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第1,131話 「私達の未来③」

愛読者の皆様!


『魔法女子学園の助っ人教師』

(小説書籍版:HJノベルス様刊)


最新刊第6巻が5月24日に発売されました。

カーバンクルを肩に乗せたリーリャが目印です。

またアドリーヌが挿絵で初登場!

ぜひご覧になってください。


小説書籍版は既刊第1巻~5巻も好評発売中です。

店頭でお気軽に、お手に取ってくだされば嬉しいです。


既刊が店頭にない場合は恐縮ですが、書店様にお問合せ下さい。

この機会に6巻まとめ買い、一気読みなどいかがでしょうか。

ぜひ当作品を「ぐいっ!」と後押しして下さい。

何卒宜しくお願い致します。


既刊をご購入された方は、

小説家になろう様の活動報告、もしくはツイッターへご一報をください!

東導は感謝感激状態となります。

何卒宜しくお願い致します。


そして!


※『コミックス第1巻』が『5月27日』に発売されました。

お陰様で何と!!!

早くもコミックス第1巻の重版が決定致しました。

ありがとうございます。

深く深く感謝致します。


「Gファンタジー」様によれば重版分がそろそろ配本されているようです。

初版を手に入れられなかった方はこの機会にぜひご購入ください。


その『コミカライズ』大好評連載中です。

株式会社スクウェア・エニックス様の刊行雑誌、

月刊「Gファンタジー」にて、

藤本桜先生の筆致で描かれる華麗な魔法世界を体感してください。

6月18日に発売された7月号に第6話が掲載されています。

ぜひ楽しんでください。


※「マンガUP!」様でも好評連載中です。

スマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。

コミカライズ第1話の試し読みが出来ます。

WEB版、小説書籍版と共に、存分にお楽しみくださいませ。

 ミンミの話とは……一体何なのだろう。

 アリス達の『悩み』を解決する話だろうとは想像出来るが……

 

 そもそもアールヴは長寿の種族。

 1千年から3千年は生きるという。

 故に人間であるルウとはすぐに『別れ』がやって来る。


 その瞬間を考えたら、ミンミだって絶対に悲しいはずなのに……

 喪失感も半端なく深いはずなのに……


 どうしてそんなに冷静でいられるのか?

 達観していられるのか?

 アリス達にはとても不思議だったのだ。


 そんな中、ミンミの話は続いている。


「まずお前達へ告げておく」


「…………」


「誤解しないで欲しいが……今のお前達の気持ちを、私は充分に理解している」


「え?」


 悩みを理解していると言われ、驚いて思わず声が出たのはアリスである。

 そんなアリスをミンミは真っすぐに見据える。


「アリス……私もお前と全く同じだ。人間のルウ様を好きになり……いずれ結ばれたいと望んだ時から、同時に深く悩み苦しんで来た。種族の寿命の違いにな……」


「…………」


「底知れぬ力を持つルウ様だが、やはり人間。長く生きて100年……それにあの方の性格ならば、魔法で自身を不老不死にするとか絶対にしない、否、延命さえされないだろう」


 確かにミンミの言う通りだろう。

 治癒回復の魔法を究めたルウならば、自らを不老不死にするなど容易いのではとアリスは思う。

 本音は……ルウに魔法を使って自分と同じくらい長生きして欲しいと願う。

 と同時に、ルウの性格上、自然に生き自然に死ぬのではとも思う。


「…………」


「私は……あの方が子供の頃からずっと見て来た。だから良く分かる」


「…………」


 唇を噛み締めるアリスを見て、ミンミはふっと微笑む。


「話を戻そう……散々悩み抜いた私だが、ようやく悟った。人生は出会いと別れの連続だと……」


「…………」


「結婚し、一生を共にしようと固く誓い合った伴侶にしても例外はない。いずれ別れは必ずやって来る」


「…………」


「これは創世神様が定めた摂理のひとつ……どこの何者にも曲げたり、変えたりは出来ない」


「…………」


「お前達はその摂理を当然分かっているからこそ、ここまで深く悲しんでいるのだろうが、改めて心に刻むべきだ」


 死による別れはどこの誰にでも必ずやって来る……

 いくら悩んでも泣いても叫んでも、絶対的なことわりは変えられない。

 改めて自覚するようにというミンミに対し、アリスはまだ納得がいかないという表情である。


「ではミンミ姉、その上で何をしろと?」


「お前達は大事な事に気付いていない」


 大事な事に気付いていない?

 想定外の指摘にアリスは戸惑う。


「大事な事? 何ですか、それ」


「うむ、それはな、変化だ」


 予想外の言葉にアリスは驚いた。

 ブランデル邸へ来てから……

 変わり映えしない日々ではあるが、この場の全員が幸せを感じていたからだ。


「変化!?」


「そうだ! 何か大きな事件が起こらない限り、私達は何ら変わりばえしない平凡な毎日を過ごしていると思い込んでいる」


「思い込むって、そ、そうではないのですか? 平々凡々でも幸せな日々だとアリスは感じていますけど」


「いや、違うな、アリス。平凡な毎日の中でもいろいろな事象が少しずつ変わっている」


「…………」


「私達はな、その僅かな変化に気が付かないだけだ」


「…………」


「まあ私もお前もきっちり定められたスケジュールに沿って動いている。昨日も今日も明日も明後日もやる事は極端に変わらないし、変化を感じないのは仕方あるまい」


 冒険者ギルドマスターのミンミも、使用人達をまとめ、ブランデルの家を取り仕切るアリスも日々の基本スケジュールはおおよそ決まっている。

 何か突発的なトラブルがなければ、変化など分からない。


「…………」


「確かに、突発的に起こる変化……事件などは予想がつかない」


「…………」


「だから予想が可能な大きな変化の例をひとつ出そう」


「予想が可能な大きな変化の例?」


 ミンミが言う予想可能な変化……

 冷静さを欠いているアリスにはまだピンと来ないようだ。


 なので、ミンミは単刀直入にズバリ言う。


「ああ、ルウ様のご方針で今は魔法によって制御されているが、子供の件だ」


「こ、こ、こ、子供ぉ!!!」


 思わずアリスは大声で叫んだ。


「ああ、子供だ」


 驚くアリスへ、ミンミは再びきっぱりと言い放ったのである。

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