第1,122話 「新生徒会長は誰だ!?⑱」
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『魔法女子学園の助っ人教師』
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水曜日下校時……
先週の木曜日から始まった選挙活動もこれで終わる……
長いようで短かった約1週間……
やれる事はやれた!
と、オレリーは実感していた。
ポスターも規定分目一杯貼ったし、朝夕の選挙活動も充実していた。
応援してくれる生徒も著しく増えた。
この選挙活動において、多くの人と出会って話す事が出来、自分が生徒会長としてやるべき事がいくつか見えて来たのである。
さてさて……
2年C組と1年C組、更に3年C組も加えた『合同食事会』の評判はあっという間に学園中に広まった。
選挙の規定により自身は参加する事が出来なかったが、発案者として、オレリーの名も知られる事となる。
これまではオレリーが、ジョゼフィーヌとリーリャの3人で歩いていても、注目される事などなかったのに、「ほら、あの子よ、オレリーって」見知らぬ生徒から囁かれるようになったのだ。
当然食事会の評判は良かったので、悪意を持って見られる事など全くなかった。
3学年合同食事会で、C組以外で食事会の飛び入り参加を快くOKして貰った生徒達にも影響を及ぼした。
いつもの食事と違い、とても新鮮で楽しかったせいか、今迄認識さえしていなかったオレリーを知り、好意的となったのである。
と、そこへ、
「オレリーさん」
最初は2年C組の級友約30人弱しか居なかったのが、今や3年生から1年生まで約80人……
大所帯となった『オレリーチーム』へ声をかけて来たのは、ポレットを引き連れた『ライバル』マノンであった。
級友の何人かは「敵か!」と緊張して身構えたが、マノンの表情は穏やかである。
敵意など全く感じない。
オレリーも笑顔でさりげなく返す。
「マノンさん、今日で選挙活動も終わりですね」
「本当に……」
マノンは頷き、軽く息を吐き出した。
そして意味ありげに微笑む。
「さすがですね、オレリーさん」
「さすが?」
いきなりの称賛にオレリーは、少し戸惑った。
しかしマノンは『いつも通り』一方的に話を続けて行く。
「全く予想外でした。まさか貴女が集票の為に、奇手といえるこのような手を打って来るとは」
「集票? 奇手? このような手?」
オレリーには全く話が見えない。
マノンは一体、何を言っているのかと思う。
オレリーがすぐ答えなかったので、マノンは自ら答えを戻す。
「合同食事会の事ですわ」
「…………」
合同食事会?
話がようやく見えて来た。
オレリーが選挙活動の一環として合同食事会を行ったと意味らしい。
……マノンは、何か勘違いしているようだ。
だがオレリーは敢えて反論せず、最後まで話を聞く事にする。
「状況は一変しました。今や学園でオレリーさんを知らない生徒の方が珍しいですし、目の前にいらっしゃる方々を見ても一目瞭然。貴女の支持者は結構な勢いで増えています。最早私と貴女は獅子と兎ではありません」
「…………」
「かといって、私は手を抜きませんし、これくらいで負ける気はしませんが……」
オレリーの作戦を大いに称えながら、マノンは余裕綽々である。
支持基盤である貴族層へのアピール、根回しが上手く行ったのであろう。
と、ここで「ちょっと、良いか?」と、話に割って入ったのは、
3年C組の学級委員長ソレンヌ・ケーリオである。
マノンへ正対したので彼女に告げたい事があるらしい。
「先輩、何か?」
「うむ! 2年A組のマノン・カルリエ君だったな」
「はい、そうです」
「君は勘違いをしている」
「勘違い? 私が?」
「勝ち誇るのは何か裏付けがあっての事だろうが……君はもう少し生徒会長の存在意義というものをを考えた方が良い」
「生徒会長の存在意義? 私、充分に理解しておりますが」
「……うむ、まあ良いさ。今日で選挙活動も終わり……この後の立ち会い演説会で、君とオレリー君の考え方が明確になる」
「でしょうね。私はもう何をお話しするか決めていますが」
「ほう、そうか。まあその後の投票で結果は明らかになる。ふたりには生徒達の心を掴む演説を期待するよ」
ソレンヌの言葉を聞き、マノンは逆に闘志を燃やしたらしく、不敵に笑う。
「先輩」
「うむ、何だ?」
「ぜひ立ち会い演説会で、私の考え方、意気込みを聞いてくださいませ。先輩はオレリーさん支持のようですが、演説を聞いた後は、がらりと心変わりして、私へ投票する事になりますわ」
「ははは! 言うねぇ、マノン君。楽しみにしているよ」
「はい! 宜しくお願い致しますわ」
先輩だからと言って変に臆さず、穏やかに堂々と自分の意見を伝える。
傍らで聞いていたオレリーは、自分にはない『素敵なもの』をマノンは持っていると思う。
でも……
負けない、負けたくないとも思う。
それに、結果はどうあれ、正々堂々と戦おう。
オレリーは改めて、強く決意したのである。




