑星の護符魔法』授業の復習である。

 まずは最初に教わった土星の護符製作を完璧に習得したい。

 その一念で燃えていた。


 今日もメンバーの中で、一番張り切っているのはマノン……

 ではなく、やはりオレリーである。


 やはり昨夜、《邪気を払う清流の乙女》として目覚めた自信が大きいに違いない。

 更にルウからは、「まだお前には隠された大きな伸びしろがある」と、太鼓判を押して貰った。


 果たして、隠された大きな伸びしろとは……

 オレリーの胸は高鳴り、わくわくする気持ちが止まらない。


 今夜はモーラルも参加し、一緒に訓練を行うともルウは告げた。

 果たして……

 一体、何が起こるのだろう。


 ルウとふたりきりのマンツーマン授業ではなくなるが、

 オレリーに不満は一切なかった。


 と、ここで……ルウがノックをし、了解を得てから生徒会室へ入って来た。

 予定より少しだけ遅れている。

 いつもの事ながら、山積した事務作業を処理していたらしい。


 生徒達はいろいろな仕事を任された、ルウの多忙さを理解している。

 なので、遅刻を責める者は皆無だ。


「おう! 悪い! 5分遅刻だな。すぐに授業を始めるぞ。今日は木星と太陽の護符を製作してみよう」


「「「「「「はいっ!」」」」」」


 ルウの発した授業開始の言葉を聞き、オレリー達は歓びに目を輝かせ、

 元気良く返事をしたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


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も宜しくお願い致します。

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