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第1,137話 「ジゼルとナディアのサプライズ⑤」

愛読者の皆様!


『魔法女子学園の助っ人教師』

(小説書籍版:HJノベルス様刊)


最新刊第6巻が5月24日に発売されました。

カーバンクルを肩に乗せたリーリャが目印です。

またアドリーヌが挿絵で初登場!

ぜひご覧になってください。


小説書籍版は既刊第1巻~5巻も好評発売中です。

店頭でお気軽に、お手に取ってくだされば嬉しいです。


既刊が店頭にない場合は恐縮ですが、書店様にお問合せ下さい。

この機会に6巻まとめ買い、一気読みなどいかがでしょうか。

ぜひ当作品を「ぐいっ!」と後押しして下さい。

何卒宜しくお願い致します。


既刊をご購入された方は、

小説家になろう様の活動報告、もしくはツイッターへご一報をください!

東導は感謝感激状態となります。

何卒宜しくお願い致します。


そして!


※『コミックス第1巻』が『5月27日』に発売されました。

お陰様で何と!!!

早くもコミックス第1巻の重版が決定致しました。

ありがとうございます。

深く深く感謝致します。


「Gファンタジー」様によれば重版分がそろそろ配本されているようです。

初版を手に入れられなかった方はこの機会にぜひご購入ください。


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WEB版、小説書籍版と共に、存分にお楽しみくださいませ。

 1時間後……

 謎めいたオロバスの書店、幻想パンタシアを出たふたりは、再び王都の街路を歩いていた。

 満足そうなナディアの笑顔を見て、ジゼルは得意げな表情だ。


「ははは、ナディア。私の言った通り、お前は狂喜乱舞していたぞ。これぞまさに私のスペシャルサプライズ、どうだ! 思い知ったか?」


「君の笑顔と物言いを聞いていると……何か、挑発されているというか、喧嘩を売られているというか、微妙な言われ方だけど……」


「ふふ、そんな事は全くないぞ。単なる気の迷いだ」


「そうかなぁ……でもあの店では得たものがたくさんあったし、これからも使いたい。ジゼル、まさに君の言う通りだ。ここは素直に礼を言っておくよ……ありがとう」


 ナディアは幻想パンタシアを知り、改めて考古学者になる意欲を固めていた。

 エドモンの息子で魔法大学副学長のケヴィンに続き、オロバスというまたタイプの違う新たな師匠に出会い、とても大事な話が聞けた。

 そして幻想パンタシア所蔵の書物により膨大な知識を得る可能性が出て来たのだから。

 また、こうなる事を考えてくれたのがルウだと思えば余計に嬉しいのである。


 ナディアの礼の言葉を聞き、ジゼルはますます上機嫌である。


「うむ! これからあの店へ行く際は、事前に旦那様へ話を通してから行くと良い。もっともっと得るものがあると思うぞ」


「だね!」


 という事で話は決着。

 時間が『お昼』なのでふたりの話題はランチへと切り替わる。


「よし! 私に任せろ! いくつか、チェックしている店があるぞ」


 ここでも先に提案したのはジゼルであった。

 今日は「全て仕切る」つもりらしい。


 しかし!

 今度はナディアが意外な事を言い出したのだ。


「いや、ジゼル。君に折角チェックして貰って悪いけど……もうお昼と午後の予定は決まっているよ」


 仰天したのはジゼルである。

 ナディアがお昼と午後の予定を決めていたなど全く知らなかったから。


「ええええっ? もう予定が決まっているだと!? な、な、何だ、それは?」


「うふふ、今度はボクの番だよ、ジゼル」


「ボクの番? それはどういう意味だ!」


「ああ、ジゼル。君を狂喜乱舞させるまではいかないかもしれないけど、大いに喜ばせようと思ってさ」


「何ぃ! 私を大いに喜ばせるだと?」


 まだ混乱しているジゼルの手を掴み、ナディアはぐいっと引っ張った。


「と、いう事で善は急げ! さあ、行こう!」


「ま、待て、ナディア! せめてどこへ行くのか私に教えろ」


「それじゃあ、サプライズにならないじゃない、ガタガタ言わないで黙ってついて来てよ」


「う、ううううう……」


 形勢は先ほどと完全に逆転した。

 ナディアの強引な押しに、ジゼルは屈するしかなかったのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 王都の街路を歩くジゼルとナディア……

 中央広場を突っ切って、建ち並ぶ飲食店を見向きもせずナディアが歩くのを見て、最初ジゼルはどこか『隠れ家的なレストラン』へ行くのかと考えた。


 しかしナディアが歩くのは貴族街……

 そちらにレストランはない。

 かといって、ブランデル邸に戻るのとも方向が違う。


 それどころか……

 ジゼルには周囲が見覚えのあり過ぎる風景に変わって来たのだ。


「おい! ナディア!」


「ん?」


「ん? ではない。この近辺は私がすご~く良く知っているぞ」


「だよねぇ~」


 何故かとぼけるナディアへ、ジゼルは尚更むきになって突っ込む。


「おい、いいかげんにしろ! この場所にレストランなどないぞ!」


「いや、それがあるんだな」


「ううう、わ、分からんっ!」


 そんなこんなで歩き続け……到着した場所は……

 果たしてジゼルが「もしや!」と思っていた場所である。


 高い壁に囲まれた豪奢な屋敷。

 広大な庭園。

 正門前に立ついかめしい護衛の騎士達。


「あ~~っ! やはり私の実家ではないかっ!」


「うん、ボクが君にサプライズする場所はここだもの」


「な、何がサプライズだっ!」


 興奮するジゼルに気付いたのか、騎士達が、


「おお、これはジゼル様、ようこそいらっしゃいました」

「お久しぶりでございます」


「あ、ああ……」


 と声をかけるが……

 混乱中のジゼルは上手く返事が出来なかった。

 ……ナディアのサプライズというのが全く分からないからである。

 単に昼食を両親と摂るだけならサプライズになどならないから。


 片や落ち着き払ったナディアが騎士達へ取次ぎをお願いする。


「ナディア・シャルロワです。ジェローム様、シモーヌ様へお取次ぎを」


 騎士達も何回もこの屋敷へ来た事のあるナディアを見知っていた。


「ああ、ナディア様もいらしたのですか? すぐに取り次ぎます」


「な、何? 兄上とシモーヌにだと?」


 少し前に兄ジェロームが王都騎士隊の寮を出て自宅に戻ったのは聞いていた。

 だから自宅に居ても、全くおかしくはない。

 だが……

 兄とシモーヌと4人で何のサプライズがあるというのだろう?

 ジゼルは不思議でならなかった。


 やがて……

 扉が開き、ジェロームとシモーヌが現れた。

 まだ一緒に住んではいないので、多分シモーヌは遊びに来たのだろう。


 更に不思議な事が起こった!


「おお、ナディアさん、良く来たな。おお、ジゼルも久々だ」


 ジェロームがナディアへ先に声をかけたのである。

 妹のジゼルを後回しにして……

 やはり何か、取り交わしがあるらしい。


 と、ここでシモーヌが笑う。


「どうした、ジゼル。そんな苦虫をかみつぶしたような顔などお前に似合わんぞ」


 どうやら……シモーヌも『サプライズ』が何なのか知っているらしい。


「ううううう……」


 ジゼルは自分だけが蚊帳の外だと拗ね、犬のように唸ってしまったのである。

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