第1,193話 「学園祭③」
⛤『魔法女子学園の助っ人教師』
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宿敵?魔法男子学園との魔法対抗戦が注目されてしまった本末転倒の感はあるのだが……
魔法女子学園として、年間行事としてメインなのはあくまで『学園祭』である。
オレリーの対抗戦に対応する作戦立案は重要ではある。
しかし、学園祭の企画立案をおざなりには出来ない。
何と言っても、主催は愛する母校魔法女子学園。
またオレリー新生徒会長率いる生徒会が、学園祭の実務を取り仕切る運営組織だから尚更なのである。
フラン達との打合せから3日後……
今度は同じ生徒会会議室において、生徒会メンバーのみでの打合せが行われていた。
生徒会長のオレリーから確認の為に……
改めて学園祭の正式名称、目的、テーマ、日程、会場、主催者、運営組織等の説明が行われた後、出展及び出店に関する確認の打合せが行われた。
「今回、ステージ企画で最大の目玉は、今、人気急上昇中、俳優オーセィさんのひとり芝居、独演会です」
「おおおおおっ!」
老若男女問わず、どのような人物でも演じ分けられる新進気鋭の男性俳優オーセィ。
数年前に彗星の如く出演した天才。
今や、彼が出演する舞台のチケットはプラチナチケットと化しており、
上級貴族でも容易に入手出来ない。
そのオーセィが、学生が行う学内イベントである魔法女子学園の学園祭に出演?
一体、誰がどのようなオファーと交渉をし、了承を得たのだろうか?
生徒会メンバーの視線はオレリーへと向けられた。
対してオレリーは笑顔で答える。
「このメンバーだから、種明かししますけど……オーセィさんとルウ先生は個人的な知り合いなんです」
「本当ですか? オレリーさん」
「驚きです」
マノンとポレットが「ほう」と軽く息を吐いた。
実は…天才俳優オーセィの正体は変幻自在の悪魔オセ。
ルイ・サレオン72柱のひとりである。
ルウの妻達は知っていた。
だが、マノンとポレットはその事実を知らなかった。
しかしふたりは既に、ルウの力が規格外である事を認識している。
さすがにオセの正体は明かせない。
だが、知り合いだとカミングアウトしても構わないとオレリーは判断したのだ。
「今回、このイベント企画があったので、私は個人的にも学園祭を楽しみにしていたのですが……今となっては気が重いです」
オレリーもマノン、ポレット同様、「ほう」と息を吐いた。
しかしこちらは感嘆ではなく、はっきりとした『ため息』である。
「オレリー、大丈夫ですわ。ルウ先生が全面的にバックアップしてくれると約束してくれたじゃないですか?」
ジョゼフィーヌが言えば、リーリャも追随する。
「そうです。ジョゼの言う通りですよ。必ずルウ先生が助けてくれます!」
きっぱり言い切ったリーリャ。
人生最大の危機を救って貰ったリーリャの言葉には真剣さと重みがある。
「ジョゼフィーヌさん、リーリャさんに全く同意します。私も助けて頂きましたから!」
「私もですっ!」
「皆さん……」
マノン、ジョゼフィーヌ、ポレット、そしてリーリャ。
先ほどと同じく……
4人の視線がオレリーへ注がれていた。
オレリーは改めて思う。
この場に居る女子は、皆、ルウに危機を救って貰った。
勿論オレリーも……
悪辣な女性冒険者に騙され、遠国へ奴隷として売られるところであった。
もしもルウが助けに来なければ、今頃は……
最早、幻となった暗き未来を垣間見た気がして、オレリーは軽く身震いした。
確かに……
昔の自分は孤独だった、気持ちだって、とても弱かった。
今のオレリーは孤独ではない。
全く違う。
愛する伴侶となったルウ、かけがえのない家族、そして同志といえる学友も居る。
昨夜ルウは……
対戦相手となる、魔法男子学園の生徒会長を徹底調査し、一緒に作戦を練ろうと約束してくれた。
そして、自信を持って、穏やかに……
且つ堂々と臨めと励ましてくれた。
ルウの笑顔を思い出せば……
気力が漲り、体内魔力が満ちて来る。
大丈夫!
今の私なら!
旦那様の言う通り、自信を持つのよ。
自問自答したオレリーに笑顔が戻って来た。
一転、晴れやかな笑顔となったオレリーを見て、一同は安心する。
誰もが、オレリーと同じく晴れやかな笑顔となって行く……
頃合いと見て、オレリーが次の議題を提示する。
「皆さん! 各学年、クラス、部活、同好会、有志から提出された企画書の確認、吟味、審査をしましょう」
「「「「はい!」」」」
そう……
次に行う作業は、各所から提出された企画書の審査、絞り込みである。
学園祭の企画は、基本的に生徒の自主性を重んじる。
しかし突飛且つ、学園にはそぐわない内容だと却下される場合もある。
学園から予算が出る関係もあり、最終的に出展、出店、イベント実施の許可は、
理事長アデライドの判断による。
しかしアデライドは多忙である。
作業の煩雑さを避ける為、実質的な判断は『上級職員会』に任せていた。
その前の一次審査をオレリー達、生徒会メンバーが行うのだ。
「ええっと、皆さん。……たくさんあるから、企画書は内容の範疇別に見て行きましょうか」
「了解! マノンさん」
「そうなると思って、私が分けておきました」
「さすがポレットさんですわ」
「えへ、リーリャは食べ物系が気になります」
実際、提出された企画書の内容は千差万別。
中央広場の露店に近い食品屋台系。
お化け屋敷などの見世物系。
魔道具の鑑定、展示、占いなどの学術系。
楽器演奏、合唱、独唱、ダンスなどのショー系等々……
わくわくするようなものばかりだ。
オレリー達はわいわいかしましく、楽しそうに……
作業を始めたのであった。
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最後に、連載中である
「帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者」
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