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第1,149話 「専門科目授業③」

本編に戻っております。

何卒宜しくお願い致します。


※追伸!

本日12月27日12時4分、

通算閲覧数『1億3千万PV』を突破致しました。


皆様のご愛読の賜物です。

ありがとうございます。

深く深く感謝致します。

 案の定というか……

 ジョゼフィーヌの指示に対する、『使い魔』プラティナの反応は完璧であった。

 続いてリーリャも、カーバンクルのクッカへ指示を出す。

 クッカも素晴らしい反応できびきびと動き、リーリャの指示に対して、迅速正確に従ってみせた。


 リーリャがルウの妻として、ブランデル邸へ移り住むまで……

 彼女は侍女頭のブランカ達御付きの者と共にホテル住まいをしていた。

 その間、何度も使い魔のクッカを呼び出していたのである。


 呼び出したクッカへ、何か特別な用事を命ずるわけではない。

 ……ただ優しく話しかけ慈しみ、戯れるだけ。

 一回の召喚でクッカと数時間は一緒に居て、リーリャはルウが傍に居ない寂しさに何とか耐える事が出来た。


 当時のそんなやりとりでリーリャとの固い絆を結んだクッカは、狩場の森で行われた魔法武道部との対抗戦で大活躍。

 凶暴なオーガなどの強敵を機敏な動きで見事にかく乱、リーリャ達ロドニアチームの危機を救い、栄光の勝利を呼び寄せたのである。


 続いてマノンやポレットの使い魔も無難に指示をこなした。

 但し、マノンの使い魔ペルシャ猫のアナベルは猫族特有な気ままさを見せ、マノンをやきもきさせていたが……

 ジョゼフィーヌやリーリャの使い魔ほどではないものの、アナベルの反応を見れば、充分に『合格範囲内』である。


 しかし他の生徒達は悲喜こもごも……

 指示が通らない使い魔の方が圧倒的に多いのだ。

 オレリー達の『成功』を見て、感嘆と羨望のため息を漏らす。


 使い魔と戯れるオレリー達の様子から、「そろそろ頃合いだ」と見たルウは、カサンドラへ告げる。

 A班以外の班の生徒達へ指導する為だ。


「じゃあ、カサンドラ先生、引き続きA班の指導を頼む。俺はエステル達B班とステファニー達C班の生徒をケアするから」


「了解だ、任せてくれ、ルウ先生」


 笑顔のカサンドラが大きく頷くのを見たルウは、エステルとルイーズの下へ向かう。

 彼女達B班は、未知の使い魔アンノウンを呼び出した者である。

 そもそもアンノウンの召喚は更にイレギュラーの要素が強く、稀少性が高い。

 この上級召喚術A組でもアンノウンを呼び出したのはこの2名しか居ないのだ。


 またアンノウンの訓練は、他の使い魔よりもずっと手間がかかる。

 ただ召喚するだけでなく、実体を持たないアンノウンを、仮初かりそめの人型という人形のような魔道具に憑依させた上、指示を出さなくてはならない。


 エステルとルイーズはそれぞれのアンノウンを憑依させた仮初かりそめの人型へ指示を出した。


 しかしルウの見る限り……

 仮初めの人型に宿ったアンノウンの動きは、まだまだぎこちなかった

 これでは合格点はあげられない。


「おうい、エステル、ルイーズ。お前達はあともう少し訓練が必要だな」


「 うう、悔しい。この前は上手く行ったのに」

「私もです」


「けして焦るなよ。アンノウンは通常の使い魔とは全く違う。根気よくコミュニケーションをとっていくんだ」


「は、はいっ」

「分かりました」


 エステルとルイーズには大きな夢がある。

 召喚術士として己を大きく成長させ、卒業後には工務省へ入省する夢……


 先日行われた魔法女子学園OGのイザベル・ブーケの講演を聞き、一層その思いを強くした。

 イザベルは、アンノウン『ゲルズ』を呼び出し、と完璧ともいえる意思の交歓を果たした。

 魔法女子学園学園を卒業後には、魔法大学に進学し、上級召喚術の厳しい訓練を積んだ。


