第1,203話 「学園祭⑬」
⛤『魔法女子学園の助っ人教師』
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モーラル、ウッラ、パウラが魔法男子学園近くのカフェ『コンクルシオ』でナンパ……
否、魔法男子学園理事長、生徒会長ふたりの身辺調査をしていた頃……
本日の授業が終わった魔法女子学園生徒会長室では、
生徒会のメンバー、会長のオレリー他が全員集合し、
学園祭の準備に追われていた。
勝つ事に自信満々であったという、対戦相手の魔法男子学園生徒会長ユルリッシュ・ビガール。
彼との召喚術勝負に、オレリーは大きな不安があった。
オレリーが最も得意とするのは水の精霊の加護を受けた水の攻防魔法である。
そして心身を癒す治癒の魔法なのだから。
しかし、日々の授業と勉強、生徒会長としての実務、加えて学園祭の準備まであって、
時間に終われ……目の回るような忙しさから、くよくよ悩んでいる暇などなかった。
その上、ルウとフランからは、オレリーが安心出来る情報が次々と耳へ入って来た。
家族テオドラの学園内警護職員就任、そして異界において、ルウから上級召喚術特別授業の実施等、日を経て行くうち、不安よりも期待の方がどんどん大きくなって行ったのだ。
さてさて!
本日の議題は各所で実施される出し物、つまりイベントの絞り込みである。
まず口を開いたのが司会進行役の副会長マノン・カルリエである。
「オレリー生徒会長」
「はい!」
「各クラス、各部、同好会、有志等、希望する実施イベントの提出が完了、内容の精査を完了しました」
「お疲れ様です、マノン副会長。私も全て見ましたけど、例年通り、多種多彩ですね」
「はい! 飲食系、エンタメ系、ミニゲーム系、ショー系、展示系等々、個人的には目移りしますわ。中には?みたいなモノもありましたけど」
「ふふ、ですね」
「絞り込んだこのリストを上級職員会へ提出し、理事長に最終決定して頂きます」
「はい! 確認です!」
ここで挙手をしたのは、会計担当のジョゼフィーヌである。
「はい、ジョゼフィーヌさん」
「ウチの……当生徒会の出し物は、オレリー会長提案の七惑星の護符魔法で宜しいのですよね? 全員一致で文句なく賛成でしたし」
「はい、私も文句なしに賛成ですわ。製作した護符を販売し、収益をチャリティー基金に充てるというのも、凄く素敵ですね」
マノンも笑顔でジョゼフィーヌに同意した。
オレリーの提案した『七惑星の護符魔法』企画が全員一致なのはわけがあった。
何故ならば、生徒会顧問のルウが監修しているからだ。
当然、護符を製作する際、ルウからの指導がある。
これまで受けた事のない魔法防御術の『授業』を受けられるとあって、
反対どころか、逆に『必ず実施』の熱い希望まで出たくらいなのだ。
また教育実習生フランソワーズの提案で、先日行われた特別イベント『マスクドチャリティバザー』の余韻が残っており、自分達のイベントもぜひ成功させたいと全員が燃えていた。
ブランデルの家族は、以前から孤児院の慰問へ赴いていたが……
マノンとポレットも、ステファニーに誘われ、子供達と触れ合い、
完全に目覚めてしまった。
収益を寄付する予定の基金は、孤児院へ多額の援助を行っており、
モチベーションのアップにつながっていたのだ。
閑話休題。
話がまとまってから、煩雑な事務作業、連絡等が発生。
終了したのは、もう5時を回っていた。
気を利かせたリーリャとポレットが、温かく香りの良い紅茶を淹れ、
メンバーは無事作業が終わった安堵感に満ち、寛いでいた。
話は自然と、生徒会の出し物『七惑星の護符魔法』の話題となった。
各自が下調べの予習を行っていたが……
例によって、最も気合が入っていたのはマノンであった。
自宅にあった魔導書は勿論、先週末の休日に王都の書店通りへ、
新たな資料を探しに行ったくらいの熱の入れようなのだ。
マノンがほんの少しだけ、表情を曇らせる。
少し懸念があるらしい。
「昨日調べて判明しました。護符の仕様も特徴的ですが、作る際の材料もやたら多いのですわ」
「護符を作る材料が? そんなに多いのですか?」
と、質問したのはリーリャである。
対してマノンは、即座に反応した。
「はい! 金属細工用の工具は一式、これは当たり前に必要なのですが、各惑星ごとに作る材料が異なりますから」
「各惑星ごとって? 七惑星って、ええっと……」
「リーリャさん、太陽、月、火星、水星、木星、金星、土星の七つですわ」
「は、はい! そうでしたよね?」
すぐ思い浮かばず、苦笑するリーリャに、
マノンはきっぱりと言い放つ。
「常識ですわ」
「はい、反省し、しっかり憶えます」
「結構! ……話を戻すと、例えば太陽の護符は金板、月桂樹、シナモン、サフランなど、金星の護符は銅板、オリーブ、スミレ、バラなどと全然違って来るのです」
「わわ! それって! 七つバラバラだと、確かに多い! 多すぎますね?」
「はい! 結構な多さです。まあ、ルウ先生もフォローしてくださるとは思いますけど、材料くらいは自分達で揃えないといけませんわ」
「よ、予算は大丈夫ですよね?」
と、今度は心配そうに、オレリーが問う。
しかし高々と拳を突き上げたのがジョゼフィーヌである。
「はあい! ノープロブレム、会計の私がばっちり計上していますわ!」
ジョゼフィーノの言葉を聞き、オレリー達は大きく頷くと、
再び気合を入れ直したのである。
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