第1,201話 「学園祭⑪」
⛤『魔法女子学園の助っ人教師』
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ルウ、フラン、テオドラの3人が、魔法女子学園へ出勤した約30分後の午前7時過ぎ……
いつもの時間通り、オレリー達は出勤、通学の支度を終え、
スムーズに馬車へと乗り込んだ。
御者台に座るのは、アリスである。
先ほど御者を務めたモーラルは、ウッラ、パウラとある打合せをする事から、
交代したのだ。
そのウッラ、パウラは猛練習の甲斐もあり、既にレギュラーとして
日々の御者の業務に対応していた。
ちなみに……
この御者の仕事はブランデル家では意外に人気があり……
最近では、ナーイアスのリゼッタ、エーコーのエレナ、ニンフのコンビも
嬉々として訓練に励んでいた。
閑話休題。
「はいよぉっ!」
ぴしっ!
「ひひん!」
「うおん!」
発進を促すアリスの凛々しい声と鞭を鳴らす音、応えていななく馬、
少し遅れて番犬として忠実に仕えるケルベロスの小さな咆哮が屋敷に響き、
オレリー達を乗せた馬車はゆっくりと動き出した。
正門が魔力で左右に大きく開き、馬車は屋敷を出て貴族街区を走る。
馬車内はルウ達が居ない分、やけに広く感じる。
ジョゼフィーヌが、リーリャと話に熱中しだしたのを機に、
オレリーは窓から外を眺める。
日々の勉強、学園祭の準備……
いつもより忙しさが極端に増す中、オレリーは不安にかられていた。
理由は当然、魔法男子学園との対抗戦出場者へ指名された事である。
まだ得意とする防御回復魔法ならば、ここまで気が重くはならない。
しかし、魔法男子学園からは、召喚魔法で勝負という申し入れがあったと、
フランから聞いた。
対戦相手の生徒会長ユルリッシュ・ビガールは自信満々だったらしい。
それもユルリッシュの召喚する使い魔は『犬』だという。
公衆の面前で、オレリーの使い魔『ジェシカ』との差を見せつけ、
オレリーはもとより、魔法女子学園の名誉を貶めようという意図は明白である。
そんなオレリーの懸念と不安を汲み、
家族、仲間、友人達は、皆が力になってくれた。
中でもルウは約束通り、すぐに手を打ってくれた。
家族であり、従士でもあるテオドラを臨時職員という形で、オレリーの警護役として付けてくれたのだ。
またモーラルが、ユルリッシュについて調べ上げ、対策を練ってくれるという。
中でもルウの提案がオレリーにとって、一番嬉しかった。
召喚魔法行使に不安のあるオレリーに、例のエデンを模した異界で、
『特訓』をしてくれるというのだ。
その話を聞きつけた、他の妻達から参加の申し込みが殺到した為、
残念ながらルウとふたりきりという、密かな願いは叶わなかったが……
指導自体はマンツーマンという結果となり、
オレリーは天にも昇る気持ちだった。
今日帰宅したら、夕食後に……
早速特訓、否、『特別レッスン』が行われる事となっている。
先日までと打って変わり、うきうき晴れやかな表情のオレリー。
そんなオレリーを見て、家族全員がホッとしていた。
さてさて!
オレリー達が乗る馬車はもう、貴族街区を抜け、王都の中心部へと入っていた。
ブランデル邸から、魔法女子学園は至極近い。
徒歩でもそんなにはかからないから、馬車だとあっという間だ。
午前7時20分少し前……
馬車は学園前に無事到着した。
警護の騎士に開いて貰った学園の正門から入り、停車場へ止まる。
まず、ジゼルが勢いよく飛び出した。
「ぴしっ」と背筋を伸ばして歩く姿は相当気合が入っているようだ。
続いて、ナディア、オレリー、ジョゼフィーヌ、リーリャと降り、
そして最後にアドリーヌが降りる。
すると、最近はお馴染みとなったいつもの光景が展開する。
響き渡る少女の声。
「おはようございます!」
「おはようございます!」
「おはようございます!」
微笑んだオレリーが見れば、声の主はマノン・カルリエ、ポレット・ビュケ、
ステファニー・ブレヴァルの3人だ。
「おはよう!」
「おはようございます!」
「おはよう! いつも早いね」
等々、ブランデル家メンバーからも、朝の挨拶が返される。
マノンはじっとオレリーを見据えた後、
「オレリーさん! 改めまして、おはようございます!」
「はい! おはようございます!」
いつもの通り、少し気圧されながら、オレリーが挨拶を返すと、
マノンは一気に言い放つ。
「学園祭の準備で、どんなに忙しくなっても、やる事は全く変わりません!」
「ですね!」
「早速、学食で、情報交換会をやりましょう! 午後は学園祭の準備打合せ、今日の予定もびっしりですよ、生徒会長!」
笑顔のオレリーは大きく頷き、OKの意思を示すと、
「分かりました、マノンさん。いつもの通り、学食へ行きましょう」
皆が自分を気遣い支えてくれる。
私も皆を……
心が更に温かくなったオレリーは、元気よく歩き出していたのである。
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