第1,191話 「学園祭①」
⛤『魔法女子学園の助っ人教師』
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ここはヴァレンタイン王立魔法女子学園の生徒会室……
先日まで、教育実習生フランソワーズ・グリモールが特別カウンセリングを行っていた会議室である。
少し前に、教育実習も無事終わった。
美貌の教育実習生、魔法女子学園のOG『天才』フランソワーズは……
授業の実践は勿論、彼女が発案した『カウンセリング』『マスクドチャリティバザー』ふたつの企画を特にアデライドから高評価された。
何も支障がなければ、意思が変わらなければ……
フランソワーズは来年の春、大学を卒業し、
期待の新人教師として、華々しく赴任するはずである。
同じくフレッシュな新入生達と共に、学園を大いに盛り上げてくれるに違いない。
魔法大学卒業の為、学園を去ったフランソワーズに代わり……
この会議室では今、就任して間もない、
新たな生徒会のメンバー5名全員が集合していた。
その5名とは……
生徒会長オレリー・ボウ。
副会長マノン・カルリエ。
書記ポレット・ビュケ。
会計ジョゼフィーヌ・ギャロワ。
そして広報リーリャ・アレフィエフの計5名。
ちなみにオレリー、ジョゼフィーヌ、リーリャは学園では旧姓で通している。
また教師も加わり、生徒会メンバーと共に打合せを行っていた。
校長代理のフランシスカ・ドゥメール。
繰り返すが、フランもオレリー達と同様、旧姓使用だ。
そして教頭のケルトゥリ・エイルトヴァーラ。
ふたりは、上級職員と呼ばれ、理事長アデライドと共に学園の運営管理にあたる幹部教師である。
そして先代生徒会長と副会長ジゼルとナディアの恋愛工作により、
いつの間にか生徒会顧問になったルウ・ブランデル。
以上の3名である。
今回の議題は……
毎年晩秋に実施される、魔法女子学園恒例の『学園祭』
ちなみに……
魔法女子学園の学園祭は、学園とは関係ない一般人の入場を禁じていた。
先日フランソワーズの発案で行われた特別イベント、
『マスクドチャリティバザー』同様、学園生徒がまず楽しんで貰う事を優先に、
生徒の親族に限定して入場を許可し、開催されていたのである。
さすがに予算だけは学園から提供されるが……
生徒の自主性を重んじる為、運営自体は生徒会主導である事が伝統となっていた。
つまり実行委員会イコール、生徒会という形態を取っているのだ。
当然、『学園祭実行委員長』は生徒会長であるオレリーという事となる。
今年は例年より、実施時期も少々遅め。
その為に学園側からの指示で、イレギュラー且つ特殊なイベントが盛り込まれる事となった。
その特殊なイベントとは……
生徒会メンバーへは、この場で唐突にフランから報された。
「今年の対抗戦は、学園祭のイベントのひとつとして行われます」
対抗戦とは、これまた魔法女子学園恒例のイベントである。
関係校である魔法男子学園の生徒代表者と、魔法の技量を競うエキシビションマッチだ。
審判は両学園の理事長、そして最終決定を下す審判長は公平を記す為、
創世神教会の長、枢機卿が務める事となっている。
フランの話を聞き、反応したのは生徒会長のオレリーである。
「フランシスカ先生、魔法男子学園との対抗戦を学園祭と合わせて行うのですか?」
「ええ、そうよ、オレリーさん。さっき魔法男子学園側から連絡があったばかりなの。こちらの学園祭のメインイベントならば、お互い相当注目を浴びるという名目でね」
「成る程……」
冷静にフランの話を聞いていたオレリーであったが……
いきなり衝撃の事実を告げられる。
「その上、試合を最高に盛り上げる為、生徒会長同士で試合をするという事も確定したわ」
「えええっ!? せ、生徒会長同士って? ……こちらは、わ、私が!? 私が出場決定って事なんですか?」
「そうなのよ、オレリーさん。魔法男子学園理事長たっての希望でね、貴女が指名されたわ」
「魔法男子学園理事長……」
「とりあえず、出場者だけ決定したの。試合形式等に関しては、これから理事長同士が相談し、詳細を詰めるらしいわ」
「な、成る程……」
「学園祭の準備と並行して、試合に備えるのは大変でしょうけど、公式の試合ではなく、単なるイベント。あくまでエキシビションマッチ。オレリーさん……勝負はともかく生徒代表として頑張ってね」
「は、はい。……全力を尽くします」
「という事で、本題へ入るわね」
そう、フランの言った通り……
魔法男子学園との対抗戦はあくまでもエキシビションマッチ。
つまり親善試合である。
試合結果は学業成績には反映されないし、表向きは勝負にこだわらない。
もしも負けても学園の恥とはならない。
学園の公式行事としては、学園祭の方が主であるから。
しかし……
魔法女子学園は、フランソワーズ、ジゼルと歴代生徒会長が出場し、圧倒的な強さで対抗戦を連勝中である。
いまさら負けるわけにはいかない……という学園内の雰囲気がある。
多分、魔法男子学園側は、オレリーの身辺調査をしたのだろう。
フランソワーズに匹敵する先代生徒会長ジゼルではなく、
新たに会長となったオレリーならば組し易しと考えたのかもしれない。
で、なければわざわざ、魔法男子学園側が現生徒会長を指名して、
対抗戦を行うなど考えられない。
そもそもオレリーは、魔法使いとして防御魔法の方が得意。
戦闘向きではないと自覚している。
対戦相手にもよるが、『模擬戦』が試合項目に入れば、
不利は否めない。
オレリーは改めて思う。
生徒会長同士の対抗戦……
凄い重圧がかかって来る……
その上、完全勝利を望まれた学園代表なんて……
凄まじい重圧を感じ、オレリーは動揺を隠せない。
そんなオレリーを他の会議出席者達は心配そうに見守っていたのである。
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