 結果、イザベルは、アンノウンを使いこなせる召喚術士として一流の腕を持つ事が出来た。

 更にアンノウン『ゲルズ』の器の大きさも幸いした。


 工務省入省後……

 古代魔法王国の遺物、巨人ギガンテースという巨大ゴーレムにを『ゲルズ』を憑依させ、ヴァレンタイン王国の土木工事を担うようになった。


 最近、エステルとルイーズは憧れの先輩イザベルに会い、迷惑にならないレベルでいろいろと話を聞いているそうだ。

 そんな積極さもルウから見れば好ましい。


 エステルは苦しい生活を送る人々を助ける為、ルイーズは親に決められた人生を変える為という異なる志望理由からではあったが……

 同じ道を目指す者同士意気投合した。


 ふたりは良き同輩、良きライバルとしてお互いに切磋琢磨するようになったのだ。

 ルイーズが魔法女子学園の学生寮へ入寮してからは親密度にますます拍車がかかっている。


 さてさて……

 なかなか訓練が思うように上手くいかないエステルとルイーズであるが、めげた様子は全くない。

 安心したルウはふたりへ訓練を継続するよう励ますと、次にC班の生徒達の下へ向かう。


「早くぅ、ルウ先生~」


 歩んで来るルウに気付き、しかめっ面をして、悲鳴?をあげたのは、2年B組の学級委員長も務めるステファニーである。

 彼女は創世神教会枢機卿アンドレ・ブレヴァルの孫娘。

 つい最近までブレヴァル家の悪しき慣習により、防御と回復の魔法しか学んで来なかった。


 しかしルウ達の尽力でブレヴァル家の慣習は撤廃。

 ステファニーは晴れて、防御以外の魔法も学べるようになった。


 血のにじむような努力の結果、属性魔法の『防御』は勿論、『攻撃』の課題は何とかクリアしたものの……

 召喚魔法は発動させる事が出来なかった。


 よってステファニーの使い魔は未だ現れていない。

 楽しそうに使い魔と戯れる同級生達を悔しそうに見守るしかなかったのである。


「ルウ先生!」


「何だい、ステファニー」


「私って、やっぱり召喚魔法の適性がないみたいです。もう訓練やめたいよぉ……」


 音をあげるステファニーをルウは優しく励ます。


「おいおい、元気を出せ。ステファニーは召喚魔法の訓練を始めたばかりじゃないか」


「で、でも……」


「うん、分かった。あまり思いつめるな。もしもダメならダメで仕方がない」


「え? 仕方ない?」


「ああ、覚悟を決めて開き直れ。どのような魔法……いや、どんな事でもまずはチャレンジする事が大切なんだ」


「どんな事でも、まずはチャレンジが大切……」


「そうさ! じゃないと可能性はゼロのままさ。お前に隠された素晴らしい才能があっても全く見いだせない」


「ああ! た、確かに……そうですよね」


「万が一上手く行かなくても、座したまま何もやらずに後悔するよりは全然いい」


 ステファニーは大好きなルウの言葉を聞き、納得して、頷いた。

 沈んだ気持ちが勢いよく回復して来た。

 表情も晴れ晴れして来るのが自分でも分かる。


 確かに……

 教官のルウが理事長のアデライドに進言してくれたおかげで、状況は大きく変わった。

 学び習得する可能性は、ゼロではなくなったのだ。


 現に召喚魔法未発動の自分もこうして上級クラスに参加出来ている。

 去年までは考えられなかった事であり、これは大きなチャンスなのだ。


「はい、頑張ります、ルウ先生。ついてはもう少し魔力制御の効果が出るよう呼吸法を工夫出来たらと思うのですが……」


「よし、いろいろ他の呼吸法も試してみようか」


 そんなルウとステファニーのやりとりを見て聞いて……

 C班の他の生徒達も、気合をみなぎらせ、ルウを質問責めにしたのであった。

いつもお読み頂きありがとうございます。


皆様へお知らせです!


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