表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1204/1391

第1,204話 「学園祭⑭」

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

☆最新刊『第3巻』

6月27日発売!

ほやほやの新刊です!

書店様で、ぜひお手にお取りください。


※6月29日付けの活動報告に『書影公開』『発売記念フェア開催のお知らせ』等、

『魔法女子』のコミックス第3巻の情報をまとめて掲載しましたので、宜しければご覧くださいませ。

 魔法女子学園学園祭の準備は多岐にわたる。

 オレリー達生徒会、すなわち学園祭運営委員会メンバーの実務は、

 まだまだ終わらなかった。


 あっという間に午後5時30分を過ぎ……

 さすがに、この日は一旦解散となった。


 ここで……

 タイミングを計ったかのように生徒会室の扉がノックされた。

 開いた扉の向こう側に居たのは……ルウとテオドラである。


 『教師』のルウは『生徒会の顧問』として、生徒会メンバーの作業終了確認は勿論、

 『夫』としても妻のオレリー、ジョゼフィーヌ、リーリャを迎えに来たのだ。


 そしてテオドラは、ルウと同じく「お出迎え」なのと、

 『警備担当の臨時職員』として、明日以降の実地訓練も兼ねて同行したのである。


「お疲れ様、みんな、そろそろ終わりかな?」


「はい! お疲れ様です! ルウ先生の仰る通り、もう実務は終わりですわ」


 真っ先に応えたのは、やはりマノンである。

 オレリー達妻も心得たもので、敢えて彼女と張り合ったりしない。

 微笑んで、マノンに追随する。


「お疲れ様です、ルウ先生」


「「「お疲れ様です!」」」


 オレリーに続き、ジョゼフィーヌ、リーリャ、ポレットと続いて、声を発した。


「どうだい、打合せの方は支障ないか?」


 ルウが尋ねれば、今度はオレリーが答える。


「はい! ルウ先生。各所からの実施イベントの出展申請を、上級職員会へ提出する為の絞り込みは終わりました」


「提出された企画数が、結構多かったから絞り込みは大変だっただろう」


 そうルウが労われば、再びマノンが身を乗り出し、胸を張った。


「全員で頑張りましたから、何とか……それに我が生徒会のイベントも、概要はまとまりました。ルウ先生監修の『七惑星の護符魔法』を確定とし、その上でチャリティーイベントにするつもりです」


「七惑星の護符魔法』……楽しみですわ」

「マノンさんの言う通り、私も楽しみです」

「リーリャも本当に楽しみです」

「私もっ!」


 全員が思い知っていた。

 魔法女子学園において、ルウの『専門』は魔法攻撃術と上級召喚術である。


 しかし、ルウは全ての、否!

 未知の魔法まで極めているだろうと。


 それほどまでの『師』に巡り会えた幸せを、

 オレリー達妻は勿論、マノンとポレットもはっきりと実感していたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 魔法女子学園正門前……


 マノンとポレットはそれぞれ、自宅から迎えに来た専用馬車に乗り、

 帰って行った。


 ふたりとも、ブランデル家の馬車を羨ましそうに見つめていたのは、

 未だ叶わぬ恋に悩み、オレリー達を羨んでいるに違いない。


 さてさて!

 フランが残業で遅れていたので、ルウ達は最後の出発となった。


 乗り込むのは、ルウ、フラン、オレリー、ジョゼフィーヌ、

 そしてリーリャである。


 アドリーヌ、ジゼル、ナディアが先に帰宅しているので、

 馬車の車内は余裕があった。


 御者はまた交代があり、テオドラの姉ソフィア。

 無事、任務を終えた妹を労わっていた。


 やがて出発の準備が整い……

 停止していた馬車はゆっくりと走り出した。


 馬車が暫く走ってから、ルウは目を閉じた。

 こうすると、思案中というアピールで、妻達は話しかけて来ない。


 しかしルウは考え事をしているのではなかった。

 ウッラ、パウラと共に……

 魔法男子学園理事長&生徒会長の身辺調査に赴いたモーラルから、

 念話での連絡、つまり『報告』が入っていたのだ。


『お疲れ様』


『ルウ様もお疲れ様です。そちらに異常はありませんか?』


 モーラルは任務を命じられた時には、ルウを『想い人』として、

 つまり旦那様とは呼ばない。

 ルウ様と敬称呼ぶ。

 愛し愛される妻ではなく、忠実な従士と振る舞い、

 しっかりと一線を画していた。


『うん、今のところ大丈夫だ。テオドラも今日は良くやってくれたよ』


『それは何よりです』


『ああ、で、そちらはどうだった?』


『ええ、まずまずです。いろいろと新たな情報を得る事が出来ました』


『報告は可能かな?』


『はい、問題ありません! 魔法男子学園の生徒、5名から話を聞く事が出来ました』


 軽く息を吐く気配が念話越しに伝わって来て、モーラルの報告は始まった。


『まずは魔法男子学園理事長アルバン・ボーヴォワールですが……アデライド様に私怨があるようです』


『成る程、アルバンは昔、魔法大学でアデライド母さんと同級生とは聞いている』


 ルウは記憶を手繰り、言葉を戻した。

 

『はい、ルウ様の仰る通りです』


 モーラルは同意し、話を続ける。


『私の推測も入れ、報告を続けます』


『了解、頼むよ』


『はい! アルバンは何かにつけてアデライド様を引き合いに出し、おとしめているそうです』


『それは、以前からずっとか?』


『はい、以前からそのような傾向は若干あったらしいのですが……少し前……夏へ入る前から、言動が極端に変わったそうです。完全に容赦のない言い方になったと』


『そうか……』


 学生時代……

 アデライドとアルバンはまともに会話をする事はなかったと、アデライドから聞いている。

 

 アルバンに対し、単にボーヴォワール子爵家の嫡男という認識しかなかった。

 大学内では殆ど顔を合わさず、たまにすれ違えば軽い会釈レベル。

 

 面と向かって挨拶するのは、年に一回開かれる王宮の晩さん会くらい。

 それもごきげんようとひと言告げる程度。


 当時のアデライドは誉れ高き名門ドゥメール伯爵家のひとり娘、

 その上、ヴァレンタイン王国では『舞姫』と呼ばれる高名な魔法の達人という立ち位置。


 アデライドが認識していないのであれば、

 アルバンは目立たないその他大勢、つまり普通の一般学生だっただろう。

 例えれば太陽と、月よりも小さな惑星……


 このふたりの間にどのような『因縁』があったのか……


 ルウはそう考えながら、モーラルの報告を待ったのである。

東導号の各作品を宜しくお願い致します。


⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎小説版第1巻~7巻

(ホビージャパン様HJノベルス)

大好評発売中!


◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

☆最新刊『第3巻』が、

6月27日発売!

ほやほやの新刊をぜひお手にお取りください。

既刊第1巻~2巻も大好評発売中!


※月刊Gファンタジー大好評連載中《作画;藤本桜先生》

☆6月18日発売の月刊Gファンタジー7月号に最新話が掲載されました。

超ドライなルウ、ヒロイン達の新たな魅力をどうぞお楽しみください。


また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。

コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。

WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が好評連載中です。

毎週月曜日更新予定です。

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、連載中である

「帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者」

「絶縁した幼馴染! 追放された導き継ぐ者ディーノの不思議な冒険譚」

新作「初恋の幼馴染と死に別れた俺は、辺境小国の王子に転生! 戦い、開拓、恋愛と、信長スキルで何でもござれ!」


も宜しくお願い致します。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