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第1,213話 「学園祭㉓」

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※6月29日付けの活動報告に『書影公開』『発売記念フェア開催のお知らせ』等、

『魔法女子』のコミックス第3巻の情報をまとめて掲載しましたので、宜しければご覧くださいませ。

 魔法女子学園生徒会室にて、ルウによる『七惑星の護符魔法』の特別授業が実施された日の夜……


 楽園エデンを模した異界では、2回目となるオレリーの召喚魔法訓練が行われていた。


 改めて……

 使い魔ジェシカの適性と思われる呼吸法を使い、オレリーは基本訓練を行った。


 そんなケアきめ細やかなあるじに対して、ジェシカはやる気満々。

 モチベーションは万全。

 

 「きびきび」した動きを見れば、体調も良好そうで、

コンディションは最高という感がある。


 やっぱり、旦那様のアドバイスに従って良かった!

 オレリーは心の底からそう思う。


『ジェシカ!』


 使い魔の俊敏な動きを見て、オレリーはつい名を呼びたくなる。

 愛おしさが止まらない。


 何と!

 ジェシカの走行速度、敏捷さが共に著しく増していたのだ。


 ルウもジェシカの能力アップを認めている。


『うん、良い感じだ、ジェシカの体力は勿論、筋力、瞬発力、持久力、耐久力、調整力がぐんぐん上昇しているぞ』


『わあ、全てに凄いですね! ジェシカ、素敵!!』


『ああ、凄いな。呼吸法のみでなく、オレリーの持つ力が、ジェシカへ大きな影響を与えてもいる。早速、土星護符の良い効果が出たようだ』


『ほ、本当ですか!』


『ああ、良い感じだ』


 ルウの言葉がリフレインする。


「所持する術者の隠された能力を引き出し、数倍にもする効果がある」


 オレリーは昼間の授業で製作したばかりの土星の護符を握りしめる。

 彼女は悪く言えば、知りたがり屋。

 不明な部分はすぐに質問する。


『ええっと、旦那様、体力や筋力等は分かるのですが……調整力って、何ですか?』


『ああ、調整力というのは運動目的に合わせて身体の動きを調節する能力だ。平衡性へいきんせい巧緻性こうちせい敏捷性びんしょうせい、柔軟性等をいう。他の力同様、行動体力の範疇はんちゅうになる』


『何となく分かりますけど……調整力に関して、具体的に教えて頂いて宜しいですか?』


『了解! 平衡性とはある一定の姿勢を保つ為の力さ。いわばバランス感覚。魔法発動の際の精神均衡にも通じる』


『成る程! では巧緻性とは?』


『手先や指先を上手く使う力だ。ずばり器用さの事だな』


『うふふ、敏捷性は素早さ、身体のキレ、柔軟性は身体の柔らかさ……ですよねっ?』


『ああ、少し補足すると、敏捷性には刺激への反応力も含まれる。また柔軟性は身体だけではなく、対応力も含まれるんだ』


『だ、旦那様、もう少し説明を! 敏捷性における刺激への反応力、そして柔軟性の対応力に関しても! お願いします!』


『ああ、俺の私見だが、刺激とはいわばストレス。反応力とは、いたずらに刺激にとらわれず、冷静に適切な反応が出来るか、どうかを問われる力。また対応力とは、ズバリ機転だ』


『機転?』


『ああ、柔軟性とは身体だけではなく、精神の部分も含まれる。もし何かイレギュラーな事が起こっても、文字通り、柔軟な対応が出来るかどうかだな』


『な、成る程!』


『臨機応変にという言葉が言い得て妙だ。もしくはアドリブがきくと言い換えても良い』


『ありがとうございます! 良く分かりましたぁ!』


『はは! じゃあ、納得したところで、ジェシカの訓練を続けよう』


『はい!』


『おおっと、俺とお前が話し込んだから、ジェシカが待ちくたびれているようだぞ』


『は、はいっ! ええっと、……ごめんね、ジェシカ!』


「わう!」


 オレリーが謝ると……

 ジェシカは『ノープロブレム』とばかりに、元気良く吠えたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 今夜もジェシカの訓練は基礎のみである。

 しかし、使い魔の訓練は基礎のみだが、主たる術者の訓練がワンステップ進む。


 最高の結果を出したジェシカを異界へ帰還させた後……

 ルウとオレリーはともに草原に座っていた。


 まだ授業は終わりではないと、オレリーは感じる。

 むしろ、これからが本番だと。


 そんなオレリーの予感を裏付けるように、ルウが言う。


『いよいよ、オレリーの隠された能力を引き出す訓練をしよう』


『え? 私の隠された能力?』


『ああ、昨日も俺は告げた。オレリーは水の精霊ウンディーネと水の妖精グウレイグ両方の祝福を受けた者だ。《英雄を癒す者》であり、《邪気を払う清流の乙女》なんだよ』


『はい、旦那様は、そう仰いました』


『オレリーは、これまでにいろいろ魔法を学んだと思うが……特に回復と防御の魔法が得意だよな』


『はい! 得意というか好きなんです。人を癒す事が大好きなんです!』


『うむ! まさに英雄を癒す者……つまり好きこそものの上手なれだ。それならオレリーのもうひとつのふたつ名を言ってごらん』


『は、はい……』


『臆する事はない。自分がそうなのだと確信を込めて、堂々と宣言するんだ』


 ルウからそう言われ、オレリーの内なる声がささやいて来る。

 目覚めよ! 自覚せよ! ……と。


『はい!』


 返事をしたオレリーは、覚悟を決め、大きく息を吸い込んだ。


『わ、私は! 《邪気を払う清流の乙女》ですっ!』


 瞬間、オレリーの心にある扉がゆっくりと開いて行く。


 いつの間にか……

 オレリーは目を閉じている。


 扉が……完全に開いた。


 同時に、突き抜けるような解放感が、オレリーを包んでいた。 


 やがて……

 オレリーはゆっくりと目を開けた。 


『あ!?』


 自分の手がぼうっと光っていた。

 信じられない光景だった。


 オレリーの手が、身体が……

 否、頭のてっぺんから、つま先まで……

 全身が、まばゆく発光していたのである。

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※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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