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第1,199話 「学園祭⑨」

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

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※6月6日、6月18日付けの活動報告に『書影公開』『発売記念フェア開催のお知らせ』等、

情報を掲載しましたので、宜しければご覧くださいませ。


何卒宜しくお願い致します。

 翌日、午前ブランデル邸……

 モーラルが自室へ、ブランデル家の『有志』3人に対し、

 緊急召集をかけていた。


 ブランデル家の有志とは……

 モーラル独自の判断で選ばれた『家族』の内からの3名、

 彼女の愛弟子テオドラ、そしてウッラ、パウラのダンピール姉妹都合3名である。


 招集の目的は、今回オレリーが魔法男子学園との対抗戦に出場する事に伴う、

 ルウから命じられた『付帯業務』である。


 モーラルはルウとフランと交わした昨夜のやりとりを含め、

 これまでの経緯を3人へ簡潔明瞭に説明した。


 当然、3人は憤る。

 特に魔法男子学園理事長アルバン・ボーヴォワール、甥の生徒会長ユルリッシュ・ビガールの尊大な態度には我慢出来ないようだ。


 まず口を開いたのは、テオドラである。


「モーラル様」


「何? テオドラ」


「そいつら……いっそぶっ飛ばしますか? 正々堂々と勝負をする相手に値しないと思います」


 すかさず異論を唱えたのがウッラとパウラだ。

 しかし、テオドラを制止するとかではなく、

 更に厳しい対応を主張する。


「テオドラ、ぶっ飛ばすなんて生ぬるい!」と、ウッラ。

「そうよ、容赦なく、りましょう」と、パウラ。


 話が、趣旨から外れたとんでもない方向へ行きそうなので、

 苦笑したモーラルがストップをかける。


「こらこら、待ちなさい」


 だが、珍しく3人は退かなかった。

 不満そうに口をとがらせる。


「何故お止めになるのですか? モーラル様」

「そうです、礼儀知らずな外道を生かしておいては為になりません」

「苦しまないよう、一気にとどめを! 地獄へ送ってやりましょう」


「どうどうどう、入れ込まないの、3人とも。もう貴女達の任務は決まってる」


 モーラルがきっぱりと言い切れば、3人は目を輝かせ、笑顔となる。


「え?」

「決まってるのですか?」

「一体何を?」


「じゃあ、早速、貴女達の役割を伝えます」


「お願いします!」

「頑張ります!」

「全力を尽くします!」


「まず、テオドラ」


「はい、モーラル様」


「貴女は、オレリーの護衛役よ」


「オレリー様の?」


「ええ、オレリーを棄権させる狙いで相手が正体を隠し、または誰かを雇い、襲撃する事も充分に考えられる。彼女に危害が及ばないよう、しっかりと守って」


「了解ですっ!」


 テオドラは気合の入った声で返事をした。

 ルウ、モーラルとともに、南方の島へ行き、貴重な経験をしたテオドラは、

心身ともに著しい成長を見せていた。


 と、ここでモーラルが、条件を付けた。


「但し」


「但し? モーラル様、何でしょう?」


「襲撃者を絶対に殺しちゃダメ。大怪我させず、戦闘不能にして生け捕りにするのよ、どう、出来るかしら?」


「楽勝でっす」


 ……以前のテオドラなら、今回のモーラルの指示に対し、

 はっきりと不満を見せていたかもしれない。


 しかし、テオドラは素直に前向きに、且つ自信に満ちあふれた表情で頷いた。

 

 続いて、モーラルはダンピール姉妹へ、


「では、次。ウッラとパウラ」


「はい!」

「何なりと!」


「貴女達には、魔法男子学園生徒会長ユルリッシュ・ビガールの身辺を洗って貰います」


 テオドラ同様、バトル絡みの依頼と思いきや、

 ウッラ達への指令は、ユルリッシュの身辺調査依頼であった。


 だが……

 ルウ達と出会う前、戦いと殺しを生業なりわいとしていた姉妹は、

 調査の経験に乏しい。


 少し不安げな仕草と表情で、ウッラとパウラはモーラルへ問いかける。


「身辺調査?」

「モーラル様、一体、どうすれば?」


 対して……

 モーラルがふたりの不安を解消するように告げる。


「最初だけ、私が手本を見せるわ。良く見て聞いて、コツを掴んでね」


「モーラル様がお手本を?」

「ご一緒ですか、最初だけ?」


「ええ、貴女達ならすぐ習得出来ると思う」


 モーラルから太鼓判を押され、ふたりはやる気を見せる。


「習得出来ますか?」

「頑張りますよ!」


 しかし……

 モーラルは「にやっ」と悪戯っぽく笑う。

 そして「しれっ」と言い放つ。


「しつこいナンパの受け流し方を」


 しつこいナンパ?

 受け流し方!?


 想定外の言葉を聞いて、ウッラとパウラは驚き、唖然とした。


「はあ!?」

「ナンパあ!」


「ぷっ!」


 ここで噴き出したのが、テオドラである。

 必死に笑いをこらえている。

 姉妹がナンパされるのを想像したに違いない。


「くくくく……」


 なおも笑うテオドラの様子を見て、我に返ったウッラとパウラ。


「こら、笑うな、テオドラ!」

「いいかげんにしろ。ぐ~で、殴るよ!」


 ぱんぱんぱん!

 場を治める為、モーラルが手を打ち鳴らした。


 ケルトゥリから始まり……

 次いでフランへ受け継がれ、最近はモーラルも使っている。


「私は真面目よ、ウッラ、パウラ。方法はともかく、大事な任務だから」


「は、はい!」

「分かりました!」


「ま、一緒に任務遂行すれば良く分かるわ。貴女達姉妹には、絶対良い経験になるから」


「はい!」

「頑張ります!」


「全員出撃は明日、今日はいつもの仕事をしっかりね!」


 モーラルはそう言うと、今度は優しく微笑んだのであった。

東導号の各作品を宜しくお願い致します。


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