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第1,209話 「学園祭⑲」

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

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 魔法使いは好奇心のかたまりである。

 未知の領域へ踏み込む第一歩にこそ、最上の喜びを感じるのだ。


 しかしルウは……

 いつもと違い、必要以上に入れ込むオレリーをクールダウンさせるが如く、


『と言っても、次に行う課題も基本に帰るという表現が妥当かもしれない』


『え? 旦那様、基本に帰るって? 応用へ移行しないのですか?』


『ああ、そうだ。オレリー、魔法女子学園で受けた最初の授業を思い出してごらん』


『はいっ!』


 元気良く返事を戻したオレリーは、

 入学してすぐ受けた、最初の授業の記憶を手繰った。

 地道な基礎の積み重ねが、円滑な魔法発動、そして新たな応用の要となると。


 ルウが魔法女子学園へ赴任して、誰もが呼吸法の重要性を再認識し、

 一からやり直したのは記憶に新しい。


 発動する魔法に適性が、得手不得手があるうように、呼吸法もまた然り。

 個々に最も適した呼吸法が全てにつながる。


 呼吸法から、精神の集中、均衡の維持、そして体内魔力の上昇、

 魔法式の言霊を詠唱し、そして発動する……


 そんなオレリーの心を見抜いたかのようにルウが告げる。


『ようし! 過去の記憶を手繰り、再認識したようだな』


『はい! 旦那様』


『俺達は、基礎を踏まえた精神の修養、修養に伴う体内魔力の上昇、上昇した充分な魔力を使い、円滑な詠唱による魔法の発動、そして新たな魔法へと進む……ジェシカも同じなんだ』


『え? 使い魔のジェシカも……私と全く同じなのですか?』


『ああ、全てとは言わないが、殆ど同じさ。召喚した魔族に呼吸は不要な者も居る、だが、ジェシカは呼吸をする使い魔だ』


『成る程、確かに呼吸する……使い魔ですよね?』


 ルウの言う通り、精神体が実体化したジェシカではあるが、

 オレリーの手には、ジェシカの息がかかり、温かい体温が伝わって来る。


 そしてルウは「しれっ」と、だが直球を投げ込んだ。


『ああ、そしてオレリー、お前にもまだ未知の能力が眠っている』


『ええっつ!? わ、私に未知の能力がっ!?』


『うん! お前は水の精霊ウンディーネと水の妖精グウレイグ両方の祝福を受けた者だ。《英雄を癒す者》であり、《邪気を払う清流の乙女》なんだよ』


『旦那様……私……』


 オレリーは控えめな性格であり『大仰なふたつ名』で呼ばれる事を嫌がる。


 しかし……

 一体、己が何者で何を為すべきなのか……

 以前水の異界で覚醒したように、

 今回の勝負で、真の覚醒への糸口をつかめるとも、ルウは考えていたのだ。


『オレリー』


『はい』


『お前が持つ能力を最大限に活かし、眠っているジェシカの能力も目覚めさせよう』


『ジェシカの能力を……』


『ああ、怖れる事はない。お前は、俺も含め、数多あまたの人々へ癒しを与える尊き存在なのだから……大いに自信を持ち、堂々とジェシカを導くんだ』


 ルウの優しい、だが熱い言葉はオレリーを力付け、背を押したようだ。


『……分かりました!』


 自信を持ち、晴れやかな表情で頷くオレリーは、

 魔法使いとして成長への階段を、確実にまた一歩上った。

『という事で、召喚魔法の基礎は終了だが、更に魔法そのものの基礎修練を行うぞ』


 ルウに言われ、オレリーにはピンと来た。


『うふふ、というと! 最初は呼吸法ですよね?』


『その通り! 以前、お前が自分に最適な呼吸法を見つけた時の事を思い出してくれ』


『はい! あの時は旦那様がい~っぱい、呼吸法の種類を教えてくれましたっ!』


 懐かしい春期講習の記憶がよみがえる。

 1年経っていないのに、ひどく懐かしい。


『それを今度はジェシカへ手解きしてやるんだ』


『ジェシカへ?』


『ああ、彼女もオレリーと同じく、まずは最適な呼吸法を習得すれば、体内魔力が質量ともに改善され、隠された能力を引き出しやすく、且つ有効に使えるようになる』


『納得です。呼吸法は能力覚醒の第一歩って事ですね。……でも手解きって?』


 オレリーが尋ねると、ルウは優しく微笑む。


『ほら、オレリーは将来、教師になりたいと常々《つねづね》言っているだろう?』


『は、はい! 言ってます! 旦那様は勿論! フラン姉、アドリーヌ姉、ジゼル姉やジョゼとも! 一緒に魔法女子学園で教師をやりたいですから!』


『うん! じゃあ、先日まで来ていたフランソワーズ先生ではないが、ジェシカに対する呼吸法の手解きを教育実習だと思い、やってみてくれ』


『ジェシカに対する呼吸法の手解きを? 教育実習だと思うんですか? ああ、成る程っ!』


 フランソワーズが、教師見習いとして、授業を行う様子を思い出し……

 オレリーにはルウの意図がすぐ分かった。


『おお、ピンと来たみたいだな』


『はいっ! はっきりと理解しました! 私が「実習」する事でジェシカが実力をつけ、私も「教える」練習になります。それに双方のモチベーションも上がりますねっ!』


『正解! その通り! 納得したら、早速スタートだ。念話で様々な呼吸法を試す事を、ジェシカへ指示してくれ』


『はい!』


『呼吸法の具体的なやり方など、不明な部分があればどんどん俺に聞いてくれ』


『はいっ! 自分が使っている呼吸法以外はうろ覚えです。だから、とても助かりますっ!』


 こうして……

 オレリーは、かつて自分が学んだように、

 ジェシカへ、基礎中の基礎である呼吸法の手解きを始めたのである。

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※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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