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第1,141話 「ジゼルとナディアのサプライズ⑨」

愛読者の皆様!


『魔法女子学園の助っ人教師』

(小説書籍版:HJノベルス様刊)


最新刊第6巻が5月24日に発売されました。

カーバンクルを肩に乗せたリーリャが目印です。

またアドリーヌが挿絵で初登場!

ぜひご覧になってください。


小説書籍版は既刊第1巻~5巻も好評発売中です。

店頭でお気軽に、お手に取ってくだされば嬉しいです。


既刊が店頭にない場合は恐縮ですが、書店様にお問合せ下さい。

この機会に6巻まとめ買い、一気読みなどいかがでしょうか。

ぜひ当作品を「ぐいっ!」と後押しして下さい。

何卒宜しくお願い致します。


既刊をご購入された方は、

小説家になろう様の活動報告、もしくはツイッターへご一報をください!

東導は感謝感激状態となります。

何卒宜しくお願い致します。


そして!


※『コミックス第1巻』が『5月27日』に発売されました。

お陰様で何と!!!

早くもコミックス第1巻の重版が決定致しました。

また第2巻の発売も決定しております。

ありがとうございます。

深く深く感謝致します。


その『コミカライズ』大好評連載中です。

株式会社スクウェア・エニックス様の刊行雑誌、

月刊「Gファンタジー」にて、

藤本桜先生の筆致で描かれる華麗な魔法世界を体感してください。

7月18日に発売された8月号には第7話が掲載されております。

どうぞお楽しみください。


※「マンガUP!」様でも好評連載中です。

スマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。

コミカライズ第1話の試し読みが出来ます。

WEB版、小説書籍版と共に、存分にお楽しみくださいませ。

 カルパンティエ公爵家邸……


 思ったより長く話し込んでしまったので時刻はもう午後4時過ぎ……

 ふと魔導時計を見て、ハッとし「そろそろ帰宅する」というジゼルとナディアに対し、ジェロームはカルパンティエ家の馬車を使うよう勧めてくれた。


 ジゼル達はジェロームの好意を受け、馬車で帰宅する事にする。

 名残惜しそうな表情のジェロームとシモーヌは玄関まで見送りに来てくれた。


「また遊びに来てくれ! 今度はそっちの家族、全員でな」

「ジゼル、ナディア、月曜日にまた学園で」


 仲睦まじくぴたりと寄り添い……

 笑顔で見送るジェロームとシモーヌへ手を振ると、馬車はゆっくり走り出した。


 車内のジゼルとナディアも同じように笑顔である。

 すぐさま話が弾む。


「ジゼル、改めて思ったけど……」


「何だ?」


「ジェローム様とシモーヌは凄く仲が良いよね。ボク達と同じく運命の出会い、相思相愛って感じだ。シモーヌも騎士を引退したら、ジェローム様と一緒に菓子店をやるって言っていてボク、吃驚したよ」


「ああ、兄上とシモーヌは幼馴染だった。そしてシモーヌは、私と共に兄上から剣の手解きを受けた」


「そうだったの」


「ああ、だから少し前まで兄上はシモーヌに対して、私と同じく『妹』としてしか見ていなかったが……ある日を境にがらりと変わったのだ」


「え? 1日で」


「うむ! 旦那様の後押しでな」


 1日で気持ちが変わった?

 ジェロームに一体何があったというのだろう?

 ナディアはとても気になった。

 それにルウが、ジェローム達の『キューピッド』になった話など聞いた事がない。


「えええっ!? 旦那様の? そんな話ボク知らないよ」


「ははははは! 旦那様は必要がない限り、家族にさえぺらぺらと口外しない。お前にも分かるだろう?」


「うう、確かに! でも妹から恋人に……ふたりがどうしてあんなに仲良くなったのか、ボクぜひ知りたい!」


「よ~し、教えてやろう。実はな」


 敬愛する兄がどうして幸せになったのか……

 それも親友のシモーヌと結ばれたのだから、ジゼルは嬉々として喋ったのである。

 ※第527話、550話~551話


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 ……馬車はまもなくブランデル邸へ到着する。

 ブランデル邸もカルパンティエ邸も同じ貴族街区にあるからあっという間だ。


 ジゼルの話が終わり、期待した通りの内容でナディアは満面の笑みだ。


「へぇ! 念話でジェローム様にデートサポート? 旦那様はやっぱり面倒見がいいや」


「ああ、そもそも兄上は女心おんなごころが全く分かっていない男性だった。気配りも機転も利かない。まあ武骨不器用な騎士だから仕方がないが……」


「…………」


「そこで旦那様の出番となった。シモーヌとデートをする兄上が上手く対応出来るようこっそり念話でサポートしてあげた」


「あはは、最強の助っ人だね」


「うむ、デート終了後、シモーヌの魅力にようやく気付いた兄上は認識を完全に改めた。片やシモーヌは兄上が初恋の相手だし、ずっと一途に想って来た。……こうしてめでたく相思相愛になったというわけだ」


「うふふ、良かった、良かった」


「うむ、本当に良かったと私も思っている。シモーヌなら兄上を託しても全く心配ないからな」


「ところでさ、ジゼル」


「何だ?」


「今日はお互いに嬉しいサプライズがあったわけだけど」


「おう! 確かに結果的に嬉しいサプライズになった」


 ジゼルが頷くと、ナディアは記憶を手繰り、尋ねて来る。


「君はボクを、幻想パンタシアへ連れて行く事を旦那様から提案されたって言ったじゃない」


「ああ、そうだ」


 ジゼルがその通りだと答えると、ナディアも微笑んだ。


「実はボクもそうなんだ。旦那様に言われて君をジェローム様の所へ連れて行ったのさ」


「な、何だって!?」


「ボクは旦那様から聞いた。男子会でジェローム様が作った菓子は旦那様が召喚した妖精ピクシーさえも味を認めてくれたそうだよ」


「ピクシーが!?」


「うん! 男子会に参加した人も腕を認め、それらがジェローム様の決意のきっかけとなったって」


「皆さんが兄上の腕を……」


「ああ、そうさ。でも」


「でも?」


「ジェローム様はね、ジゼル……誰よりも愛する妹の君に決意を聞いて欲しかったんだ」


「う!」


 ジゼルは胸が一杯になった。

 やはり兄は自分を慈しんでくれている……


「君達は素敵な兄妹さ。お互いを思い遣り、愛し愛される関係なんだ」


「…………」


「でもね」


 ナディアがまた水を差した。

 今度は何だというのか?

 ジゼルはとても気になった。


「ま、また!? で、でもか! 今度は何なんだ?」


「一番素晴らしいのは、ボク達の旦那様さ。皆が幸せになる事をいつも考えてくれているんだもの」


「お、おおお……そう! そうだな!」


「うふふ、ジゼル。もうすぐウチだよ。帰ったらしっかり旦那様にお礼を言おう」


「ああ、最高の感謝を込めてな」


「そして思いっきり甘えよう」


「甘える?」


「うん、旦那様だって喜ぶよ」


「おお、そ、そうだな! ナディア、一緒に思いっきり甘えよう」


 ジゼルとナディアは同意し、顔を見合わせ、晴れやかな笑顔を浮かべたのであった。

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