第1,204話 「学園祭⑭」
⛤『魔法女子学園の助っ人教師』
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魔法女子学園学園祭の準備は多岐にわたる。
オレリー達生徒会、すなわち学園祭運営委員会メンバーの実務は、
まだまだ終わらなかった。
あっという間に午後5時30分を過ぎ……
さすがに、この日は一旦解散となった。
ここで……
タイミングを計ったかのように生徒会室の扉がノックされた。
開いた扉の向こう側に居たのは……ルウとテオドラである。
『教師』のルウは『生徒会の顧問』として、生徒会メンバーの作業終了確認は勿論、
『夫』としても妻のオレリー、ジョゼフィーヌ、リーリャを迎えに来たのだ。
そしてテオドラは、ルウと同じく「お出迎え」なのと、
『警備担当の臨時職員』として、明日以降の実地訓練も兼ねて同行したのである。
「お疲れ様、みんな、そろそろ終わりかな?」
「はい! お疲れ様です! ルウ先生の仰る通り、もう実務は終わりですわ」
真っ先に応えたのは、やはりマノンである。
オレリー達妻も心得たもので、敢えて彼女と張り合ったりしない。
微笑んで、マノンに追随する。
「お疲れ様です、ルウ先生」
「「「お疲れ様です!」」」
オレリーに続き、ジョゼフィーヌ、リーリャ、ポレットと続いて、声を発した。
「どうだい、打合せの方は支障ないか?」
ルウが尋ねれば、今度はオレリーが答える。
「はい! ルウ先生。各所からの実施イベントの出展申請を、上級職員会へ提出する為の絞り込みは終わりました」
「提出された企画数が、結構多かったから絞り込みは大変だっただろう」
そうルウが労われば、再びマノンが身を乗り出し、胸を張った。
「全員で頑張りましたから、何とか……それに我が生徒会のイベントも、概要はまとまりました。ルウ先生監修の『七惑星の護符魔法』を確定とし、その上でチャリティーイベントにするつもりです」
「七惑星の護符魔法』……楽しみですわ」
「マノンさんの言う通り、私も楽しみです」
「リーリャも本当に楽しみです」
「私もっ!」
全員が思い知っていた。
魔法女子学園において、ルウの『専門』は魔法攻撃術と上級召喚術である。
しかし、ルウは全ての、否!
未知の魔法まで極めているだろうと。
それほどまでの『師』に巡り会えた幸せを、
オレリー達妻は勿論、マノンとポレットもはっきりと実感していたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
魔法女子学園正門前……
マノンとポレットはそれぞれ、自宅から迎えに来た専用馬車に乗り、
帰って行った。
ふたりとも、ブランデル家の馬車を羨ましそうに見つめていたのは、
未だ叶わぬ恋に悩み、オレリー達を羨んでいるに違いない。
さてさて!
フランが残業で遅れていたので、ルウ達は最後の出発となった。
乗り込むのは、ルウ、フラン、オレリー、ジョゼフィーヌ、
そしてリーリャである。
アドリーヌ、ジゼル、ナディアが先に帰宅しているので、
馬車の車内は余裕があった。
御者はまた交代があり、テオドラの姉ソフィア。
無事、任務を終えた妹を労わっていた。
やがて出発の準備が整い……
停止していた馬車はゆっくりと走り出した。
馬車が暫く走ってから、ルウは目を閉じた。
こうすると、思案中というアピールで、妻達は話しかけて来ない。
しかしルウは考え事をしているのではなかった。
ウッラ、パウラと共に……
魔法男子学園理事長&生徒会長の身辺調査に赴いたモーラルから、
念話での連絡、つまり『報告』が入っていたのだ。
『お疲れ様』
『ルウ様もお疲れ様です。そちらに異常はありませんか?』
モーラルは任務を命じられた時には、ルウを『想い人』として、
つまり旦那様とは呼ばない。
ルウ様と敬称呼ぶ。
愛し愛される妻ではなく、忠実な従士と振る舞い、
しっかりと一線を画していた。
『うん、今のところ大丈夫だ。テオドラも今日は良くやってくれたよ』
『それは何よりです』
『ああ、で、そちらはどうだった?』
『ええ、まずまずです。いろいろと新たな情報を得る事が出来ました』
『報告は可能かな?』
『はい、問題ありません! 魔法男子学園の生徒、5名から話を聞く事が出来ました』
軽く息を吐く気配が念話越しに伝わって来て、モーラルの報告は始まった。
『まずは魔法男子学園理事長アルバン・ボーヴォワールですが……アデライド様に私怨があるようです』
『成る程、アルバンは昔、魔法大学でアデライド母さんと同級生とは聞いている』
ルウは記憶を手繰り、言葉を戻した。
『はい、ルウ様の仰る通りです』
モーラルは同意し、話を続ける。
『私の推測も入れ、報告を続けます』
『了解、頼むよ』
『はい! アルバンは何かにつけてアデライド様を引き合いに出し、貶めているそうです』
『それは、以前からずっとか?』
『はい、以前からそのような傾向は若干あったらしいのですが……少し前……夏へ入る前から、言動が極端に変わったそうです。完全に容赦のない言い方になったと』
『そうか……』
学生時代……
アデライドとアルバンはまともに会話をする事はなかったと、アデライドから聞いている。
アルバンに対し、単にボーヴォワール子爵家の嫡男という認識しかなかった。
大学内では殆ど顔を合わさず、たまにすれ違えば軽い会釈レベル。
面と向かって挨拶するのは、年に一回開かれる王宮の晩さん会くらい。
それもごきげんようとひと言告げる程度。
当時のアデライドは誉れ高き名門ドゥメール伯爵家のひとり娘、
その上、ヴァレンタイン王国では『舞姫』と呼ばれる高名な魔法の達人という立ち位置。
アデライドが認識していないのであれば、
アルバンは目立たないその他大勢、つまり普通の一般学生だっただろう。
例えれば太陽と、月よりも小さな惑星……
このふたりの間にどのような『因縁』があったのか……
ルウはそう考えながら、モーラルの報告を待ったのである。
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