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第1,115話 「新生徒会長は誰だ!?⑪」

愛読者の皆様!


『魔法女子学園の助っ人教師』

(小説書籍版:HJノベルス様刊)

特報!

1月25日に発売された第5巻に続き……

早くも! 『第6巻』の発売が決定しました!

本当にありがとうございます。応援してくださる皆様へ特大感謝です!!!


※発売予定日が出ました!

『5月24日』です!

ぜひ書店様へ、ご予約を!

次に向けて、強力な後押しをお願い致します。


小説書籍版は既刊第1巻~5巻も好評発売中です。

店頭でお気軽に、お手に取ってくだされば嬉しいです。


既刊が店頭にない場合は恐縮ですが、書店様にお問合せ下さい。

この機会に5巻まとめ買い、一気読みなどいかがでしょうか。

ぜひ当作品を「ぐいっ!」と後押しして下さい。

何卒宜しくお願い致します。


既刊をご購入された方は、

小説家になろう様の活動報告、もしくはツイッターへご一報をください!

東導は感謝感激状態となります。

何卒宜しくお願い致します。


そして!

『コミカライズ』連載開始しております。

株式会社スクウェア・エニックス様の刊行雑誌、

月刊「Gファンタジー」にて、

1月18日発売2月号より連載中。

藤本桜先生の筆致で描かれる華麗な魔法世界を体感してください。

4月18日発売5月号に第4話が掲載されています。


※そして何と!

『コミックス第1巻』の発売が決定しました。

『5月27日』に発売される予定です。

小説書籍版と共に、ぜひご購入くださいませ。


また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。

コミカライズ第1話の試し読みが出来ます。

WEB版、小説書籍版と共に、存分にお楽しみくださいませ。

「皆さん、ありがとうございます」


 立ち上がったオレリーは深々とお辞儀をした。

 自分を支持し、応援してくれる級友達へ。


「私から皆さんへ、お伝えしなくてはならないお話があります」


 オレリーから話?

 一体何だろう?


 級友達が注目していると、


「私が生徒会長に立候補した理由とは、私と同じ平民出身のそれも経済的に恵まれない生徒の励みになれば良い……その思いでした」


 「オレリーの気持ちは分かる」と級友達の殆どは納得した。

 至極真っ当な理由である。


「だけど……私は間違っていました」


 間違っていた?

 どうして?

 何故?


 級友達の訝し気な視線を受け、オレリーは苦笑する。 


「確かに私が生徒会長になれば、平民出身の生徒達が多少は励みにするでしょう」


 「それよりもっと大切なものがある……」とオレリーは話を続ける。

 どうやら内容を切り替えるようだ。


「私は、今自分が置かれている状況を思い直してみました……とても幸せです」


 とても幸せ……

 おおっぴらには話す事は出来ないが、愛するルウ、温かい家族に囲まれたブランデル邸での生活。

 そして級友達との深い友情……

 晴れやかな笑みを浮かべたオレリーらしく、実感がこもった言葉である。


「でも学園での今の幸せはクラスの皆さんが私の面倒を見てくれたからです……身分なんか関係なく」


 そう言うと、オレリーは少し遠い目をする。

 昔の記憶を手繰っているらしい。


「皆さんはご存知でしょう……1年生の時、私は完全にひとりぼっちでした」


 確かにオレリーは……クラスで孤立していた。

 否!

 級友達から完全に無視され、存在すら認められていなかったのだ。


「親しい友人どころか、挨拶する相手さえ居らず、孤独でした。寂しい感情を押し殺して単に勉強するだけでした」


 オレリーは笑顔で話している。

 あんなに辛かった日々も今だから笑って話せる。

 そのような気持ちなのだろう。


「絶対に一人前の魔法使いになって、明日の暮らしをも心配するような貧しい生活から抜け出す……大きな夢を見て、入学した憧れの魔法女子学園でしたが……辛い毎日でした。

 でも割り切りました。学園なんか長い人生の中では、単なる通過場所のひとつに過ぎない。必要な知識の勉強と魔法さえ習得出来れば、後は関係ないと自分に言い聞かせていたのです」


 そういえば……と、級友達も記憶を手繰った。

 去年の1年C組は今のようにまとまってはいなかった。

 他クラスの生徒から『劣等クラス』と散々陰口を叩かれ、全員が不貞腐れていたのだ。

 結果、各自が自由気ままに振る舞い、フランの授業も真面目に受けていなかった。


 それが2年生に進級してから……

 C組は劇的に変わったのだ。


「そんなある日、私に転機が訪れました……ミシェルさんとオルガさんが声をかけてくれました。授業へ一緒に行こうと誘ってくれたのです。温かい手を差し伸べてくれたのです。


 その日から……私の学園生活は変わって行きました。

 毎日毎日新たな友人が増えて……

 もう私はひとりぼっちじゃない。

 そう思うと、嬉しくてたまりませんでした。

 ジョゼ……いえ、ジョゼフィーヌさんとはまた違う意味で学園生活が楽しくなって行ったのです」


 ここでオレリーは真剣な面持ちとなる。


「ヴァレンタイン王国は身分社会です。貴族の中には露骨に平民を毛嫌いする人も居ます」


 「だけど……」と、オレリーは首を振った。


「この2年C組は違います。リーリャさんのような王族もジョゼフィーヌさんのような貴族も、私のような平民も縁あって巡り会った学園の仲間として固い絆を結び、上級魔法使いを目指す者同士として助け合いながら、日々切磋琢磨しています」


 オレリーの表情がまた明るくなる。


「今の私は魔法女子学園が大好きです。負のスパイラルに陥っていた時の私は大いに誤解していました。違うんです。学園は単なる人生の通過場所などではありません。C組の素敵な仲間達に出会えた特別な場所です」


 きっぱり言い切ったオレリーはにっこり笑う。


「リーリャさんから聞きました。彼女は学園に来てすぐフランシスカ先生にこう言われたそうです。


 ……人生を振り返った時に、魔法女子学園で過ごしたあの頃は、とても楽しかったと、きっと思い出す筈。私もそうだったけれど……貴女くらいの年頃は、何ものにも縛られない自由で多感な時なの。だから……思い切り楽しむのよ……って」


 リーリャに告げられたフランの言葉を噛み締めるように言ったオレリーは、

 「同意!」とばかりに大きく頷く。


「私も……フランシスカ先生の仰る通りだと私も思います。学園は確かに魔法を学び習得する場所ですが、けしてそれだけではありません。信頼に足る仲間達と出会い、友情を育み、二度と戻っては来ない青春の貴重な時間を絶対後悔のないよう過ごす聖地なのです」


 信頼に足る仲間達と出会い、友情を育み、二度と戻っては来ない青春の貴重な時間を絶対後悔のないよう過ごす聖地……


 今の2年C組の生徒なら分かる。

 深い絆で結ばれた仲間達と共に、悔いのないよう、限りある青春を完全燃焼させなくてはと改めて思うのだ。 


 大きく頷いた級友達へ、オレリーは告げる。

 強い決意を眼差しにこめて、


「私は、大好きな魔法女子学園に報いる為、生徒会長になります。そして私みたいに回り道しないよう、自分の進むべき道を見つけ、少しでも充実した学生生活を送れるよう、身分など関係なく全生徒の良きサポーターになれればと思います……皆様、ご支持と応援宜しくお願い致します!」


 オレリーが、きっぱりと決意表明した瞬間。

 2年C組の教室には級友達の大きな拍手が鳴り響いていたのである。

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