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第1,202話 「学園祭⑫」

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

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 その日の夕方……

 テオドラが張り切って、憧れていた魔法女子学園でオレリー警護の仕事へ邁進まいしんしている頃……


 王都中央広場付近、とある一軒のカフェにモーラル、ウッラ、パウラ3人の姿があった。

 彼女達が入ったカフェの名は『コンクルシオ』……

 『出会い』という意味ありげな名の店であった。


 『コンクルシオ』の店内は、10代半ばの男女でほぼ満席である。


 実はこのカフェ、店名の通り、男女の『出会い』をセッティングする店なのだ。

 但し、オーナーが最初から意図的に出会いを目的として、開店した店ではない。

 

 ちなみに現在のオーナーは3代目。

 あまり本編とは関係ないが、前オーナーと血縁関係はなかった。


 話を戻せば……

 『コンクルシオ』は魔法男子学園生徒の伝統的なたまり場であり、

 自然と、イケメン魔法男子と知り合いたい女子もお茶をしに来るようになったのである。

 

 当初はクレームが……ナンパに関するトラブルが多かった。

 あまりにも多く且つ頻繁に起こるので、そのうちに厳然たるローカルルールが成立した。

 

 そのルールというのは、こうだ。


 話をするかどうかは、女子側に主導権がある。

 相手の男子が気に入らない場合、「またの機会に」という、

 柔らかいが厳しい『決めゼリフ』を告げるのだ。

 すると、声をかけた男子は自分の飲食代を置いて、すぐに席を立たねばならない。


 だが振られたのに未練がましく、ルールに従わない男子はどうなるのか?

 腹いせに罵倒したとか、脅したりとか……

 このような場合、誘われた女子がバツ印をして、手を振れば、

 トラブル発生且つSOSのサインとなる。

 

 そして、サインを見た店内の特別なスタッフ、

 つまり給仕役以外に雇われた屈強な『男性警備員』が急ぎ駆け付け、

 ルール違反をした男子を即、店外へ排除する。


 そして排除された男子は『コンクルシオ』へ永久に出入り禁止、

 つまり一生、出禁となるのだ。


 そんな厳罰を喰らえば、店でナンパが不可能となるのは勿論、

 男子として最低な『恥』だと軽蔑される風潮があったから、

 昔のように、『無茶』をする者は皆無であった。


 これは余談だが……

 アンナと婚約し、身持ちが堅くなったジョルジュがフリーの時、

 この『コンクルシオ』に入りびたる『常連』だったのは内緒である。


 閑話休題。


 これは大事な事なので、もう一度言おう。

 モーラルとウッラ、パウラのダンピール姉妹、都合3人は、

 魔法男子学園の生徒から声をかけられるのを待っていた。

 すなわちモーラル達3人は、目的を達成する為に、

 任務として『ナンパ』を待っていたのである。


 ちなみに……

 モーラル達は、身元を曖昧にする為、メイク、髪型変更で若干容姿を変え、

 変装もし、別人になりすましていた。

 なので、いつもと雰囲気が違う。


 これからいよいよ……

 イケメン魔法男子にナンパされる。


 打合せとシミュレーションは、ブランデルの屋敷で念入りに行ったが……

 やはり実践、否、実戦は違う。


 モーラルはいつものように泰然自若としているが、

 落ち着かないのがウッラとパウラのふたりである。

 プレッシャーからか、身体はぶるぶる震え、

 足はカクカクして貧乏ゆすりが止まらないのだ。


 いつもはふてぶてしく美しい、ダンピール姉妹が落ち着かないのを見かね、

 モーラルが注意する。

 無論、他者には聞こえぬよう念話である。


『ウッラ、パウラ、もっとリラックスして。これは任務よ、任務』


 しかしウッラとパウラの「そわそわ」は変わらない。

 切なげな眼差しを、すがるようにモーラルへ送って来る。


『モーラル様、そんな事言ったって』

『そうですよ、私達こういうの慣れていませんから』


『大丈夫、見てて。私が手本を見せるから』


『は、はい!』

『宜しくお願いしまっす』


 やがて……

 魔法男子学園の生徒達がやって来た。

 ナンパ目的の彼等は単独、または少人数のグループでやって来ている。

 念の為、生徒だと分かるのは、彼等が制服姿の為だ。


 3人のグループが店内へ入った……

 そして女子達の中でも、ひと際目立つモーラル達に目を付けた。

 

 当然、彼等はナンパ目的の来店である。

 初々しさがないので、新入生ではなく、

 魔法男子学園内の事情に通じた2年生か、3年生に違いない。


 素早くチェックしたモーラルの目が「待ってました!」ばかりに妖しく光った。


 無論、生徒の3人はモーラル達が罠をしかけ、待っているとは思わない。

 早速、近寄って来て、お決まりのセリフを投げて来る。


「はあい、君達、可愛いね」

「こっちも3人だよ」

「お茶飲まない?」


 一瞬の間。

 イエスか?

 ノーか?


 3人の生徒に


「良いわよ」

「…………」

「…………」


 モーラルはすぐにOKの返事をした。

 相変わらず、ウッラとパウラは身体を硬くしていたが……


 「またの機会に」と言われず安堵し、笑顔の生徒達は、

 嬉しそうに礼を言い、モーラル達の対面に並んで座った。


 彼等から……

 さりげなく、魔法男子学園の理事長、生徒会長の情報もしくは噂を聞き出す。

 それが、これからモーラル達が行う、『身辺調査』なのである。


「ねえ、君達……いろいろ聞きたい事があるんだけど」


 艶然と微笑むモーラルはそう言うと、乾いた唇を、

 ぺろりと舌で舐めたのであった。

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